<京都・八幡、石清水八幡宮(2)>
京都の12月は日暮れが早い。4時過ぎれば薄暗くなり、5時ともなれば真っ暗になってしまう。したがって、時間を有効に使い、明るいうちに寺社を巡るならとにかく要領よく観光しなければならない。
京阪本線「石清水八幡宮」駅のすぐ先に、ケーブル発着駅が見える。

山上の本殿に行くにはケーブルを使うほかに、もちろん参道を自分の脚で登っていく方法がある。
いつもであれば徒歩を迷わず選択するところだが、今日は事情がちょいと違う。
京阪宇治線で「中書島(ちゅうしょじま)」まで行き、京阪本線「中之島」行きに乗り換えるときに、構内アナウンスと発車ベルに急かされ、誤って特急に飛び乗ってしまった。
「あっ!」
降車駅が目の前で飛ばされ、ついシブイいぶし銀の仮面も剥がれかかり、「チッキショー!」とコウメ太夫ばりのリアクションしたいところを周りの乗客の手前、なんとかギリギリ堪えた。そしてよせばいいのに周りの乗客を気にして「よしよし、次で降りればいいんだな・・・順調、順調」ふうのまるで余計な小芝居までしてしまった。くそっ。
結局、二駅先の「樟葉(くずは)」駅まで行ってしまい、階段を駆け下り駆け昇って、反対ホームの電車で「石清水八幡宮」駅に戻ったため30分ほど大事な時間をロスしてしまったのである。
脚で登れば表参道の所要時間は約30分から40分くらい掛かるところ、ケーブルなら本宮まで15分足らずで済む。しかも、僅か300円(片道)でロスした時間がほぼ帳消しになるわけだ。素晴らしい。

参道ケーブル「八幡宮口駅」に近づくと、「もうすぐ発車します」と構内放送していた。
「なんだ、またかよ!」
と苦々しく思ったが、ケーブルに特急はないので素直に小走りに急ぐ。15分間隔で運転されているとはいえ、ここは逃したくない。

真新しいケーブルカーが動き出し、山上を目指し、男山(おとこやま)の斜面を静かに昇って行く。男山の標高は、約143メートルと割と低い山だから、乗車時間も3分くらいのものだ。

ほどなく「八幡宮山上駅」に着き、ケーブルから降りた参拝客の一団は山の匂いに満ちたなか、舗装されたゆるやかな路を元気な足取りで登っていく。

10分と歩かないうちに、左右に伸びる一直線の表参道に合流する。
一団が向かう左側をみれば、石清水八幡宮本殿の鮮やかな朱色の「南総門」があった。

地名の「石清水(いわしみず)」とは、いま昇ってきた男山に古くから霊泉があったことに由来する。八幡神の鎮座より前に「石清水寺」という山寺があったという伝承も残されており、「石清水八幡宮」の旧称は「男山八幡宮」であった。

まずは手前にある、同じケーブルで降りた参拝客たちが並ぶ「手水舎」に向かう。
― 続く ―
→「京都・八幡、石清水八幡宮(1)」の記事はこちら
京都の12月は日暮れが早い。4時過ぎれば薄暗くなり、5時ともなれば真っ暗になってしまう。したがって、時間を有効に使い、明るいうちに寺社を巡るならとにかく要領よく観光しなければならない。
京阪本線「石清水八幡宮」駅のすぐ先に、ケーブル発着駅が見える。

山上の本殿に行くにはケーブルを使うほかに、もちろん参道を自分の脚で登っていく方法がある。
いつもであれば徒歩を迷わず選択するところだが、今日は事情がちょいと違う。
京阪宇治線で「中書島(ちゅうしょじま)」まで行き、京阪本線「中之島」行きに乗り換えるときに、構内アナウンスと発車ベルに急かされ、誤って特急に飛び乗ってしまった。
「あっ!」
降車駅が目の前で飛ばされ、ついシブイいぶし銀の仮面も剥がれかかり、「チッキショー!」とコウメ太夫ばりのリアクションしたいところを周りの乗客の手前、なんとかギリギリ堪えた。そしてよせばいいのに周りの乗客を気にして「よしよし、次で降りればいいんだな・・・順調、順調」ふうのまるで余計な小芝居までしてしまった。くそっ。
結局、二駅先の「樟葉(くずは)」駅まで行ってしまい、階段を駆け下り駆け昇って、反対ホームの電車で「石清水八幡宮」駅に戻ったため30分ほど大事な時間をロスしてしまったのである。
脚で登れば表参道の所要時間は約30分から40分くらい掛かるところ、ケーブルなら本宮まで15分足らずで済む。しかも、僅か300円(片道)でロスした時間がほぼ帳消しになるわけだ。素晴らしい。

参道ケーブル「八幡宮口駅」に近づくと、「もうすぐ発車します」と構内放送していた。
「なんだ、またかよ!」
と苦々しく思ったが、ケーブルに特急はないので素直に小走りに急ぐ。15分間隔で運転されているとはいえ、ここは逃したくない。

真新しいケーブルカーが動き出し、山上を目指し、男山(おとこやま)の斜面を静かに昇って行く。男山の標高は、約143メートルと割と低い山だから、乗車時間も3分くらいのものだ。

ほどなく「八幡宮山上駅」に着き、ケーブルから降りた参拝客の一団は山の匂いに満ちたなか、舗装されたゆるやかな路を元気な足取りで登っていく。

10分と歩かないうちに、左右に伸びる一直線の表参道に合流する。
一団が向かう左側をみれば、石清水八幡宮本殿の鮮やかな朱色の「南総門」があった。

地名の「石清水(いわしみず)」とは、いま昇ってきた男山に古くから霊泉があったことに由来する。八幡神の鎮座より前に「石清水寺」という山寺があったという伝承も残されており、「石清水八幡宮」の旧称は「男山八幡宮」であった。

まずは手前にある、同じケーブルで降りた参拝客たちが並ぶ「手水舎」に向かう。
― 続く ―
→「京都・八幡、石清水八幡宮(1)」の記事はこちら
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