ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

おいしいものは、独り占め?

2009-10-24 09:37:47 | 第1紀 食べる・飲む
さて、とんでもなくおいしいものが手に入ったら、あなたはどうするか?

愛する家族や友人と分かち合う?

それとも、こっそり独り占めして、たらふく喰う?



こういうところに性格が如実にあらわれるものだと思う。


例えば、麻雀。

これほどいつもの、あるいは隠れた性格があらわれる競技(!?)もない。

だます、すかす、攻める、守る、見通す、潜める、あらわにする、泣く、笑う、しょげる、時にごまかす、脅す。

まるで人生ゲームで、打つ牌にその人の生きざまが見え隠れする。


例えば、ゴルフ。

もちろんスポーツであるから、その人の体力や運動神経なんかも関係するのだろうが、陸上競技と違い、通常3~4人の同伴競技者とプレーする事により、やはり「人格」というものが、これも表に出る表情とは違い端はしにでてしまうものである。

正確、いいかげん、いきあたりばったり、ごまかし、甘え、長考、エイヤッ、おどけ、脅し、勝手、思いやり、深読み、浅読み、集中、あきらめ、爽快、いさぎよさ、そしてその反対。

まさしくメンタルゲーム。

う~ん、ブッシュより深い!!


そして、喰う事も。


二週間で三日も予約を入れていただいた常連さんから、頂き物がありますと従業員。

なんか長いものなので、茹でる時は二つに割ってくださいと言ってました、と。

なぬっ、「長い」。

ぬぬぬっ、「茹でる」。

とっさに頭をよぎった。

「これはワタシのものだ。誰にも渡さん。」


・・これが食い意地と言う、まことにストレートにあらわれるワタシの性格で、たぶん端から見れば「こきたない」性格そのものである。

従業員も、この麺類に関するワタシの異常なまでの執着を知っているから、「はいっ、オーナーどうぞ持って帰ってください」と突き放すのであった。

「ふむ」とえばりくさった表情で受け取るが、その口元には密かな喜びが隠れているはずなのだが、いや隠れもせずデレッとなっているのが「見え見え」なのだ。

胃袋はもう「麺待ち」状態で、麺類用の胃液の準備にかかっている。



それが、これ。



「大門正面」。

「おおかどそうめん」と読むらしい。

裏をみると、製造者ではなく「連絡所」とあり、「となみ野農業協同組合大門素麺事業部」と記されてある。

富山県砺波郡大門村(現砺波市)の名物であると言う。

詳しくは、あるページの説明をのせる。

「今から150年ほど前、砺波郡大門村の売薬行商人は能登蛸島で素麺作りを見てその裕福な生活ぶりを地元の有志に伝えたところ、蛸島に出向いて素麺製法を習得し、その後、零細農家の冬期副業として明治になると村中に広まったとされる。同じ手延べ麺である氷見のうどんはこの素麺と同じく輪島素麺の系統である。
 今もなお、稲作農家の冬季間の仕事として、一年でもっとも寒い11月~3月の深夜から作業が始まる。
 今では絶えてしまった幻の輪島素麺の流れをくむ油を使わない手延べ素麺は、コシが強くて歯触りがよく、半乾の長いまま丸めて和紙で包むことから「丸まげ素麺」とも呼ばれる。乾燥技術が進んでいなかった昔の方法がそのまま今も残っているため、このような形になっている。
 食べる時は袋から出して茹でる前に、丸髷状の麺を2つに割ること。これを忘れるととても長い素麺となり、イスの上に立って食べなければならなくなるから要注意。」     (出典先はここ

はいっ、その通り、まず外観が特徴的。

長い麺が丸まって巻かれている。

さて、湯が沸いた。

ただいまダイエット中だから、大きく我慢して二人前を湯に。

だんだんほぐれてきたよ。

三分たって、冷水を一杯いれて締めながらまた一分ほど茹で、さっと水で流し、冷蔵庫の氷を全て突っ込んだボールでキリッと冷やす。

常備の「ハウスおろし生姜」と「創味」をぶっかけ、用意していた卵三個分の「半熟ぐじゅたま」をトッピングし、さあ喰うぞ。

うん!!

麺は細いが腰が、なぬっ、いいかんじだぞ!!

もう舞い昇って作っていたから常連さんからのアドバイス、二つに割ってという事も忘れ、そのまま長い麺をすするが、麺道数十年のワタシの吸い込み力はこれくらいならなんともたやすく手繰れる。

ズルズルッ、シュバッと吸う、手繰る。

噛まない、飲み込む、喉越しを味わうのが麺。

いや~、うまいっ。

素麺は朝に限る。

誰もいない部屋で一人すする素麺のうまい事。

  (本当は相方が白ご飯を食べながら横目で欲しそうな目をするのを無視して、すする素麺が一番好きな、Sのワタシであります。そして、たまらず横から箸を入れる相方に意地悪をしながら、それでも偉そうに「分け与える」、気弱で嫌らしい性分をあらわにするワタシでもあります。)

いや~、またおいしい麺にであった。

たまらん。

ありがたい。

あと、二輪ずつなら三回分ありつける勘定だ。

あ~、もしこれが無くなったらどうする。

富山まで飛ぶかっ・・・、なんて食べ終わったのに既に次回を予測して口から涎が出ている、「食い意地」男でありました。