人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

「大・河」ドラマ、大村・河村劇場の前に惨敗

2011年02月06日 | 政治
 2月6日の名古屋市長選挙、愛知県知事選挙は、河村、大村の前に、石田、御園が惨敗を喫する結果となった。
 河村氏の得票は、前回選挙で自らが記録した過去最多得票51万票を上回る66万票となり、大票田の名古屋市を中心に河村に投票した人が大村氏にも投票した。中日新聞の出口調査では、市長選で民主党支持層の77%が河村氏に、県知事選挙では57%が大村氏に投票したという。公明党の組織票に、浮動票、分裂した自民党票だけではなく、民主党票がこれだけ流れ込めば地すべり的勝利もうなずける。

 小沢問題で党内対立を続けマニフェストの実現が進んでいない民主党政権への批判、「ねじれ国会」で与野党間の泥仕合を続けている既成政党への不信がこのような結果を招いたことは間違いない。我々は、この結果を真摯に受けとめ、猛省しなければならない。

 ただ、マスコミが言うように、既成政党への不信だけが敗因でもないし、この流れが即、全国に伝播するとは思わない。参議院選挙においても既に有権者は「民主党は期待はずれ。でも、自民党もダメ。」と思っていて、みんなの党がその不満の受け皿となった。しかし、参議院選挙では、愛知では民主党が2議席を獲得しみんなの党の猛追を振り切ったし、知事選ではみんなの党は受け皿になり得なかった。
 私は、河村氏だからこそ受け皿になり得たと考える。河村氏は、民主王国愛知の礎、民社党の春日一幸氏の出身で、民主党創設時からのメンバーであり、「総理を目指す男」として愛知では民主党の顔だった。愛知の民主党支持者は、河村氏こそ自分たちが長年支持してきた本家の民主党で、与党となった民主党は変質してしまったと考えたのではないだろうか。加えて、2009年4月の前回の市長選挙では、名古屋市内の国会議員、市議会議員、県会議員は自らの支持者たちに対して河村氏への支援を呼びかけた経緯がある。

 名古屋市長選挙、愛知県知事選挙の大敗について、党執行部の責任を問う声があるが、私は間違っていると思う。これだけの選挙を党本部が知らんふりする方がおかしいし、他の誰かが指揮すれば結果が違っていた選挙でもないからだ。ただし、私は、むしろ、重徳氏の得票が御園氏を上回ったことに問題を感じる。御園が20名を超える民主党愛知県連国会議員と連合愛知の支援を受けたのに対して、公明党が大村氏を支援し、自民党が分裂する中で、重徳氏は、一町二村では最多得票数を獲得し、出身地の豊田市では6万票と大村氏の6万9千票に迫っており、大健闘と評価してよいのではないか。それは、重徳氏の若さ、スポーツマンらしい爽やかさ、エネルギッシュな運動によるものと考える。その点では、言いにくいことだが、地元の支援者から「重徳氏が民主党の候補者だったらよかったのにね。」という声が多く聞かれた。候補者選定に遡った敗因の分析が必要ではないか。

 なお、名古屋市長選挙、愛知県知事選挙では「減税」が一つの大きなテーマとなった。しかし、同日に行われた安城市長選挙では、新人の永田あつし候補が市民税10%分の商品券還元をマニフェストの目玉に掲げ選挙戦を戦ったが、三期目を目指す現職に対してダブルスコアを大きく上回る差で大敗したのは少し意外だった。

 結果が出た以上、愛知13区で衆議院の議席を争ったかつてのライバルとして、大村氏の当選に祝意を表するとともに、愛知13区、西三河のことをよく分かっている知事のご活躍を期待しエールを送りたい。
 ただし、今朝8日の中日新聞一面の見出し「蜜月『いつまで』」のタイトルのとおり、議会対応や中京都構想に対する考え方は、河村氏と大村氏ではかなり異なっており、私は両者の共同歩調が順調に続くと考えていない。今後に注目したい。