温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

峩々温泉(4)

2019-02-24 | 温泉エッセイ
朝、目覚めるとすぐにタオルを持って貸切露天風呂に向かった。浴衣を脱ぎすてる前に、手を湯に差し入れて温度をみる。よし、だいじょうぶそうだ。今回は昨日みたいに足湯だけで強制終了することはないぞ。目にもとまらぬ速さで脱ぐと、掛け湯をして熱い湯に身体をゆっくり滑り込ませる。標高八百メートルの朝の冷たい外気温のせいか、それともわたしの前の入浴客のせいで湯が練れたのだろうか。なんとも丁度いい熱さで、満悦感がいま顔中いっぱいに浮かんでいることだろう . . . 本文を読む
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峩々温泉(3)

2019-02-17 | 温泉エッセイ
かすかに聞こえてくるのは濁川のせせらぎだけ、まさに森閑とした深山幽谷の温泉宿である。静寂(しじま)に満ちた強い気のせいで世俗にまみれた心も洗われ、久しぶりに静穏をとりもどしたようだ。部屋で、鶴岡で買ってきた淡麗辛口の地酒「大山(おおやま)」を冷やでちびちび呑んでいるうちに、そろそろ夕食の時間となった。周りに温泉街もなにもない一軒宿だから、得意技の朝食付き宿泊(B&B)の選択肢はなかったのだ。玄関や温泉ある棟に下り、食事処に入っていく。わたしの嫌いな部屋食でないのはありがたい . . . 本文を読む
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博多・天神、とびきり『鯛茶』

2019-02-10 | 食べある記
たっぷりの山葵を載せた海苔しか見えない小鉢、それにご飯とお新香。(これ・・・で千円<税込で千八十円>かよ!)と、食すのが初めてであれば、まずは目を点にしてガックリ肩を落とすがいい。わたしも初めて連れてこられたときは同じだった。といっても十数年前だから千円ではないが。まずは小鉢のなかをぐるぐる掻きまわす。なかには鯛の切り身が嬉しいことに意外にいっぱい入っている。「こ、こいつは・・・うめえ!」あの鬼平でも唸っちまうだろう。ひと口食べれば、問答無用の旨さである . . . 本文を読む
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峩々温泉(2)

2019-02-03 | 温泉エッセイ
峩々温泉は、蔵王国定公園の真ん中にぽつんとひっそり佇む一軒宿である。たった一軒だけ、他に建造物はまったくない。昭和になってから現在の温泉名と変わったが、明治初期のころは「鹿の湯」といわれる湯治場だったそうだ。玄関入口のところに掲げられた、峩々温泉の「峩」をモチーフにしたロゴマークもすこぶる洗練されたセンスでとても味わいがある。「あれっ、宿自慢のボンネットバスがないなあ・・・」前に、日帰りやら宿泊やらで来たときには、玄関近くの広場にドーンと駐車していたのだ . . . 本文を読む
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