遠く、756年の昔に建てられていたとされる奈良・東大寺の正倉院正倉。
平成23年の秋から、屋根の葺き替えを主とする整備工事が進められていて、その模様が3月15日からお彼岸の入りの17日まで公開されました。
∮ 穏やかに晴れた日、その三回目の現場公開への参加が嬉しくも叶う
∮ 左の写真二枚は説明会のリーフレットから拝借した
南倉、中倉、北倉の三倉が連結された一棟三倉の正倉、聖武天皇遺愛の品を光明皇后が東大寺大仏に奉献されたことに始まっていると言われています。
毎年秋の「正倉院展」で、“ シルクロードの終着点 ” とも称される宝物の一部を目の当たりに拝見でき、関西に住まうことに感謝。
∮ 正倉は、床下約 2.7 m、直径約 60 cm の丸柱が礎石に乗っている
∮ 縦四列に横十列の柱が整然と並ぶ豪壮な建屋、間近に見て改めて古人の叡智に感嘆
三倉の中で北倉と南倉は、三角形や四角形や台形の断面をした木材を井桁に組んで外壁とした校倉造り、見た目から、「甲冑の甲倉」とも言われているそうです。
∮ 北倉と南倉を校倉造りの壁として、厚い板をはめた板倉造りの中倉
∮ この中倉、もとはもとは壁も床板も張らない吹き放しだったので、「双倉」と呼ばれたとする説もあるそう
∮ 各倉に扉が付き、内部は階段が設えてある二階建
校倉造りの形、湿気などの対策かと思っていたのですが、説明員の「大きな木の芯を取り三角材に分ける方が四角に切るより無駄がない」と聞き納得です。
∮ 現在、補強工事は概ね完了し、屋根の本瓦の葺き替えの準備中
天平時代の瓦を参考にして補足瓦を製作している様子が展示されていました。
∮ 再利用の古瓦は昔ながらの瓦の下に土を置く土葺で、新しい瓦は土を置かない空葺
∮ 大屋根の稜線には、天秤のような金具がついている
∮ 避雷針?と思ったら、昔はこの金具に命綱を通し葺き替えをしていたとか
今は瓦が下ろされているので目立ちますが、瓦が葺かれると目立たなくなるそうです。
現在では、クレーン車があるので使うことはないと説明がありました。
話は工事から離れますが、茶道を趣味としていることもあって正倉院裂(ぎれ)や香木に興味があります。
特に、古来名香木として、銘に東大寺が入っている「蘭麝待」(らんじゃたい)が正倉院展で展示されたときは馳せ参じました。
∮ その香木、1m 弱ほどのものと見えたのだが、実物は大きくて驚いたのを覚えている
∮ 時の権力者、足利義政、織田信長、近くは明治天皇が切り取ったと伝えられている
∮ その箇所にその慮外者?の名が書かれた紙が貼ってあるのが面白い
∮ 淡路島に流れ着いた流木を漁師が薪に投げ入れたところ、素晴しい香だったという
∮ それで、驚いて献上したと聞いたことがあるが、どうなのだろう?
この修理、「次の100年に、『きちんとしておいてくれた』と言われるような修理をしておかないといけないのだ」との説明を伺い頷かされました。
文化財の維持には、「惜しみなく税金を使って下さい」、そんなことを思いながら鹿が長閑に草を食む奈良公園を離れたのでした。()
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.590
春日大社お参りの後若草山原生林を歩き頂上でお弁当タイム、下りて大仏殿、ここで大仏様の鼻の孔と同じ大きさに開けられた柱の穴をなんとやんちゃ姫は潜り抜けたのでした。
70歳に手の届くようなおばあちゃんは孫と同程度[E:coldsweats01]
30数年前子供たちとしょっちゅう遊んだ奈良公園、奈良町、商店街と懐かしかったです。25000歩、歩きました。
失礼な奴、でも、同感で~す。([E:libra])