※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (24) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (76)
ロンドンとワシントンDCのナショナル・ギャラリーなどの例外もあるけれど、中世宗教絵画から印象派辺りまでを一堂で見られる国公立の美術館は少ないようだ。
で、小編のように美術館で括ると、こってりとした宗教画が続いて、たまにはあっさりとした印象派を、と思わないでもない。
聊か凭(もた)れ気味のゲマルデ・ギャラリー編、箸休めに可愛い作品をご賞味あれ。
描いたのは王の画家にして画家の王と呼ばれ、諸外国までその名声を轟かせたバロック期を代表する画家ピーテル・パウル・ルーベンス (1577-1640/フランドル)。
ところで、総数約1200点と膨大な作品を残すルーベンス工房のため、どこの美術館も広い場所を用意しなければならないようだ。
取り分け連作 「<マリー・ド・メディシスの生涯>」(ルーヴル美術館蔵)に代表される超大型の作品が多い彼の事、ここも全てが彼や工房の作品でないにしても幾つもの部屋に別れて架る。
前書きが長くなったが、その可愛い作品とは 「小鳥と少年」(1616年/49×40cm)。
本作、ウィーンの<アルベルティーナ美術館>に架る 「<息子ニコラス>」(1619年/25.2×20.2cm)を想い起させる。
それも当然のことでこのふたり、ルーベンスが愛した息子、アルバートとその弟ニコラスなのだ。
この鳥と遊ぶモチーフは古くまで遡り、キリスト教に関する作品に頻繁に取り上げられたのだとか。
それは、“ 鳥は余りにも早く通り過ぎてゆく魂や生命を象徴している ” から、ということのようだが、子育てを母親に任せっきりの父親から見れば、何時の間にか大きくなってるようなところも、確かにある。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1343
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