温泉クンの旅日記

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四万温泉 温泉三昧の宿(2)

2013-01-06 | 温泉エッセイ
  <温泉三昧の宿(2)>

「森のこだま」から外通路を通り、いったん棟に戻った。
 設置してあるウォーターサーバーで水分補給をする。
(あれっ!)



 眼の前に、きっと待ち合わせに使うのだろう、伝言板がある。
 なるほど、温泉があちこちにあるこの宿ではとても便利かもしれない。ロビーで待つとか、大浴場にいく、とか家族連れなどには重宝な連絡手段である。

 大浴場「甍(いらか)の湯」。



 正面に三つの浴槽、左に回り込んだところに浴槽がもうふたつある。



 吹き抜けになっていて、天井が高い。頭の上のほうから女性のくぐもった声がする。どうやら上階が女湯のようだ。
 湯船によって温度が分かれているようだ。浴槽には玉石が敷きつめられている。
 浴槽の温度をそれぞれたしかめて、ふたつ並んだ浴槽の奥のやつを選ぶ。



 掛け湯をして身体を沈める。三畳ほどあるだろうか、一人で独占するのはとても贅沢で気分がいい。どうやら源泉が底から湧き出ているようだ。毎回、ここの浴槽をわたし専用にするとしよう。
 この宿は七本の自家源泉を持っていて、湯量は毎分千六百リットルという。いくつも浴室を持ちながら館内の温泉暖房にも使えるはずだ。泉質は塩化物・硫酸塩泉だがとくに胃腸に効き目があるという。

 エレベーターで一階にあがり、売店脇にあるエレベーターを使って「川3」のボタンを押す。この宿では「地下」を「川」という。だから地下三階(B3)は川三階(川3)という表示になるのだ。

「岩根の湯」である。



 四万の源泉は、大岩が割れて湧きだしたという故事にまつわるのが、この岩根の湯だ。



 タイル張りの浴槽に、天然保湿成分のメタケイ酸が多く含まれる。コラーゲンの生成を促進するので湯上り後の肌がしっとりする。そのため美肌の湯といわれる。

   「月いでぬ 川に向かへる 岩根湯の 廊に裸の人の あまた立ち」

 歌人の与謝野晶子も好んで入浴したといわれる。

 いったん部屋に戻り身体を休め、夕食後にそのまま「御夢想(ごむそう)の湯」に向かった。



(この趣のある温泉の雰囲気・・・どこかで・・・)



 うん、思いだした。たんげ温泉の「瀬音の湯」だ。
 だが宿の歴史からいって、たんげ温泉のほうがここを参考にしたのに違いない。
 この欄間のある、まるで湯小屋のような温泉の雰囲気、なんとも最高である。

 この宿の温泉はとてもやばい。旅番組では「森のこだま」のシーンくらいしか使われないが他にもこんなにあったのか。入った温泉、どれもこれも気にいってしまった。
 
 御夢想の湯から外に出たところに、庭園露天風呂「甌穴(おうけつ)の湯」があるのだが、この日の外気温が低すぎるので高血圧のわたしには危険である。



 残念ながらパスしてしまったが、ちょっともったいなかったか。


  ― 続く ―


  →「四万温泉 温泉三昧の宿(1)」の記事はこちら
  →「たんげ温泉(1)」の記事はこちら
  →「たんげ温泉(2)」の記事はこちら
  →「たんげ温泉(3)」の記事はこちら
  →「たんげ温泉(4)」の記事はこちら

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