三朝温泉から三十分ほど走ると、倉吉である。 鳥取県の中央部にある都市で、江戸幕府のときは天領であった。倉吉の地名を初めて知ったのは、テレビドラマだった。たっぷりふた昔ほども前だから、出演者も脚本家もチャンネルもまったく覚えていない。ただ、その白壁の土蔵と小川にかかる橋がある風景だけはしっかりと記憶に残っていて、いつか訪れてみたいと思っていたのである . . . 本文を読む
三朝温泉は、切れ味が凄まじい、いわくつきの妖刀に似ている。その一見どうみてもありふれて見えるお湯は、よくよく見ると、表面から底まで刀紋のように妖しくぎらついていて、沈めた身体のあらゆる肌の面から瞬時に細胞の奥深く浸透していくのを、たしかに感じるのだ。立ち昇る妖気のような温泉成分は鼻や口から容赦なく侵入してきて、荒れたり微妙に狂い始めた器官を正常に戻すべく容赦なく刺激する . . . 本文を読む
城崎温泉を早朝に出発した。温泉街の、まだひとがまばらな目抜き通りを抜けて、山越えして、日本海側の道を鳥取方面に一路走る。しばらくいくと、余部(餘部)鉄橋が目の前に現れた。(おぉー、なんと・・・まだ原形をとどめているぞ!)一年前と比べると、あちこちにクレーンが架かっていて工事中だが、その鉄橋付近までいくと朝早いのにもかかわらず鉄道ファンが屯していた . . . 本文を読む
『城崎温泉では、夕暮れ、外湯を浴びてから、この大谿川ぞいを浴衣姿で下駄をカラコロいわせながら歩くのがとにかく最高にいい』と前回書いた、その夕暮れから夜に変わっていく風景である。温泉通は温泉自体には小首を傾げることだろうが、温泉街のこの情緒、雰囲気は、城崎ならではで、全国の温泉地どこにいってもこれは見つからない。再度、書く。『夕暮れにこの川沿いをそぞろ歩けば、この城崎温泉の虜となるに違いない . . . 本文を読む
迂回をしていると、昨年有馬温泉から走った見覚えのある道に合流した。もう、出石は近い。但馬の小京都と呼ばれる出石は、「古事記」「日本書紀」にも名前のでてくるほど歴史の古いところである。 新羅の王子天日槍(あめのひぼこ)が渡来してこの地を拓いたと伝えられ、この土地の名前も、天日槍の宝物である『出石小刀』からとられたといわれている . . . 本文を読む
三方五湖を見物して、国道に戻り西を目指した。(うーん、腹がへったなあ・・・。おいしい珈琲も飲みたい)国道沿いに良さげ風な喫茶店でも見つかればいいが。見つけられなかったので、国道をはずれ舞鶴湾沿いの道をゆっくり流していると観光センターのビルに喫茶店の看板をみつけた . . . 本文を読む
予想されるGWの高速道路大渋滞を避けるために、金曜の夜から関越道・上信越道・北陸道を使って明け方に福井の敦賀インターで降りた。ETCの料金は千六百円、六百円がよくわからないがさすがに格安だ。国道を走って、とりあえず三方五湖に向かった。三方五湖(みかたごこ) とは福井県の三方上中郡若狭町と三方郡美浜町にまたがる五つの湖。若狭湾国定公園に属していて、周囲には梅畑が広がる景勝地である。昨年も同じころに行ったのだが混みすぎていて途中で断念したのであった . . . 本文を読む
ゴールデンウィーク、カレンダーでいうと今日で終わりというひとも多いのですが、ETC割引使ってどこか旅へ出かけましたでしょうか。割引を目一杯享受しようとすると、大渋滞を覚悟しなければなりません。それが渋滞嫌いなわたしにはかなりツラい。ま、しかし、旅好きのわたしも悩んだあげく出かけました。ETC割引を享受したくて、西方面へ。どこまで行ったか、どうだったかは、これからのブログで . . . 本文を読む
新潟の土産といったらいろいろあるが、まずは海産物や日本酒を思い浮かべるのではないだろうか。わたしも、そこでしか手に入らない日本酒を買いに辺鄙な銀山平に何度も足を運んだものだ。けれど、いまのわたしは違う。迷うことなく大阪屋のお菓子である。わたしの定番の新潟土産だ。新潟ではポピュラーなお菓子屋さんであるが、安政五年(1858年)の創業から140年を超える老舗で、新潟県に七十八店舗あるので、どこかの支店が旅先の近くにあるはずだ。
. . . 本文を読む