私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 



バッハの無伴奏ソナタとパルティータの楽譜を見ると、同時に3つ、時には4つの音を奏するように記譜されているところが多くある。弧を画いている駒の上に張られたヴァイオリンの弦を弓で弾くときには、2本の弦を同時に弾くことは可能だが、3本、4本の弦を同時に弾くことは出来ない。それではバッハは、これらの作品を作曲したとき、実際どのように演奏することを期待していたのだろうか?こういう疑問に頭を痛めた人たちが少なからずいた。この疑問に答える方法の一つとして、ヴァイオリンの弓の毛の張力を変えて、3本、4本の弦を同時に弾くことの出来る弓を考案した人もいた。ここで紹介するCDはそのような弓を使って演奏したバッハの無伴奏ソナタとパルティータ全曲を収めたものである。 . . . 本文を読む

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17世紀の中頃に出版された、ソプラノ・リコーダー独奏のための曲集、Der Fluyten Lust-Hof(笛の楽園)は、リコーダーのための作品集としては音楽史上最大の約150曲を収録している。ここで紹介する2枚組のCDは、オランダのリコーダー奏者、マリオン・フェアブリュッヒェンが 主にc”ソプラノリコーダーによって、49曲を演奏した選集である。 . . . 本文を読む

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このCDには、あまり演奏されることのないバッハのヴァイオリン・ソナタや、バッハの作かどうかはっきりしない曲が収められている。中でもヴァイオリンとチェンバロのためのソナタイ長調(BWV 1025)は、最近その土台となっている原曲が判明したことから、注目を集めた作品である。 . . . 本文を読む

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バッハのブランデンブルク協奏曲には、ブランデンブルク辺境伯、クリスティアン・ルートヴィヒに贈った自筆譜にある「最終形」の他に、バッハの手元にあって、他の作品に転用する際に用いた手稿などに残された、より古い型の異稿が存在する。ここで紹介するCDは、そのような異稿がある第1番と第5番を収めた異色の全曲版である。 . . . 本文を読む

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バッハの管弦楽組曲は、一般的には4曲あると理解されている。しかし、1950年、バッハの死後200年に刊行されたヴォルフガンク・シュミーダー編纂のバッハ作品目録(BWV)には、5曲目のト短調の作品(BWV 1070)が掲載されている。しかしそこには、「真作であることは確実には証明されていない」と記されている。この謎の作品は、あまり演奏されることが無く、録音もほとんど無い。2枚組のCDに、他の4曲と一緒に入っているので、話の種に一度聴いてみるのも良いのではないかと思い紹介する。 . . . 本文を読む

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テルデックのダス・アルテ・ヴェルク・シリーズで発売されたバッハの教会カンタータ全集は、レコード、CD史上の金字塔である。これは、1970年12月から録音が開始され、1972年から1989年までの18年間に渉って順次発売された。演奏は、ニコラウス・アルノンクール指揮のコンセントゥス・ムジクスとグスタフ・レオンハルト指揮のレオンハルト・コンソートの二つのグループが分担し、収録されている190のカンタータの内、121をアルノンクール、69をレオンハルトが担当している。 . . . 本文を読む

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このCDでイゴール・キプニスが演奏している楽器は、ドレースデンのヨハン・ゴットフリート及びヨハン・ヴィルヘルム・グレープナー兄弟が1793年に製作したフォルテピアノである。音域はFF ~ g’’’の63鍵で、各音に2本の弦が張られている。 モダンピアノでの演奏しか聴いたことのない人は、このCDに限らず、フォルテピアノの演奏、出来れば一度はオリジナル楽器の演奏を聴いてみることをお勧めする。モーツァルトやベートーベンが演奏していた自身の曲が、実際どのような音であったかを経験することは、作品の理解にとっても、非常に重要なことであると思う。 . . . 本文を読む

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