ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

食べきる

2008年09月21日 | 四方山話
明け方大雨の音で目覚めました。折角の連休ですが島根は雨です。

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 キュウリ、茗荷、ソーメン瓜、冬瓜、オクラの糠漬けです。


 いつも人様がくれる野菜 食べ切れなくて腐らしてしまい泣く泣く処分しなければならない時・・・本当に罪悪感に苛まされる。
くださる方が違うので、旬の時は同じ野菜が集う、でも必死で食べきるメニューを立て直す。みなが食べさせてあげたいとくださるものを、粗末になんか出来ましょうか。

 そんなわけで野菜が最終的に残ると 最後には糠味噌に漬ける。といっても私が作った糠床ではない。安光姫がそりゃ 大事に大事に 時には我が子より大事にして育てている糠床なのだ。
昨日「この糠味噌 もう何年くらいになる?」と聞いてみたら、覚えていないといってた。息子が生まれた時にはもうあった、ということは35年以上は経過しているということだ。改めてその歴史を振り返り、パリパリと程よく漬かったキュウリをかじりながら、すごいなぁと思う。

安光姫が野暮用で家を空けるときは、必ず 一日に一回糠味噌を混ぜてねと言い置いて行く。
それというのも糠床というのは 何も入っていなくても、毎日忘れずに手を入れてかき混ぜなければならないのだ。そうしないと夏場は特に表面に白いカビが生え、糠味噌菌が死んでしまう。そうなったら もうどんな高級な野菜を漬けても駄目、全然美味しくない。今まで育ててきた糠床も捨てなくてはならないのだ。

 むにゅむにゅとした物体を、壷のそこから何度も混ぜる。指にサカムゲなど出来ていようものなら、塩分を含んでいるので沁みて飛び上がるほど痛い。でも手袋なんかして混ぜたら駄目らしい。やはり人間の手のひらから出るホルモンが、糠味噌菌とうまい具合に調合して、あの一味違う糠漬けができるのだと私は思う。
この説は絶対に確信がある。スーパーなどで買った糠漬けとは 程よい酸味や、微妙な漬物の味の深みが違う。

 お刺身を食べた後の 山葵の入ったお醤油がお皿に残る。
捨てないでね、糠みそに入れるからと必ず母は言う。ビールの残り、鷹のつめ、生姜のかけら、煮魚の残り汁、みんな捨てないで 糠床に入れる。ナスを漬ける時は、綺麗なムラサキ色にするため、五寸釘も入れる。キュウリの色を鮮やかな緑にするため、荒塩でキュウリをごしごしと板ずりして漬ける。そのように何度もすると 塩辛くなる 糠を空炒りして糠床に入れる。
野菜から水分が出てくると糠床の表面を平らにしてガーゼを引き、ざるで押さえて水分を綺麗に洗ったスポンジで吸い取る。
このような努力で何十年と生きているのだ。
あんたは何歳なの?残り野菜を漬けながら話しかける。
母はいつも、美味しく漬かってよと、話しかけてるもの。
こうして残りの野菜を入れて漬ける、私はどちらかというと浅漬けより、よーく漬かった方が好き。

今回の写真のソーメン瓜も、茗荷も、冬瓜も、オクラも、とても美味しかったけど、私は大根の葉っぱの糠漬けが大好物だ。これから大根の美味しい季節・・
大根を買う時も、人様からいただく時も必ず 葉っぱを付けてねとお願いする。

大根を少し残して切り落とした大根菜を綺麗に洗い、糠に漬け込む。
4~5日漬けたら糠床から取り出し、水洗いしらた小口から3ミリくらいに刻む。これをギュッと水気を絞って、炊き立てのアツアツご飯にまぶしたら お醤油をタラーリとかけていただく。たくさんかけては駄目、このタラーリの具合が大根菜混ぜ混ぜご飯の美味しさを決める。

なーんだ、ただの糠漬けを刻んで混ぜただけじゃん、なんて言わないでね、かくも単純で素朴なお惣菜であるけれど、これを作って口に運ぶ瞬間から、舌の欲望が湧き出て、自然に口が開いてくるのだ。そして一口食べた瞬間 「あぁ 日本人に生れてよかった~。」と叫んでいる私なのです。

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