朝からまったく天気の心配をしなくて済むというのは幸せだなあと、しみじみ思いました。乙女高原近くの林道の急カーブは毎年、水が出てしまい、心配だったのですが、「観光地美化清掃」のときに側溝をきれいにしておいたので、まったく問題なし。
グリーンロッジに着いて準備を始めていたら、三々五々スタッフが集まってくださいました。必要な道具類を裏の倉庫やロッジのホールから出して、机の上などに並べました。
「草刈りボランティア」が雨雪で延期になるのは2回目です。前回、2017年の折りには延期された日に集まってくださった方は44人でした。だから、そのくらいの人数を予定しました。例年の草刈りボランティアは「大人数(200人程度)で短時間」で済ませてきましたが、昨年・一昨年とコロナのため規模縮小だったので「少人数で長時間(昨年は丸一日作業を二日間)」でした。ところが、今年は延期されたため「少人数でしかも短時間」で作業を進めなくてはなりません。開会行事は行わず、受け付けを済ませた方から順次、作業に入っていただく段取りにしました。
ところがところが、ありがたいことに、大勢の方が草刈り作業に参加してくださいました。合計103人でした。しかも、例年、刈り払い機持参をお願いしている恩賜県有財産保護組合や財産区の方々が大勢参加してくださいました。受け付け終了後、すぐに草刈り作業に入っていただいたので、それこそ、あっという間に作業が進みました。さすがに刈り払い機を使い慣れている方々は違うなあと思いました。
中には、「今日はコロナのワクチンを打つ日なんだけどね。午後からにしてもらって、午前だけ参加するよ」という方も少なからずいらっしゃいました。作業が早まり、草刈り自体は11時過ぎにころには終わってしまったので、そういった方たちは、記念写真の前に帰られてしまいました。申し訳ないなあと思いました。
思いがけず、子どもたちの参加も多かったので、「延期の場合は実施しない」と決めてあった「キッズボランティア」を急きょ実施。子どもたちとつきそいの大人たちがブナじいさんに行きました。事前準備で、ブナじいさんまでの急斜面にロープを張って、道を作り、ブナじいさんのまわりに柵を作って、落ち葉を運び入れる準備は万全です。朝、新たに購入したはしごをセットし、林道脇のコンクリート崖を登れるようにしました。、林道に降った落ち葉を集めて袋に詰め、サンタクルースの格好で、はしごの崖、ロープの急斜面を運び上げ、ブナじいさんの柵の中に入れました。
3年ぶりのふかふかふとんです。きっとブナじいさんも喜んでいることでしょう。
中学生・高校生といった若い方々が参加してくださったのもうれしかったです。みんな、乙女高原のために一生懸命、作業をしてくださいました。
中には「中学生・高校生・お母さん・お父さん」と家族4人でスタッフに立候補してくださった方もいました。延期されずに23日に実施していたら、大いに活躍していただいたのですが。そうそう、中には「小学生とそのお母さん」もスタッフに立候補されていたんですよ。来年以降、どんな方々がスタッフに立候補してくださるか楽しみです。
中学生・高校生・大学生の皆さん、この草刈りボランティアでは「ボランティア活動参加証明書」を発行できるので、必要でしたら、声を掛けてくださいね。パソコンで作って、後日、ご自宅に郵送することになります。住所・氏名・所属校を教えてください。
刈り払い機の方々に比べ、手刈りの方々は相対的に少なかったです。でも、機械では刈りにくいツツジ群落の草刈りを、少ない人数で精力的に進めてくださいました。遊歩道のロープを外して、それをロッジまで運ぶ作業は、とても骨が折れるのですが、中には何往復もやってくださる方がいて、頭が下がりました。
熊手やほうきで刈草を遊歩道に入れる作業もお願いしました。遊歩道は人が歩くので、どうしても「裸地(土がむき出し)」になります。雨が降ると遊歩道が川になります。草が生えていれば、根が土を守ってくれるのですが、それがないので、雨水は簡単に表土を一緒に運んでしまいます。すると、裸地は広がり、道は削られて低くなってしまいます。これをエロージョン(土壌侵食)といいます。遊歩道に刈草を入れるのは、エロージョンを防ぐためです。草は遊歩道に対して直角に入れてもらっています。「線路に敷いてある枕木」の感じです。こうすると、遊歩道を歩く人も枯れ草にすべることが少なくなります。
じつは、作業の途中でノウサギを見つけました。やぶの中だったので、うまく写真に撮れませんでしたが・・・。(下写真の中央にノウサギが写っています)
集められたロープを、来年、また使いやすくするために、巻き直して、ロープの最初と最後に色付きのビニールテープを付ける「ロープ整理」作業は、それこそ、最初から最後までずっと行われていました。1本ずつやらなければならないので、どうしても時間がかかるのです。でも、係の皆さんのおかげで、記念写真の時間に間に合いました。
予定より30分も早く、刈り取ったばかりの草原内で記念写真を撮りました。カメラマンはもちろん「乙女高原の写真屋さん」古屋さんです。ここで撮った写真が来年の草刈りちらしの表紙を飾ります。
撮影後、そのまま残っていただき、終わりの会をしました。山梨市観光課の土屋課長さんが司会をし、ファンクラブ代表世話人の角田さんがお礼のあいさつを、同じく三枝さんが諸連絡を行い、今年の「草刈りボランティア」が無事、終了しました。
終了後、多くの方がお弁当を広げていました。いつもの年だと、ここに豚汁が加わるのですが、コロナ対策のため、ここ3年は用意しておりません。なんかさみしいです。
皆さんが帰られてから、植原は草原の中を歩き回り、どの遊歩道に敷き草が少ないかを調べながら、草原への4つのシカ柵ドアで、ある作業を行いました。
シカ柵のドアは、人が出入りした後、しっかりと閉めないとシカが侵入してしまいます。だから、簡単な鍵がついています。フックに金具を掛けると、ドアが開かないようになっているのです。ところが、乙女高原の冬は厳しいので、地面が凍って持ち上げられてしまいます。フックに金具が掛かったまま持ち上げられてしまうので、フックにも金具にも大きな力がかかり、グニャッと曲がってしまって、人の力ではドアが開かなくなってしまいます(・・・というか、開かなくなることがありました)。そこで、冬の間はフック式ではなく、チェーンを巻き付ける方法で、ドアのロックをしていただいています。そのために、フックを結束バンドで固定し、チェーンを固定してあった結束バンドを切って、チェーンが使えるようにしました。
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冬の間に乙女高原を訪れることがありましたら、ご注意ください。そういえば、今年の4月から今日まで、私は57回、乙女高原を訪れていますが、シカ柵ドアの鍵が閉めてなかったことは、ただの一度もありませんでした。さすが、乙女高原を訪れる方たちだなあと、ありがたく思いました。
草刈りが終わると、乙女高原は長い冬の季節を迎えます。
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