尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「カラス」

2014年01月23日 00時44分31秒 | 新詩集

父が死んで50年
父の声を
山の向こうに忘れてしまった
そうして父は鳥よりも
軽くなっていく

カラスのように
叫んでいたい
父の声色で

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詩「習わし」

2014年01月23日 00時11分27秒 | 新詩集
習わし



ゆで卵をひとつ
ほうばりながら
新聞は
ひろげない
耳のところから
顔をひろげて
今日の地図をよむ
おじいさんは芝刈りへ
ぼくは事務所へ
そうだろう?
桃太郎!

とんぶりこ とんぶりこ

どんな場合も
地図はなつかしい
何故なんだろう
それは
それが地図であるなら
地上を歩いた
測量士がひとり
かならず
いるから
そうだろう?
金太郎!

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