歯科医

歯科医へ行ってきた。

先日、ガムを噛むと、パキッと音がした。米粒大の石が混じっていたのである。いや、石ではない。歯の欠片だった。

確認すると、奥歯に穴が開いている。以前、虫歯を補修した金属の横の辺りに、クレーターのような穴が出来ているのだ。

早速、歯科医へ。すぐに穴を埋めておかないと、そこから虫歯になってしまうからだ。

「ああ、これは簡単です。ちょっと穴の形を整えて、白いのを詰めて終わり」。先生はそう言い、ドリルみたいなのを歯に当てた。キュイィーン…ガガガガガ！ 「あっ!? 取れた!?」。

「……金属のが取れちゃいました。弱くなっていたんですねぇ」
いや、違うだろ。いま間違って金属の所に当てただろ。ガガガガガって、視界が揺れるほど振動したじゃん。周り、どこも工事なんてやってないだろ。何だよ、ガガガガガって。

「ふーむ。どうするか。新しいのを作るより、せっかくコレがあるし、コレを使うか」
先生はそう言って、いま外れた金属片をまた埋め込みにかかった。
「コレはね、せっかくコレがあるから、コレを使いますよ。もったいないからね。よし、この取り付けはサービスだ。サービスでやってあげますよ」
何という言い草だろうか。まあしかし、追加料金を取らないところをみると、悪徳ではないようだ。この日の医療費も2千円ほどだった。レントゲンも撮っていたし、まあ妥当な金額だろう。

「2時間はモノを食べちゃダメですよ。2時間はね」
結局、金属片をまたくっつけて、歯の穴は応急的に白いのを詰めてこの日は終わり。もう一度行かなければいけないが、この歯科医で大丈夫なのか。何か仕事が雑なんだよな。雑だけど、早いからいいか。家から近いしな。