“ ラインの真珠 ” とも呼ばれるリューデスハイム。
ドナウ川が、シュトラウスの「美しく青きドナウ」の舞台ならば、これから向かうザンクト・ゴアルスハウゼンは、ハイネの「ローレライ」 がハイライト。
旅の本には、ライン川流域のマインツからコブレンツの間は多くの古城が点在、“ ロマンチック・ライン ” と呼ばれ、世界文化遺産にも登録されているとある。
ただ、時間がない場合は、そのうちのリューデスハイムからゴアルスハウゼン間の2時間ほどの船旅がお勧めともある。
という訳で、ペトロ とカタリナ、「ゴアルスハウゼンまでで十分だわ」と、KDラインが運航する観光船(写真上)でライン川を下る。
10月からはオフ・シーズンのダイヤ。
リューデスハイムからゴアルスハウゼンへは一日4便、14時15分発の便に乗船、ゴアルスハウゼンには16時過ぎに着く予定だ。
乗船時に、乗務員が「何処まで?」と尋ねられるが、前後の観光客らから耳に入る名前は、「コブレンツ」が多い。
日本人観光客は、新婚旅行と思しき2組と3人連れの若い女性グループだけ。
天候は、これ以上望んでは罰が当たりそうなほど。
ただ、カタリナが、冷たい川風で咳き込むかも知れず、2階のデッキは避け1階の食堂(写真中)に腰を落ち着けた。
当然のことに殆どの人がデッキへと行ったらしく、まるで貸し切りのよう。
秋の柔らかな陽射しが、ガラス窓を通して降りかかる。
銀色に輝く漣を眺めながら、心地よいエンジンの響きに身をゆだねた。
これから三回に分けて、 “ 秋の日のライン川下り ” (写真下) を綴る。(続く)