桃から生まれたpink太郎

日々感じていることを、少しずつ書いていきたいです。

痛みからわかること

2009年07月20日 | ballet
今週、脚が痛くて、バレエのレッスンができていません。

もちろん、ストレッチなんかは自分のペースでゆっくりできるのですが

バーレッスン・センターなんかはまったくできません。



もともと私は、けがや故障の少ないダンサーで、

恵まれているなって思っていました。



昨日、スタジオでストレッチしながら、他のダンサーたちのレッスンを見ていたら、

焦りとか不安とか、いろんな気持ちが複雑にからみあって

ぽたぽた涙が出ました。



故障の多いダンサーを見て、いつも私は

『つらいだろうなあ・・・焦るよね。悲しいよね』って心を合わせてきたつもり。

痛みを共有してきたつもり。



でも、自分がなってみてわかります。

ぜんぜん違うって。

同じ痛みにならないと、人の痛みを理解できないって言うのは

本当なら、違うのかもしれないけれど、

自分が同じ立場にならないと、やはりこの痛みはわからない。

痛みに付随してくる不安な気持ちだったり

焦りだったり

もちろん脚自体の痛みだったり・・・



痛いって言葉だけじゃない。

つらいって言葉だけじゃない

その裏の入り混じった複雑な気持ち・・・

それらは、自分がなってわかるんだって思いました。



逆に言えば、今までは、彼らの痛みの表面しかわかってなかったなって。



だから、スタジオでレッスンできないのも

それほど悪くない。

人の痛みがわかって、きっと、バレエの生かされるって

そう信じています。



真冬の夜の夢

2008年12月18日 | ballet
日本のちょっとだるいような、「今日は暖かかったけれど、明日は雨になりそうにな夜」に似た、

LAの夜、私は公園にいた。


すばらしいTapダンサーたちの、正確で、きれのいい、ヒールやボール(靴の裏にはってある金属の板のこと)の音を聞いていた。
ただでこんなの見せてもらっていいの?と思うくらいの、素晴らしいできばえ。
彼らは、このプログラムを持って、今週末に行われる、Minneapolisでのdanceのcompetitionに臨むらしい。
これ以上のteamがいるのかなあ・・・


「どうだった?」と聞かれて、お世辞でもなんでもなく(私たちは、基本お世辞をいえないのです)「Great!!!」「BRAVO」という私に、何か言えと命令するTapの王子。

「そうだなあ・・・できれば、首の角度までそろえる気持ちがあるといい。

そろわなくてもいいから。その気持ちがあるのとないのとでは、大違い」と僭越ながら言わせてもらった。


Tap王子に生意気だと叱られるかと思ったが、「なるほど。そのほうがより美しく見えるか」といわれほっとした。





引力の存在を発見したのは、誰だったか。



私たちは踊っていると、よく先生から「bodyを引き上げて!引力に逆らって!」などといわれる。

それは、わかりやすく説明する上での、メタファではあるが、私はbodyを引き上げながらも、

「引力なんて感じないぞ」って思っていた。


Tap danceでは、全く逆のことを要求されることが多い。つまり、引力に逆らわない。
下へ下へと、まるで引っ張られるように、踊る。
私が踊ると、balletのくせで、bodyを引き上げるようなことをしてしまい、

上がった分その分人よりOne tempo遅れる。
「体の重みを感じて!」とよく注意されるが、全く感じられない。
私付近には、引力なんてないんじゃないだろうかといつも思っていた。


今日見せてもらった、彼らのdance!!
これぞ、Tap!
みている私にも、引力の存在が見えるようだった。

地球の真ん中で、誰かが彼らの足の裏から糸をつけ、引いているのではないかと思う、

靴音も重い、とても揃ったdanceだった。



今度の大会終わったら、彼らの生活は一気に変っちゃうんじゃないかって思う。

もう、私のレッスンの終わりを待っててくれたり、一緒にpartyしたりできない遠い存在になってるのではないかと、寂しくなる。



彼らが、LAに戻ってきたら、今年のお別れpartyをすることになっている。
一人一つずつプレゼントを用意して、交換しようねと提案した。



誰に当たってもいいように、Tapshoesをいれるbagを用意しよう。そう思った。


tapが結んでくれた縁

2008年01月30日 | ballet
コッペリアからだからほとんど6ヶ月・・・tapを休んでしまいました。

コッペリア終わったら、ドイツ合宿があり、すぐNutsCrackerがあって。

かかとを傷めたのもあり、休ませていただいてました。



仲間たちは、コッペリアもNutsCrackerも見に来てくれて、たくさんたくさんの拍手とBRAVOとお花をプレゼントしてくださいました。



長く休むと、行きにくいですね。

階段登って、スタジオ入るのに、何度階段を往復したことか・・・



今日は3階で上級クラス(プロ含む)、2階が初心者やおためしのクラスでした。

私は迷わず、2階へ・・・(今までは中級者のクラスだったのですが)

最初は、戸惑いましたが、30分も過ぎた頃から、そうそう・・これこれ・・こんな感じ。

backステップっていうちょっと難しいステップもあるのですが、それも何度かやるうちに思い出して、ほっとしてきた頃、ガラスをこつこつ叩く音がしました。

振り向くと、いつもの仲間たち。

ある者は手を振り、ある者は、なんでここにいる?って顔をしていました。

少し早く終わった、彼らが私を見つけてくれたようでした。



「Pink足どうしたの?痛みがあるの?」

さすがです。痛めた足をかばっているのがすぐわかるようです。

痛かったけど、今はもう平気。

公演も終わったし、また来るね。



いつも私に「遅れるなよ!」って言うやつが「なんでこんなところでやってんだよ!」

「下手だから。久しぶりだから。」て答えると、なんか文句ありそうにぶつぶつと・・www

「みんなプロだよ。一緒にやれるわけがない。また頑張って追いつくからね」ってそういうと、

今度いつ来る?なんて聞いてくれる仲間たち。



彼らって、今まで私の周りにいなかったタイプの人なのです。

彼らにしても、私は今まで周りにいなかったタイプの人間だってわかります。

なのに、lessonにこないと心配してくれて・・・すごくすごくうれしかったです。

本当なら、きっと一生出会えなかったに違いない、彼ら。

tapが結んでくれた縁。



一生danceで生きていくに違いない彼らと、danceではない違った道を歩くことを決めている私。

いつまでこの交点があるのか、点が線になっていくのかわかりませんが、彼らのさりげなさを心地良く思うのでした。

手の表情

2007年11月11日 | ballet
高くjumpするとき、手を体につけたままjumpしてみてください。
そこそこjumpできるかもしれませんが、どこかぎこちないですよね?

ちょっと手をつけてみましょう。
飛び上がる時に、上にえいっ!って感じで。
さっきより、jumpも大きく見えるし、元気が感じられますよね。

今度はさっきの要領で手をつけるんだけど、げんこつでえいっと突き出してみましょう。・・・・元気で力強い感じがします。
では、まっすぐ指先まで伸ばして跳んだら?
いろんな見方があると思いますが、私にはそこにまっすぐな思いを感じます。
まっすぐ伸ばした指先に、希望のような明るいものを感じます。

これが指先の効果。手がついてこないjumpより、いろんな思いが表現できます。

文章を書くときもきっこれと同じような作業をするんだろうなと思います。
元気さを文章で表現するときも、拳骨を使うか、片手だけのガッツポーズをつかってみるか、あるいは、jumpしたときに足を曲げてみるか・・・

足を使わず、手だけの表現をする練習をしています。
指先にまで神経を行き届かせていたつもりでも、まだまだだったことがわかります。
親指以外の4本をぴたっとそろえるよりも、人差し指だけ他の4本からはずして後ろに持っていくほうが、ちょっと色っぽいでしょ?
手ってすごいですよね。
いろんな表情が表現できる。
いろんな思いを表現できる。

まっすぐ上げた両腕を、静かにやさしく下ろしただけで、白鳥の羽が見えることすらあるのですから・・・

やっぱり、踊りたい

2007年02月26日 | ballet
balletのジュニアの子達のコンクールが近いため、スタジオを今日は私たちsenior生が使うことができなかった。
足がちょっと痛い私には、少しうれしい休息日。
自分で休むのではなく、休んでねって言われて休むのは、罪悪感がなくてほっとする。こんなことでほっとするのは、かなりの小心者だ。

シニア生みんなで、自主トレをすることになった。(こういうのも自主トレっていうのかな)それも海岸で・・
私の提案で自転車でSanta Monica bayに向かうことになった。
うちにある3台の自転車もつかって、海に向かう。

道路で競争なんて迷惑だけど、いつの間にかみんな競争し始めた。
普段は、けがに気を遣って、自転車にのることをあまりしない私たち。
でも、今日はまるで子どもみたいにはしゃいで、途中で足を広げたりする仲間もいたりして、すごく楽しい。
前髪がぜ~~んぶうしろにいっちゃったり、ほっぺがどんどん紅潮してくるのもわかって、爆笑しながら海に着いた。

誰が約束するわけでもないのに、裸足になって「白鳥の湖」を踊りだす。
4羽の白鳥の男性版をやって、みんなで爆笑!
トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団 には申し訳ないが、こっちの4羽の白鳥のほうが美しい!
身長が揃ってないのが残念だけど、しなやかさに力強さが加わり、さすが!

ポアントなんてなくてもシューズなんてなくても、踊ることってこんなに楽しい。

ばかなことをやってたら、観光客が集まってきていた。
大道芸とでも思われたかな?

空は真っ青。
私はやっぱり踊ることが大好きだ♪

私はオーロラ姫

2006年11月26日 | ballet
2年に1度のballet公演が終わり、抜け殻のような脱力感があります。
ああ~~終ったなあ・・・
私はあと何年踊るんだろう・・・最近こんなことをふっと思うようになりました。

今回私は、得意なお姫様だけではなく、魔女の役をすることになりました。

眠れる森の美女のグラン・パ・ドドゥの王子様はRussiaからのゲストが踊ってくださいました。
リハから緊張で、踊りにくかったらどうしようと思う毎日でした。
彼はRussia期待の新人で、ハンサムでプロポーションもよく、運動能力も非常に高いすばらしいダンサーです。
かなりのプライドをおもちになって(下手なダンサーと踊りたくないというプライド)こちらにいらしたようでしたので、体が震えました。

いつもと違う相手と踊ると、自分の欠点ってよくわかります。
左はできるのに右はできないとか(例えば回転の軸足など)先生からいつも言われている脇を伸ばすとかボディを引き上げるとか、腕を長くとかそういうことがまだまだ足りないことなど、気づくことができました。

ロシア語のわからない私ですが、本番後に王子様から「グラシーバ!!グラシーバ!!」とほめてもらいました。
通訳の人に聞くと「きれいだってことよ」

よかった・・・あの瞬間私は本当にオーロラ姫でした。


素敵な機会を与えてくださった、すべての方に感謝いたします。

tap dance初舞台

2006年09月20日 | ballet
先週のtapdanceのレッスンの終わりに先生から、
「今度、○○通りでdanceのいろんなグループが集まって、dance festivalをやる の。Pink、でてね。Mr.Kと一緒に踊って欲しいの。」

「へ?私?冗談でしょ?無理です。無理無理。いやだいやだ~~」
私の口から出てきた言葉は、negativeなお返事ばかり。
あのおじいさまと?迷惑だよ。私なんか、まだいい音も出ないのに。。。

なのに、「Pink、服装はどうする?」てもちかけられて、
「そうですね・・・。下は黒いパンツ、上は白いブラウスなんてどうでしょう?」
って提案している私がいました。(ほんとばか!)

ステップを覚えるのは、振り付けを覚えるようなものなので、大して時間はかからないのです。
ただ・・・・・・ださいの。かっこ悪いの。かっこいいおじさまと踊るのが、申し訳ないのです。


とかなんとかいいながら、今もステップを刻んでるんですが・・・
どうしようかなあ・・・・

相手を立てる

2006年06月06日 | ballet
土曜日balletのレッスンをしているときでした。
私はオーロラのパ・ドドウを踊るパートナーの子とちょっと話しながら休憩していたのです。
私の目の前で、ジゼルのパ・ドドウを踊るペアを見ていました。

すると不思議なことに気がついたのです。
彼らは、美男美女で身長さなどのバランスもとってもいいペアです。
なのに、今日はちっとも美しく見えない。
今日もだったのかもしれません。
私が気がつかなかっただけ。。
あれ?どうしてだろう?うん?何か変だ。。。
わからないから気持ち悪いままレッスンできずに、彼らの様子をじっと見ていました。

ジゼル役の子が、男性パートナーに文句を言っています。
もっと私をしっかりサポートしてよ。
きれいに見せてよ。て。。。

そっかあ。
だからか。。
私もそうだった。いえ、わたしもそうだ。
自分のことばっかり。
私をきれいに踊らせて。
私を一番美しく見えるようにして。。

口で要求しなくても、態度で心で要求していたように思います。
それに気がついて、もう一度よく鏡を見ながら練習しました。

そして、気がついたことがあります。
自分がきれいに見えたいのなら、男性パートナーをもかっこよく踊らせて上げないといけないってこと。
男性をかっこよく見せて初めて、女性もきれいに踊らせてもらえるってこと。

だって、たとえばリフトしてもらっていて、男性は女性の重さで笑顔を作れず、苦しげだったり(たまにいますよね)肩で息をしていたり、いくら女性がリフトされていてにこにこしていてもそれは、美しいペアとはいえません。

男性をきれいに見せてこそ、女性もきれいに見える。
相手を立てるってことなのでしょうか?

私が、私が!!ってばかり自己主張しててもだめなのよ。
気がついてよかった。
素敵なオーロラ姫を踊りたいです。