ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

(35)風にそよぐ墓標・・門田隆将著(集英社)・・9/5日読了

2010年09月09日 | 本の事
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「最近本がないね」とトンボに言ったら、「今 面白いのがないんよ。」といっていたが、ここにきてドンドン本が届く。
いつものように「早く読め、早く読め」攻勢が始まった。
その上、「上下物は半分ずつお金を出し合いこしようよ。」という。
「お金出してまで読むのなら、自分の好みの本を買うからいい。読んであげて感想を言ってあげてるのに。」といいました。
ホント金持っているのにケチな男。
「お金持って死ねやぁせんのよ。」と言ったら「俺の金は一銭もない、皆女房の物。それによくよく考えたらあんたが一番ケチじゃないかね。」だそうです。
そうかなぁ…ま、いいや。

というわけで、まず一冊目。『風にそよぐ墓標』です。
本の嫌いな方はごめんなさいね。当分ブックレビューが続きそうです。

 『父と息子の日航機墜落事故』サブタイトルからもわかるように、1985年8月12日に起きた日航機事故の遺児たち(今やすっかり大人、親の世代になっている)に取材したドキュメンタリー。
あの墜落から25年が経った。
この衝撃的な事故後、この事故原因や状況の追求等を視点に書かれた本は多いけど、究極の悲しみの底のおとされた息子たちが、絶望の淵から這い上がり、亡き父に語りかけながら 苦悩と逆境を乗り越えた四世紀半を 今度は自分たちが父親なりその視点で書かれた本は初めてだとか。

著者は日航機事故当時は二十代で「週刊新潮」記者として自己取材に没頭していたという。その後結婚して息子を持ち、あの事故に対する見方も変わり、被害者の男たちは今こそ悲劇の本質を伝え、それをどう克服したかを語らなければとの思いから あえて男の遺児たちを中心に取材をしたとか書いてあった。

私はあの事故のことをはっきりと覚えている。
あの事故の時 九死に一生を乗り越え無事だった川上慶子さん、島根県の大社町出身で、ご両親と夏休み北海道旅行に行き、帰りに事故にあったのだ。部活で家族旅行に行けなかったお兄さんと二人きりになってしまった。当時随分と涙を誘った話題だったから。

この時ヘリコプターで救出されてる写真が冒頭のプロローグに出ていた。
川上慶子さんを抱えて救出した自衛隊の佐間優一さん(現在61歳)の話によると、「あの時必死に歯を食いしばっていたが、それは涙をこらえる為だった。」という。
「地上から体が浮いたとき、ミルクの匂いというか、母乳のにおいがしたんですよ。その時急になぜか涙がこみ上げてきましてね、子供って赤ちゃんの時に母乳というか、そういう匂いがするじゃないですか。それを感じたんです。」
作間さんは、当時小学三年生と三歳の子の父親だった。
色々と思うところがあったのでしょうね。

他にも子もたちを頼むと奥さんに飛行機が落ちていく中で遺書を描いた父親も。

このドキュメンタリーを読んで思ったこと。
それは、人間って、どんな形であれ愛する人の存在のありかを求めずにいられないものだなぁ、どんなに損壊されていようと、その人を思う心のよりどころをとなるものを見つけずにいられないものなんだなぁ、そのためにはたとえ15歳であっても 思いもよらぬ力がわいてくるものなのだということ。

一読の価値ありです。

晴れ 30℃

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2 コメント

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こんにちは ()
2010-09-09 15:27:57
この事件は本当に衝撃的でした
慧にも間接的に関わりのある方が被害に遭いました・・

それにしても 『日々思うこと』の
写真本当にすばらしい!
緑と点在する家々の色彩が絶妙なコントラストを魅せてくれてますよね

ところで今日お邪魔したのは
そのさんにお薦めな作品をと・・
お節介に来ました
伊藤礼『こぐこぐ自転車』『自転車ぎこぎこ』です
お手すきの時に手にしてみてください
では さようなら
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慧さん (その)
2010-09-09 20:16:28
こんばんは。
お久しぶりです。
暑い毎日ですが、お変わりありませんか?

写真褒めてくださりありがとう。
うれしいです。

お節介なんてとんでもない。本好きな慧さんのお勧め本、是非にも読んでみます。

有難うございます。
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