尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

時限爆弾

2007年12月22日 22時49分46秒 | 決定稿集(カメラオブスキュラ)
こうして自分の自我をば人類の自我までに拡大し、
結局は人類そのものと同じく私も破滅しようと思うのだ。
(ファウスト)

ということを認めうるほど
自覚的でもないし度胸もないだろうが
今日、人々は
すべてのものが仕掛けられた
時計のなかにすんでいると思っている
どっこい僕だけは
そうはいかない
つまり
僕は時計のなかに住んでいるのではない
しかし
僕のなかに時計が住んでいることを認めよう
そうだ、苦々しくもあるが認めよう
一日が終わると
【今日も爆発をしなかった】
その無事は眉間に小じわをつくり
キリキリ時計を巻き戻すからである
ちょうど一日分だ
あしたが来ないように

ということで
あしたは来ないのである
時はいつも今日である
あした爆発のあしたは来ない
と念仏して爆発はしない
もしあしたが来れば気がつかない

(誰がしかけたか? という問いは空しい)

世界は時計のなかに住んでいる
という近代思想も
夜な夜な深読みすると
なかなか切ない
僕が夜な夜な自分を巻き戻すように
誰かが宇宙の外から手を差し入れて
キリキリ巻き戻しているのだろう
地球という青い時計を
いつも今日であるように


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