尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

モノと言葉の間

2008年06月08日 14時27分38秒 | 日記
淋しさというものが
ほとんど人恋しさと同じ大きさの
同心円であったところから
ずいぶん僕は歩いてきたものだ

確かに自分も時代も老いたのだ
しかし人間という歴史的存在が
決定的にその同心円からの
逸脱の道を選び取ったのである

抒情は死に あとは
享楽の人々を中心に ふりまかれる
空しい言葉たちが残ったのだ

ここまで来ると文明の傷心に
小鳥が囀ろうが子犬がなつこうが
わたしやあなたが淋しいのではない
モノと言葉の間の無限が
淋しがっているのである
つまり福祉さえ確保されれば
後のすべてが比喩であり修辞の問題であり
そこに人間がいない故に
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