私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 



バッハの3曲のヴィオラ・ダ・ガムバとチェンバロのためのソナタは、一貫して構想されたものではなく、自筆譜が存在するのはソナタト長調(BWV 1027)のみで、他はバッハ死後の写譜しかなく、作曲年の判定は難しい。これらの3曲のソナタは、既存の他の編成あるいは他の旋律楽器のための作品からの編曲だと主張する意見もあるが、ト長調のソナタに2つのフラウト・トラヴェルソと通奏低音のためのソナタ(BWV 1039)という作品がある以外は、推定の域を出ない。今回は、アネル・ビュルスマがヴォイロンチェロ・ピッコロ、ボブ・ファン・アスペレンがポジティフ・オルガンを演奏して収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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ヨーロッパ各国に現存するオルガンは、最も古いといわれるイタリアのボローニャにある聖ペトロニオ教会のオルガンなどかなりの数があるが、製作当時のままで今日まで残っているものは少ない。今回紹介する1610年エザイアス・コムペニウス製作のオルガンは、様々な条件が揃って、すべてのパイプを含めて残っており、しかも現在も演奏が可能である。今回はこのオルガンによるルネサンスと初期バロックの宮廷音楽、舞曲を収録したCDを紹介する。演奏には問題があるものの、この貴重なオルガンの音を聞くことが出来る。 . . . 本文を読む

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音楽作品を、それが作曲され、初演された当時の楽器、奏法、ピッチなどに基づいて再現する事は、およそ1960年代から先駆的な試みがなされ、今日では様々な問題を含んでいるとはいえ、広く行われるようになった。その再現に当たっては、多方面の歴史的な探求が求められ、その結果多様な演奏が生まれる様になってきた。今回はその中でもある意味極端な編成によって演奏されたモーツァルトのピアノ協奏曲2曲を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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バッハの世俗カンタータには、様々な機会に作曲されたものがあるが、かなり私的な演奏機会のためと思われる作品が一つのグループを成している。今回紹介するCDに収録されている2曲も、その様な演奏機会のために作曲された可能性が高い。さらにいずれもソプラノ独唱のみの作品で、アンナ・マグダレーナが歌った可能性もある . . . 本文を読む

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