アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

考えさせる…生徒にも力士にも

2011年02月19日 | Weblog
 八百長相撲のことを、「拵(こしら)え勝負」といった時代があった。
 八百長の事を書こうというのではありません。もう飽きたから。
 「拵え」を「こしら-え」と読める人は少ないんじゃないかな。この「拵」は、ワープロでは出てくるが、よく似た漢字の、「栫(木偏に存)」は、ワープロでは出てこない。手書き文字入力でようやく出てくる。この「栫」は、なんと読むか?音読みは「セン」、訓読みで「かこい」。八百長と栫はなんの関係があるのか?ですから、八百長とは関係ない事を書こうとしているのです。

 漢字一字、「栫」が名字の方がおられる。栫裕保(かこいひろやす)さん。「拵」から「栫」を思い出したわけで…、いつもの音韻連想ではなく、「形体連想」です。
 栫裕保さんは、全国高校サッカー初優勝の滝川第二高校の監督さん。ここで、「あーっ!」と、気づかれた方もおられるでしょう。

 実は、私は滝川高校の出身。「そうか、神戸市の滝川高校か?あの、男子生徒がいじめを苦にして自殺した。学校側がいじめを否認し続けていたのが見苦しかったなあ」だって?…いえいえ、神戸の滝川高校ではなく、別の滝川高校ですけどね(日本に滝川高校は複数あります)。

 私の記憶では・・・神戸の滝川高校が進学校へシフトチェンジをすることにしたが、スポーツでも伝統校なので、スポーツ専門の高校として、「滝川第二高校」を作った。しかし、私の記憶をあざ笑うかのように滝川第二高校は、「スーパー特進Lコースを開設」。難関大学への進学指導にも力を入れている。「特進コース」でも凄いなあと思うのに、さらに、「スーパー」をつけた。「L」は、なんなんだって?そ、そりゃあ、SやMサイズの人より大きな人が入るコースという意味かと…。

 それは、ともかくとして…。栫監督が、教育者として優れていると思うのです。
 一口で言うと、「考えさせる指導」。これは、簡単そうですが、なかなかできる事ではない。なぜなら、「考えさせる時間がもったいないから、すぐに正解を与えるのが時代に合っている」。(もちろん、「教えるべきもの」によって、即座に正解を与えるのが、有効なものもありますけどね)

 考えさせる教育では、「児童生徒は、自分が考えて答えを出すのだから記憶に残る」自分の血となり肉となる。一方、考える前に正解(答え)を与えられる場合、つまり受け身の学習では、忘却率も高い。その「率」、どんな式で計算したかって?私の経験に基づいた計算の結果ですけどね。

 しかして、栫監督の「考えさせる指導」は、全国優勝につながりました。
 栫監督いわく、「勝つことより大事なことはいっぱいあると信じるからこそ、教え子たちに考えさせ続けてきた」…開花して良かった。