暑い!暑い!早く涼しくならないかな? そう思いながら今日も元気です。
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『冬の女たち』・・死のある風景
新潮社 久世光彦著
人間は死ぬために生きている。
心に残るものたちの向こうにかならずゆらめく人間の<死>の影を甘美に描いたエッセイ。。。帯より
図書館で見つけた。ハードカバーで 寝転んで読むと手がだるい。それくらいしっかりした本だけど、内容もずっしりと重い。
活字中毒気味の私は常時3冊くらいの本を平行読みしているが、最近 久世光彦に嵌っている。
久世光彦といえば演出家の顔がやはり浮かんでくるが、どうして、どうして、久世さんの美しい日本語の美しい文章で、いつ読んでも昭和という時代や、この時代に書かれた優れた文学を教えてくれる。(例えば漱石や、太宰など・・)
そして副題に「死のある風景」とあるとおり、多くの死がここでは語られている。記憶の中に残っている死者の横顔。作家の思い出。本の話。テレビ、映画、演劇…。
久世さんのたどってきた人生の中で、人の死に遭遇することの意味は深いものなのだ。どれほど「死への想念」が自分がを磨き上げたのかということをじっくりと語っています。特に向田邦子さん。
そしてこれから迎える自分の人生にとっての老いということがどういう意味を持つのかについても書いている。
特に印象深かった章で「蜘蛛膜下出血」というのがあった。
向田さんとの思い出について書いてあるのだけど、そこで驚くべき事実を発見。
向田さんの遺品の中から出てきた五通の<恋文>とそれに対応するように書かれた相手の男の人の手記のこと。
十数年にわたる愛を重ねたその人は、カメラマンだったが、ある時から体が不自由になり、歩行もやっとという状態の日が続いた。
向田さんは、ラジオやテレビの仕事が忙しい中、その人の臥せっている部屋へ通って、身の回りの世話をした。
<あなたも、寒さがこたえているようですが、何とか頑張ってくださいな。ムリして電話なんかかけないように。手袋を忘れないように>-向田さんがこんな手紙を毎日のようにその人に書き暇を拵えて中野の部屋に通ったのは、昭和38年から翌年にかけてだった。妻子と別れて独りで暮らしていたその人は、多分39年の春先に亡くなっている。向田さんはその頃三十半ば、相手の人は一回り以上年上だったというから、五十歳前後だったのだろう。--寂しく辛いラストシーンである。
向田さんが独身なのは、好きな人は妻子ある人でとか、あまりに諸事に優れていたから、つりあうような人がいなかったのだとか、色々想像していたけど、そんなわけがあったんだ。
で 私は久世さんのこの本を読んで、独特の美しい文章が、いつにも増していきいきとしていたように感じたし、でも本当のことを言えば、久世さんが亡くなってから、なんとなく読んでみる気になったのだけど。悪い癖で、ある人が亡くなるとその人の文章が大好きになったりしていたから。
そしてもう新たな作品を読むことはできないのだと思ったから。
そしたら先日偶然にも 朝日新聞に紹介されていた「触れもせで」という本がとても、とても読みたくなった。
早速調べてみたら この本は残念ながら品切れ、重版予定なし。図書館にもない。
ないとなると無性に読みたくなる。
アマゾンで見つけた。けど420円の文庫本が 送料込みで1800円???プレミアがついている。高いなぁ・・でも欲しいなぁ・・
古本屋で探そう!そう決めて諦めかけたある日。
その本が、その本が・・・
晴れ 午後 お湿り程度の雨。33℃
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Iさん 頑張れ!
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新潮社 久世光彦著
人間は死ぬために生きている。
心に残るものたちの向こうにかならずゆらめく人間の<死>の影を甘美に描いたエッセイ。。。帯より
図書館で見つけた。ハードカバーで 寝転んで読むと手がだるい。それくらいしっかりした本だけど、内容もずっしりと重い。
活字中毒気味の私は常時3冊くらいの本を平行読みしているが、最近 久世光彦に嵌っている。
久世光彦といえば演出家の顔がやはり浮かんでくるが、どうして、どうして、久世さんの美しい日本語の美しい文章で、いつ読んでも昭和という時代や、この時代に書かれた優れた文学を教えてくれる。(例えば漱石や、太宰など・・)
そして副題に「死のある風景」とあるとおり、多くの死がここでは語られている。記憶の中に残っている死者の横顔。作家の思い出。本の話。テレビ、映画、演劇…。
久世さんのたどってきた人生の中で、人の死に遭遇することの意味は深いものなのだ。どれほど「死への想念」が自分がを磨き上げたのかということをじっくりと語っています。特に向田邦子さん。
そしてこれから迎える自分の人生にとっての老いということがどういう意味を持つのかについても書いている。
特に印象深かった章で「蜘蛛膜下出血」というのがあった。
向田さんとの思い出について書いてあるのだけど、そこで驚くべき事実を発見。
向田さんの遺品の中から出てきた五通の<恋文>とそれに対応するように書かれた相手の男の人の手記のこと。
十数年にわたる愛を重ねたその人は、カメラマンだったが、ある時から体が不自由になり、歩行もやっとという状態の日が続いた。
向田さんは、ラジオやテレビの仕事が忙しい中、その人の臥せっている部屋へ通って、身の回りの世話をした。
<あなたも、寒さがこたえているようですが、何とか頑張ってくださいな。ムリして電話なんかかけないように。手袋を忘れないように>-向田さんがこんな手紙を毎日のようにその人に書き暇を拵えて中野の部屋に通ったのは、昭和38年から翌年にかけてだった。妻子と別れて独りで暮らしていたその人は、多分39年の春先に亡くなっている。向田さんはその頃三十半ば、相手の人は一回り以上年上だったというから、五十歳前後だったのだろう。--寂しく辛いラストシーンである。
向田さんが独身なのは、好きな人は妻子ある人でとか、あまりに諸事に優れていたから、つりあうような人がいなかったのだとか、色々想像していたけど、そんなわけがあったんだ。
で 私は久世さんのこの本を読んで、独特の美しい文章が、いつにも増していきいきとしていたように感じたし、でも本当のことを言えば、久世さんが亡くなってから、なんとなく読んでみる気になったのだけど。悪い癖で、ある人が亡くなるとその人の文章が大好きになったりしていたから。
そしてもう新たな作品を読むことはできないのだと思ったから。
そしたら先日偶然にも 朝日新聞に紹介されていた「触れもせで」という本がとても、とても読みたくなった。
早速調べてみたら この本は残念ながら品切れ、重版予定なし。図書館にもない。
ないとなると無性に読みたくなる。
アマゾンで見つけた。けど420円の文庫本が 送料込みで1800円???プレミアがついている。高いなぁ・・でも欲しいなぁ・・
古本屋で探そう!そう決めて諦めかけたある日。
その本が、その本が・・・
晴れ 午後 お湿り程度の雨。33℃
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