私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 



オリジナル楽器の演奏によるバロック音楽の演奏が、今や半世紀近い歴史を持つようになり、複数の演奏のCDを選択出来る曲も多くなってきた。そしてモダン楽器の演奏、モダンオーケストラの指揮者達の中にも、バロック時代にとどまらず、古典派からロマン派の作品についても、いわゆる「歴史認識のもとづいた演奏(Historically Informed Performance)」を行う人達が増えてきた。そしてついに、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を、当代世界有数のヴァイオリン奏者が、オリジナル楽器で演奏したCDが登場した。今回は、ヴィクトリア・ムローヴァが演奏するこの作品のCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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18世紀の後半、バロック音楽からいわゆるギャラント様式など、各国で様々な音楽様式が生まれ、それがヴィーン古典派に集約して行くという大きな流れが見られたが、その時期のロンドンに於いて活躍した音楽家の多くは、大陸ヨーロッパからやって来た。バッハの末息子のヨハン・クリスティアン・バッハや父親のバッハがアンハルト=ケーテンの宮廷楽長であった時に、宮廷楽団の一員であったクリスティアン・フェルディナント・アーベルの息子のカール・フリートリヒ・アーベル等もそれらの音楽家に含まれる。今回はその一人、C. F. アーベルの作品を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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ロベルト・シューマンは、ロマン派を代表する作曲家として、ピアノ曲、歌曲から交響曲などの管弦楽曲まで多くの作品を残しているが、ピアノ協奏曲は1曲のみである。しかしそのピアノ協奏曲は、ロマン派の作品として非常の高く評価され、今日も繰り返し演奏されている。今回はこのシューマンのピアノ協奏曲と交響曲第2番を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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バッハがヴァイマール宮廷のオルガニスト、宮廷楽士であった1713年に、ヨハン・エルンスト王子がオランダ留学中に購入した多くの楽譜が帰還の際宮廷に送り届けられ、その中に、ヴィヴァルディの作品3「調和の幻想」などのイタリアの協奏曲があった。バッハはこれらの協奏曲をチェンバロやオルガンのために編曲した。この編曲は、おそらく王子の注文に基づくものと思われるが、それによってバッハは、イタリアの器楽協奏曲の様式を体得し、後に作品に反映させることとなった。今回は、それらの内オルガンのための編曲を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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テレマンの作品は3,600曲以上が作品目録に上げられており、その全貌、成立時期については、未だ充分に解明されているとは言えないが、鍵盤楽器のための作品は、極めて僅かしか知られていない。今回紹介するチェンバロのための36曲のファンタージアは、無伴奏フルート、無伴奏ヴァイオリン、無伴奏ヴィオラ・ダ・ガムバのためのファンタージアと相前後して出版された、まとまった形で残っている唯一の作品である。 . . . 本文を読む

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