母の留守中のことでした。
思うところあって、母から着物を借りたくなり、自分のイメージに合う着物がないか探していました。
ありました!ありました。
私は和色の名前を知らないので、お伝えにくいのですが、ピンク色の着物です。
薄いのだけど、華やかで上品。深くて落ち着いているのだけど、若々しい、そう桜色といったほうがいいような、なんとも形容しがたい美しい着物です。
その着物を母が帰ってくるやいなや私は、tapdanceのフェスタに使うから貨してと頼みました。
大概のことは許してくれる母が、
「嫌だ、Pinkには貸さない。」と、一蹴されてしまいました。
桜色の着物を前に母はこんなことを私に話してくれました。
「このピンク色、桜から染めてるんだけど、桜のどの部分から染めてると思う?(当たり前のように花びらと答える私に)
ううん。
これはね、桜の木の皮から染めてるの。
いつのときの桜の皮でもいいんじゃなく、桜の花が咲く直前の木の皮から染める と、こういう深いピンクになるのよ。
染色家が命を削って自分の技術とタイミングを結集させて、この色を出すのね。
この着物にある、深い思いがママには分かるのよ。
ママは着物をめったに着ないよ。パパと一緒のpartyにしか着ていかない。
でもね、そのときは自分が日本人だということを深く自覚するの。
LAにいても、自分は日本人だとはっきり確認できるの。
この着物はとても高価なものだけど、たとえ高価でなくてもママは嫌。
曲のイメージにあうとか、和の雰囲気を出したいとか、そんな場で着物を使って もらいたくない。」
着物だって、私を着て~~って叫んでるよ。いいじゃん、貸してくれたって・・・なんてまだ心の中ではそう思ってました。
私の前に広がっている桜色の着物。
着物は、日本文化の代表選手であって、その中にはいろんな技術が集約されています。
長い時間かかって染色技術も進化しているのでしょうが、職人さんたちはきっと昔ながらのやりかたで心を込めて色をつけ、一針一針縫うわけです。
なのに、簡単に着られる着物とか、上半身と下半身に分かれた着物も見たことがあります。
それから、襟のところにファーをつけたり、レースがついていたり、今風の着方なんだろうけど、私はちっともいいと思わない。
着物って本当にきれい。こんなのを作り出した日本人ってすばらしい!
いつもそう思っていたのに、tap danceで座頭市をやるからって、安易にこの着物を選んでしまいました。
着てもらえない着物はかわいそう、使ってないものは使ってあげましょう。なんて一見理にかなっているようですが、合理的なだけ。
いかにもAmericanな考え方です。
深い桜色の母の着物。
「Pinkに着てもらいたいよ。」と母に言われる日が来るといいです。
思うところあって、母から着物を借りたくなり、自分のイメージに合う着物がないか探していました。
ありました!ありました。
私は和色の名前を知らないので、お伝えにくいのですが、ピンク色の着物です。
薄いのだけど、華やかで上品。深くて落ち着いているのだけど、若々しい、そう桜色といったほうがいいような、なんとも形容しがたい美しい着物です。
その着物を母が帰ってくるやいなや私は、tapdanceのフェスタに使うから貨してと頼みました。
大概のことは許してくれる母が、
「嫌だ、Pinkには貸さない。」と、一蹴されてしまいました。
桜色の着物を前に母はこんなことを私に話してくれました。
「このピンク色、桜から染めてるんだけど、桜のどの部分から染めてると思う?(当たり前のように花びらと答える私に)
ううん。
これはね、桜の木の皮から染めてるの。
いつのときの桜の皮でもいいんじゃなく、桜の花が咲く直前の木の皮から染める と、こういう深いピンクになるのよ。
染色家が命を削って自分の技術とタイミングを結集させて、この色を出すのね。
この着物にある、深い思いがママには分かるのよ。
ママは着物をめったに着ないよ。パパと一緒のpartyにしか着ていかない。
でもね、そのときは自分が日本人だということを深く自覚するの。
LAにいても、自分は日本人だとはっきり確認できるの。
この着物はとても高価なものだけど、たとえ高価でなくてもママは嫌。
曲のイメージにあうとか、和の雰囲気を出したいとか、そんな場で着物を使って もらいたくない。」
着物だって、私を着て~~って叫んでるよ。いいじゃん、貸してくれたって・・・なんてまだ心の中ではそう思ってました。
私の前に広がっている桜色の着物。
着物は、日本文化の代表選手であって、その中にはいろんな技術が集約されています。
長い時間かかって染色技術も進化しているのでしょうが、職人さんたちはきっと昔ながらのやりかたで心を込めて色をつけ、一針一針縫うわけです。
なのに、簡単に着られる着物とか、上半身と下半身に分かれた着物も見たことがあります。
それから、襟のところにファーをつけたり、レースがついていたり、今風の着方なんだろうけど、私はちっともいいと思わない。
着物って本当にきれい。こんなのを作り出した日本人ってすばらしい!
いつもそう思っていたのに、tap danceで座頭市をやるからって、安易にこの着物を選んでしまいました。
着てもらえない着物はかわいそう、使ってないものは使ってあげましょう。なんて一見理にかなっているようですが、合理的なだけ。
いかにもAmericanな考え方です。
深い桜色の母の着物。
「Pinkに着てもらいたいよ。」と母に言われる日が来るといいです。