私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 



バッハの「ロ短調ミサ曲」(BWV 232)は、バッハ晩年の最高傑作であるが、この作品を構成する各部分は、その成立に様々な事情がある。その内第1部の「ミサ」、「キュリエ」と「グローリア」の部分は、すでに1733年にドレースデンのフリートリヒ・ヴィルヘルムII世に献呈したパート譜が存在している。このパート譜は、1733年時点でのこの曲の状態を示す、貴重な存在である。今回はこの「ミサ」の演奏を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




ルイXIV世時代のフランス宮廷に於いては、国王自身が舞踏や音楽を非常に愛していたことから、華やかな音楽文化が花開いた。その中心的役割を果たしたのが、ジャン=バティスト・リュリである。17世紀後半のフランス・バロックを代表するリュリが統率する「王の24人のヴァイオリン」を中心とした管弦楽曲は、単にフランスだけでなく、ヨーロッパ全体に大きな影響を与えた。今回はその様なリュリの管弦楽の響きを、3つの組曲として収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




ショパンの「24の前奏曲」作品28は、バッハの「巧みに調律された鍵盤楽器のための前奏曲とフーガ」(BWV 846 - 893)に刺激を受けて作曲された。その凝縮された構成と簡潔な表現によって ショパンのピアノ曲の中でも最高傑作に数えられる作品である。この様なショパンのピアノ曲は、ショパンが当時実際に使用していたものと同型の楽器によって演奏する事によって、その曲の本質をよりよく理解することが出来る。今回は、ポーランドの国立フレデリク・ショパン協会が制作、販売している、ピアノ作品全集の内の1枚を紹介する。 . . . 本文を読む

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




バッハの世俗カンタータには、その作曲の目的、演奏機会の違いによって、様々な形態の作品があるが、バッハがライプツィヒに於いて、1730年代に集中的に作曲、演奏した、ザクセン選帝候兼ポーランド国王とその家族を讃えるカンタータは、「クリスマス・オラトーリオ」に多くの曲が転用されるなど、興味深い作品群である。それらの中にあって、時期的に最も遅く作曲、演奏されたと思われるカンタータ「緩やかに、戯れる波よ」(BWV 206)は、他の作品からの転用、他の作品への転用ともにない独自の存在である。今回はこの作品を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )