パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

流浪の月

2020年04月09日 | 本・マンガ・テレビ・映画
4月9日(木)晴れ

今年の本屋大賞は凪良ゆう著「流浪の月」になった。
ほぉ〜っと思った。
つい数日前に読了したばかり。
と言うのも、数ヶ月前、娘が「流浪の月」を見せながら「今読んでるんだけどママも読んでみて!」と言ったので図書館に予約していた。
数ヶ月経って、忘れた頃に順番が回ってきたので借りてきて読んだばかり。
しかし、感想文をかけないまま数日が経ったところだ。
なぜ感想文が書けないか。

簡単にあらすじを説明すると・・・
小学生の頃、父が亡くなり、母が出奔し、叔母の家で育てられるようになった少女「更紗」。
従兄に性的虐待を受けている。
公園でいつも女の子を眺めている大学生「文」と知り合い、彼の部屋に住むようになる。
数ヶ月後、誘拐事件として保護され、更紗は状況をうまく説明できないまま文と別れることになる。
ずっと「文」を求め続ける「更紗」
15年後、二人はまた出会い・・・

ワタクシは、小説にせよ、映画にせよ、何にせよ、あまりに現実離れしたものは好まない。
いや、リアリティさえ感じられれば、光源氏がこの時代にタイムスリップしてきたり、朝鮮王朝貴族が屋根裏に住んだり、スパイが、殺し屋が、エスパーが、生まれ変わりが、登場してきても受け入れますよ。
フィクションとしてエンタメとして楽しめる。
そんな、いたって自分をノーマルと思っているワタクシが、読了後に「魚の小骨を飲み込んだような」気持ちになる時がある。
少し前に読んだ「コンビニ人間」がそうだった。
すごく面白くてのめり込んで読んだのだ。
でも、読んでいる間じゅう、なんか罪悪感というか、どうみてもワタクシは主人公の敵だよなあという思いが消えなかった。
で、今回のこの「流浪の月」も、「誘拐事件」という報道でしか更紗と文のことを知らなかったとしたら、やはりこの中に出てくる憎っくき一般大衆と同じような正義感や憐れみ、もしかしたら嫌悪感とかも抱きながら遠巻きに彼らのことを見るだろう。
自分がそういう人間だということを思い知らされる。
だから、おもしくてどんどん読んだのに「あ〜面白かった〜」とか「めっちゃ良かったぁ〜」とか言いながら本をポンと閉じる気になれないのだ。
ワタクシの天敵イヤミスの女王の小説や、ファンタジー時代小説ミステリーの女王、はたまた次こそはノーベル賞の彼の小説を読んだ後の「すくわれない話や!」とか「そんなことあるか〜い!」とか「ただただ違和感!」とかの感想とは違う。
主人公、あるいはその身近な人に自分を乗り移らせながら読む読書法のワタクシが、ふと気づくと、あろうことか主人公の敵側の人間寄りという衝撃。
色々なものを諦めて生きてきた二人が、そういう二人だからこそ、軽々しく「愛」とは言えない、もっと違う繋がりでお互いを求める。
それを「間違っている」と引き離そうとする善意の人たちの中に、ワタクシもどっぷりいる。
いや、「これは小説で、文は身体的な性徴の未発達により、いわゆるロリコン志向になった。
いわば相談もできず助けにもならないばかりか追い詰めた親のせいもあるし、
実際更紗に性的な虐待やいたずらをしたわけではない。
誘拐事件に至っては、彼は加害者どころか被害者である。
さらには描写として細身のイケメンである。
更紗と文がお互いを必要としていることは十分に理解できる。」
とした上で、でもリアルでは、ロリコンによる事件は多いだろうし、そういう性的嗜好を持った人を理解することはできない。
フィクションとリアルとの線引きがうまくできない。
全くのフィクション!楽しい!面白い!奇想天外!よくこんなの思いつくよね〜という小説はわかりやすくていいけど、
この「流浪の月」には、いま現在起きている問題が巧みに盛り込まれている。
誘拐、育児放棄、性的虐待、親からの虐待、DV、ストーカー等々
だからついついノンフィクションの場合に考えを馳せてしまうのだ。

一昨日、昨日と月が綺麗だった。
4月の満月はピンクムーンと言うらしい。で、さらにはスーパームーンだった。
綺麗だなあ〜と見上げてた、ちょうどその時娘から「すごい月!」と夫婦でバルコニーでお月見してると写真付きラインが届く。
以心伝心。
あ、以心伝心と言えば!
先日の緊急事態宣言の後の首相記者会見を見てて、今、安倍さんがコロナに罹ったら麻生副総理に担ってもらうって聞き「まぢか!」と衝撃を受けてると
娘から「今、麻生副総理に・・・」って、まるで今、ワタクシが思ったことがラインで送られてきて笑った。
これって似た者母娘だからか?はたまた万人がそう思ったのか?

月に願いを。1日も早いコロナの収束をお願いします。
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