乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

笛川小3年生「乙女高原学習」のお手伝い

2024年06月26日 | 乙女高原案内人
 6/26、梅雨の真っただ中だというのに、いい天気になり、延期することなく実施できて、本当によかったです。
 今回、学習支援ボランティアとして参加してくださったのは、角田さん、渡辺さん、岡﨑さん、篠原さんご夫妻、植原の6名。これだけボランティアの人数があると、4班編成にして、一つの班あたりの子どもの数を少なくすることができます。小さなものでも、みんなでじっくり観察できるということです。しかも、複数人のボランティアで一つの班を担当できます。ボランティアとしても、あまり負担感なく参加できるということです。先日の訪花昆虫調査の時に、角田さんが多くの人に声を掛けてくださいましたが、それが功を奏しました。

 さて、子どもたちが来る20分前に打ち合わせをしました。学校でも準備してくるでしょうが、ファンクラブとしても、各班にファーストエイド(応急処置)キットとペットボトルの水を用意しました。キットは買ったばかりで、初利用です。配ったとたんに、皆さん、中を見て、特にポイズンリムーバー(蜂毒などを吸い取る、注射器のような医療器具)の使い方などを確かめていました。いくら優れたキットであっても、使う側が、どんなものが入っていて、どう使えばいいのか理解していなければ、宝の持ち腐れです。さすがは乙女高原のスタッフだと思いました。その他、各班の持ち物を確認し、スケジュールや歩くコースを共有しました。

 いよいよ子どもたちがスクールバスに乗ってやってきました。21人の元気な3年生です。引率の先生方は教頭先生を団長に4人。トイレを済ませ、あいさつした後、班に分かれて草原の中を歩き始めました。

 今日は、乙女高原の神様が(?)子どもたちに大サービスしてくれたようで、たくさんの昆虫を観察することができました。私はⅮ班担当だったのですが、ドロハマキチョッキリがイタドリの葉を巻いているのが次から次に見つかりました。

シシウドの葉の上にヒメシロコブゾウムシがいたので「ペット昆虫かんさつボトル」に入ってもらい、ゆっくり観察しました。最初はボトルの床でひっくり返っていましたが、脚が1本、2本・・・と動き始め、そのうち、よっこらしょと起き上がるのがユーモラスでした。

このボトルは滋賀県在住の自然観察指導員が考案したもので、1.5リットルの炭酸飲料用ペットボトルをリユースして簡単に作ることができます。ボトル自体を捕虫網のように虫を捕まえるのにも使える便利ものです。ヤマトシリアゲムシもいたので、ボトルの中に入ってもらい、顔が長いところや、しっぽがクルンと巻かれているところをじっくり見てもらいました。

こんなことをやっていたので、なかなか前に進むことができませんでした。
 各班の持ち物の中にはトランシーバーもありました。「バス酔いが再発した子がいるんですけど…」との連絡がありました。この班はファンクラブのボランティア二人が引率している班です。私の班は、私と担任の先生の二人で引率していたので、担任の先生と相談し、担任の先生が現場に向かうことになりました。ケイタイ電話が通じない(通じにくい)乙女高原では、こういう準備も必要ですね。
 森のコースを抜けて、富士山展望台に着きました。あいにく雲で富士山は見えませんでしたが、ここで水飲み休憩にしました。子どもたちに「途中止まらないでブナじいさんに会って来ると、ブナじいさんに行かないでゆっくり行くのと、どっちがいい?」と尋ねたら、意見が割れてしまいました。「じゃあ、自分たちで話し合って、決めてね」とお願いし、しばらく話し合いの様子を見ていたら、ブナじいさんまで行くことに決まったので、行くことにしました。

 ブナじいさんから帰ってきて、草原のコースを降りて来ました。歩きながらずっと「マルハナバチに会いたいなあ」と言っていた子どもたちです。なんとかして見せてやりたいなあと目を皿のように探していたら、やはり今日の神様はサービス精神旺盛でした。アヤメを訪れるトラマルハナバチの様子を見ることができました。

しかも、最初は遠くで、次はちょっと近くで、そして、3度目は、すぐ目の前で。子どもたちもいい経験になったと思います。

 2学期(9月)には、今度は4年生と乙女高原を歩く予定があります。子どもたちと一緒に歩いてみませんか。楽しいですよ!

   ※     ※     ※     ※

※ボランティア参加してくださった渡辺さんがレポートを書いてくださいました。

 乙女高原のロッジ前にバスが到着しました。「乙女高原自然学習」で訪れた地元・笛川小3年生の21名が降りてくると、乙女高原が一気ににぎやかになりました。早朝から山道をバスに揺られてきたので疲れているはずですが、乙女高原の風景と空気に触れて気分が高揚している様子です。
 はじめの会では、引率の先生方、案内役のファンクラブのメンバー6人が1人ずつ挨拶をしました。元気な子供たちを前にしているからでしょうか、いつもよりメンバーの声のトーンが高いと感じたのは私だけではないでしょう。 今回の自然学習のテーマは「昆虫」です。子供たちは、植原さんから事前に説明を受けていますので、私としては積極的に説明をするというよりも、あくまでも子供たちの自主観察にまかせることにしました。子供たちからどんな質問がくるのかわからないので不安がいっぱい。「出たとこ勝負」です。4つのグループに分かれ、それぞれ2人の案内役が付き添います。私は篠原さんと一緒に5人の子供たちと行動することになりました。
 シカ柵内へ入り森のコースへ進みます。私が先導、最後尾は篠原さんです。子供たちは事前に自分で記入した昆虫、木、花のビンゴカードを用意していて、見つけたらチェックするみたいです。自然観察のきっかけ作りには良いかもしれませんが、ビンゴゲームに固執してしまうと本来の「自然観察を楽しむ」という目的を見失うかもしれません。まあ、細かいことは抜きにして早速観察開始です。イタドリの葉が細長く丸められて下がっているのが多くみられます。事前学習で興味を持ったのでしょうか、子供たちは「オトシブミ」を見つけたい様子です。金緑色に光る「チョッキリの仲間」は頻繁に見かけました。森の中に入るとギンリョウソウがたくさん咲いていました。

ミズナラの木の下では、拾ったどんぐりの帽子を頭に乗せている子もいました。言われてみれば小さな子がかぶる「どんぐり帽子」に似ていますね。木陰の木の幹にエゾハルゼミの抜け殻がついていたので、観察用に持ち帰ることにしました。
 コースの中ほどの草原が見渡せる場所で、後ろの子供たちから「マルハナバチだ」と声が上がりました。すぐに戻って種類を確認しようと思ったら、すでに飛び去ってしまった後でした。今日は半袖では肌寒くて日差しも少なめのため、出会えるとは思っていなかったのでうれしい誤算です。かわいい姿をしたマルハナバチは乙女高原の人気者なので、出会うとうれしくなります。
 展望台の手前ではエゾノタチツボスミレが咲いていました。乙女高原のスミレの中でも一番遅くに見られる背の高いスミレです。すでに周囲の草の背丈が高くなっている時期なので、それに負けじと茎をのばして花をつけています。

サクラスミレの花を探している子もいましたが、もう残ってはいませんでした。
 展望台で荷物を下ろし、休憩と水分補給をしました。残念ながら富士山は雲に隠れて見えませんでした。この先のブナじいさんを見たいという意見もありましたが、観察時間と子供たちの体力を考えてここまでとしました。
 展望台から草原のコースへ向かいます。眼下にロッジの赤い屋根を見通すことができる場所で立ち止まり、斜面に点々と見えるヤマドリゼンマイの群落を、「ミステリーサークル」のようだと説明しましたが、あまりピンときていないようでした。世代間ギャップは思ったよりも大きいようです。「UFOの基地」と言い換えたらピンときたようで、「夜になったら地面からUFOが出てくるかも」とか「地底人が住んでいるのかも」と興味津々の様子でした。草原のコースの中腹で、イケマの葉に群がる「ヒメジュウジナガカメムシ」を見つけたので、みんなで観察しました。その中で「おしりとおしりがくっついているのはなぜ? べとべとしているから?」とか「小さいほうがメス?」といった質問が出ました。

 最後に、ロッジへ戻る前にツツジのコースへ様子を見に行きました。期待していたマルハナバチは見られなかったのですが、丸まったイタドリの葉の中に、数頭の「チョッキリの仲間」が入っている様子が見られたのでよかったです。ロッジへ戻り、おわりの会をして終了となりました。

 「乙女高原の自然を次の世代に確実に譲り渡す」。今回はまさにそんな活動でした。もし機会があれば、また参加したいと思います。
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