※乙女高原案内人の井上さんがレポートを書いてくださいました。
3月7日、新型コロナウィルスが世間を騒がせている中ですが、観察交流会は少人数だし、自然の中だし、ということで道の駅に集まった3人で乙女高原に向かいました。今回はヤマアカガエルの産卵調査も兼ねての観察会です。
まず杣口の林道入口の小さな流れがある地点に寄りました。ここではもう5年くらいヤマアカガエルの卵塊は見ていないということで、やはり今年も卵は見あたりませんでした。次にカエル池と呼ばれる小さな池がある地点です。3月1日に植原さんが9腹確認したという卵塊はだいぶ広がっていて、オタマジャクシになりつつあります。卵を観察していると、下の方から鳥の鳴き声がしてきました。じっと見ていると、黄緑色のマヒワの群れです。池の上の灌木にしばらく止まって、また道路の下の方の木に移動して、にぎやかに鳴いていました。20羽くらいいたでしょうか。また、コガラが1羽水辺に降りて、水を飲んでいました。他にもカケス、コゲラ、エナガを見ることができました。林道の途中ではハンノキの雄花が赤く垂れさがっていたり、シラカバやカエデの枝先も赤くなっていて、春の気配が感じられました。
焼山峠を過ぎ、木道の湿地帯でもヤマアカガエル産卵調査です。車のドアを開けると、ミソサザイの甲高いさえずりが聞こえていました。水辺に氷はほとんど見られませんでしたが、地面はまだ凍っているようで、硬い感じです。ここでは水の溜まっている所が少なく、卵は見られませんでした。植原さん曰く、水量も少ないけれど、水の流れている所がえぐれて深くなってしまい、以前には水が溜まっていたところに水が行かなくなってしまったのではないかとのことです。湿地が少なくなって、シカの糞が目につきました。ヤマアカガエルはどうするのでしょうか。どこか別の場所に移動してしまったのでしょうか。
乙女高原に到着して、谷地坊主の湿地で産卵調査しました。こちらも卵はありません。まだ産卵の時期ではないのでしょうか。谷地坊主がぼうぼうの頭を並べている様子が壮観。気のせいか谷地坊主の背が伸びたようにも思われました。草原内に雪はほとんどなく、日影にわずかに残っているだけでした。
枯草色の草原の中に、ところどころ小さな黒い土の小山ができています。中には細長く十文字のような形になった土の小山もあります。モグラの仕業のようですが、枯草の上に出てきたというよりは、雪が積もった中でトンネルを掘って、その土が雪解け後に枯草の上に残ったのではないかということです。草原のエボジ(方言で絵文字のこと?)というのだそうです。
いつものように草原を展望台に向かって歩いていると、植原さんがネズミの地上巣を見つけました。15cmくらいのきれいにボール状になっています。探してみると入口があり、中に指を入れてみると、結構広い空間があります。子育てに使ったのでしょうか。他にも巣を2つ見つけました。展望台では富士山が雲の中にぼんやりと浮かんでいるのが見えました。日当たりのよい斜面にスミレがないか探すと、タチツボスミレのまだ小さな葉を見つけました。ヨモギ頭まで登ると南アルプスが木の梢ごしに見えます。白根三山や仙丈岳など真っ白でした。
ロッジが見える草原上部から、草原の途中にある上部が枯れてしまっているモミの木の頂上部にキツツキが開けたけたと思われる穴を見つけ、あんなところに・・・と盛り上がりました。 朝は曇っていたのですが、青空が見え始め、春の日差しが暖かく感じられます。ロッジに下って、昼食をとりながら、これからのファンクラブの活動について話し合いました。その中で、自分のやってみたい活動を楽しくやっていくのがいいねというのが、心に残りました。乙女高原にはいろいろな材料があるので、いろいろな人がそれぞれに料理したら、さらにおもしろいことになるのではないでしょうか。皆さんもそんな活動に参加してみてはいかがでしょうか。
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