温泉クンの旅日記

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北アルプスの山岳リゾート(3)

2023-01-29 | 温泉エッセイ
  <北アルプスの山岳リゾート(3)>

 北アルプスの夜が明けようとしていた。雪も熄んだようだ。

 

 いつものようにとっくに起きているのだが、大浴場に行く気はしない。収容人員が多いということはわたし同様の早起きも多い。さらに東南アジア系の観光客に温泉好きは多く、出発も早いので早朝は混むのである。
 ポットで湯を沸かし、茶を飲みながらゆっくり作戦をたてる。

 

 和洋30種類のメニューのバイキング朝食時間は7時30分から9時30分である。団体も同じ食事会場の可能性があるが、遅くとも8時ごろには団体の観光バスは出発するだろうから、朝食は8時過ぎたあたりがいい。
 チェックアウトは11時で、駅への送迎バスは、8時半、9時半、10時半、11時半とあるので、バスは10時半のヤツに、最後の温泉の入浴時間は9時過ぎと決めた。チェックアウトに手間取ると厭なので、10時前に着替えて事前精算としよう。
 よし、これで朝のスケジュールは完璧だ。

 

 混んでいる朝食会場で選んだのは、クロワッサン、食パン、ロールパン、ベーコン、ソーセージ、ポテトサラダ、リンゴジュース(これは美味しかった)、コーヒー。オムレツは列ができていたのであっさりあきらめた。
 ホテル自慢の焼き立てのクロワッサンも他のパン類も格段のことはないので、撮影は省略、横の窓からみえる綺麗な山の風景だけ一枚撮った。

 

 喫煙所へいったりして時間を潰し、9時まで待って大浴場に行くと、昨日の女風呂が男風呂に変わっていた。先客は2名いる模様である。

 

 昨日は檜風呂だったが、石づくりの浴槽であった。
 今朝初めての温泉だ、ゆっくり楽しむとしよう。さっそく掛け湯をしてから、湯船のなかに身を沈めた。

 

 ドアがあったので、開けたら階段が下に続いていた。

 

 露天風呂かな、と降りていくとジャグジーだった。
 しかも、沸かし湯の。興味なし。

 

 中房渓谷からの引湯された温泉だが、大規模ホテルの宿命みたいな循環クルクル系の温泉となり果てているのはやむを得ない。

“中房”といえば、北アルプス燕岳の中腹、標高1,462メートルにある「中房温泉」を思いだす。江戸時代から続く、湯治場の面影を残した山奥の秘湯の宿だ。
 温泉制覇数がまだ100湯未満の頃に訪れたため、残念ながら写真もないし記事にもしていないが、「中房温泉」はわたしが温泉好きになった原因のひとつでもある。
 登録源泉数は29本あり、内湯の数が14、露天の数が8、すべて90度以上の高温の100%源泉掛け流しで、まさに温泉天国である。たしかメインの泉質は硫黄泉だった。

 

 玄関先に白い大きな犬がいたこと、電話室があったこと、当時のほぼすべての浴槽に入りまくったことしか覚えていない。100度の地熱を使った地熱蒸し料理も、泊まった部屋もまったく覚えていない。たしか民宿に毛が生えたような施設(失礼!)だったような気もする。
 車で昇っていけるのだが、遠かった。温泉好きにはお薦めだが、本当に遠い。穂高駅からバスまたはタクシーで40分というが、雪が少しでもあればもっとかかるだろう。

 

 もうひとつドアがあったので、開けてみたら先ほどと同規模の浴槽があったので、こちらを貸切にして、ゆっくり湯浴みしたり、ゆっくり髭を剃ったり、あれこれ愉しむことにした。

「青空にアルプスの山々、綺麗だ・・・」

 

 送迎バスで時間通りに穂高駅に着き、ホームのベンチで電車を待つ間、目の前のアルプスを観賞した。雪が大気を清めたせいで、眺望がすばらしい。(電線と民家が邪魔だが)
 温泉目当ての独り旅や山好きカップルなら「中房温泉」もいいが、普通のカップルや家族なら「ホテルアンビエント安曇野」もいいかも、である。


   →「北アルプスの山岳リゾート(1)」の記事はこちら
   →「北アルプスの山岳リゾート(2)」の記事はこちら


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