尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

写真日記「今日の大阪駅 Ⅰ」

2012年09月28日 00時02分09秒 | 尾崎まことの「写真館」
2012.9.27
大阪駅

カメラを持っているだけで
言葉のない世界にスリップしてしまう
シャッターを切るたびに
切り傷がはしる感じ

自分と自分の言葉に厭いて
自分でないものを撮りたいのに
どこまでも自己愛が追ってくる

いつまでこんなことを続けるのだろうか、と
楽しくてはじめた写真なのに
だんだん、問いも答えも
生きることに似てくる

しかし大都会はいい
みんな名もなく
一人ぼっちだから
そして誰もが
とても小さなカメラを持っている

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フォトポエム「風」

2012年09月27日 01時27分32秒 | フォトポエム
ただ 風が風であるために
数十億年のあいだ
地球よりも早く走りつづけているように

ただ 少年が少年であるために
今日もグランドを
悲しみよりも早く駆けているように

わたしの詩よ 走れ
詩であるために
言葉の意味よりも早く

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あの頃チャンネル(2010年09月26日~2010年10月02日)

2012年09月27日 01時12分17秒 | 新詩集
あの頃チャンネル(2010年09月26日~2010年10月02日)

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写真「南回帰線」

2012年09月26日 00時28分43秒 | 尾崎まことの「写真館」

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フォトポエム「男」

2012年09月25日 23時57分48秒 | 新詩集
おれは
コオロギではない
男である

コートの下
隠し持っている
垂らしていても
それは尾ではない
むしろ剣に似ている

空気が黄色いので
生えてきたのだ
膝までの長さの
卵管が

産み付けねばならない
都会のコンクリートをはがし
(その下は今でも浜辺だ)
地中深く白いものを

妬み深い連中に
見つからぬように
恥ずかしい恰好で
涙ぽろぽろ
潮騒が聞こえる

見えない月をにらみ
赤くなったり
黒くなったり

おれは
悪魔だろうか
天使だろうか

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フォトポエム「窓辺」

2012年09月25日 00時47分22秒 | 尾崎まことの「写真館」
「窓辺」


たとえ
窓のない部屋にいるとしても
ぼくは
窓辺に立つことができる

あの日
君がリンゴをかじり
部屋の中に
空を招いたように

ぼくは
いつでも
ぼくの窓を開くことができる

リンゴをかじる要領で



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写真「止まれ!」

2012年09月24日 22時50分24秒 | 尾崎まことの「写真館」

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フォトポエム「風のからだ」

2012年09月24日 22時15分24秒 | 新詩集
「風のからだ」


風がなくても
吹くのである

心臓をとくとくさせて
ひとが走れば

昨日ひとは
走って
振り切った
形のないものを

だから今日
風は捜している
自分のからだを

ずっと
ひとは抜け殻



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写真「鷺」

2012年09月24日 22時12分43秒 | 尾崎まことの「写真館」
長居公園にて。

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あの頃チャンネル(2010年09月19日~2010年09月25日)

2012年09月24日 20時44分10秒 | 新詩集
あの頃チャンネル(2010年09月19日~2010年09月25日)

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詩「かたまってくるもの」

2012年09月24日 00時12分42秒 | 新詩集
どう説明すればよいものか

じっとしていると
かたまってくるもの
黙っていると
かたまってくるもの

それは体というものであろうか
心というものであろうか
主語というものであろうか

主語であるわたしが
狂わぬために
体のまわりに
ハエのように飛ばすもの
それは葉巻の煙ではない
言葉たちである
述語である

主語は間違わない
間違うのは述語である
しかし
狂うのは
いつも主語である

そこまで
我慢して聞いた主語Nは
目的語Aを捨てたのである

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詩「雨季」

2012年09月23日 09時31分46秒 | 新詩集
窓に流れる
雨だれを見ながら

それがガラスにとっての
雨季の川であるように
ことばは
体の悲しみだと
雨季が今年も来たのだと

そのとき
透明なのは
ことばではなく
この体なのだと

この体なのだと
ことばが斜めに流れた

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詩「思い出の顔―イット」

2012年09月21日 00時28分05秒 | 新詩集
思い出は
いつも後ろを向いていないか?

それは思い出のみせる
やさしさ
というものであるかも知れない
とはいうものの
思い出自身は決して
やさしくはない

むしろ
彼がこちら向いたら
私たちは恐怖で発狂するか
死んでしまうだろう
狂った人とは
思い出してしまった人の別名だ

思い出が
こちらを向いた顔を
思い出すことはできない
それは君がまだ
正常であることの証明である

いずれにしても
一度は見たということだ
彼を!
だれを?
イットを!


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詩「われらの沈黙」

2012年09月21日 00時04分01秒 | 新詩集
「われらの沈黙」



聞こえてくるのは
もはや人の言葉ではない
人間がいたという
エコーである

はたして私たちは
語るべきことをすべて
語り尽くしてしまった後なのだろうか
あるいは
語るべきことについて
今後一切
口をつぐもうと決意したのだろうか
あるいは
語るべきことなどこの世に
はじめっからなかったのだろうか

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詩「駅」

2012年09月18日 01時23分27秒 | 新詩集
 「駅」


だれかと
約束があったかのように
人待ち顔で待っている
白いプラットホーム
まいにち
肩をおとして帰る駅
そんな駅

ここは

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