淋しさというものが
ほとんど人恋しさと同じ大きさの
同心円であったところから
ずいぶん僕は歩いてきたものだ
確かに自分も時代も老いたのだ
しかし人間という歴史的存在が
決定的にその同心円からの
逸脱の道を選び取ったのである
抒情は死に あとは
享楽の人々を中心に ふりまかれる
空しい言葉たちが残ったのだ
ここまで来ると文明の傷心に
小鳥が囀ろうが子犬がなつこうが
わたしやあなたが淋しいのではない
モノと言葉の間の無限が
淋しがっているのである
つまり福祉さえ確保されれば
後のすべてが比喩であり修辞の問題であり
そこに人間がいない故に
ほとんど人恋しさと同じ大きさの
同心円であったところから
ずいぶん僕は歩いてきたものだ
確かに自分も時代も老いたのだ
しかし人間という歴史的存在が
決定的にその同心円からの
逸脱の道を選び取ったのである
抒情は死に あとは
享楽の人々を中心に ふりまかれる
空しい言葉たちが残ったのだ
ここまで来ると文明の傷心に
小鳥が囀ろうが子犬がなつこうが
わたしやあなたが淋しいのではない
モノと言葉の間の無限が
淋しがっているのである
つまり福祉さえ確保されれば
後のすべてが比喩であり修辞の問題であり
そこに人間がいない故に