私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 



ハックブレットあるいはダルシマーという楽器は、共鳴箱に張った弦を撥で打って奏する楽器で、一見したところ非常に単純な楽器である。実際、ヨーロッパ各国で民族楽器としていまでも用いられている。しかし単に民族楽器的な用途だけでなく、宮廷に於ける歌唱の伴奏などにも用いられていたことが分かっており、その独特の響きは、非常に魅力的な楽器である。今回はこのハックブレットによって、ルネサンスからバロックに至る時代の様々な小曲演奏したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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ヨーロッパ各国に現存するオルガンは、最も古いといわれるイタリアのボローニャにある聖ペトロニオ教会のオルガンなどかなりの数があるが、製作当時のままで今日まで残っているものは少ない。今回紹介する1610年エザイアス・コムペニウス製作のオルガンは、様々な条件が揃って、すべてのパイプを含めて残っており、しかも現在も演奏が可能である。今回はこのオルガンによるルネサンスと初期バロックの宮廷音楽、舞曲を収録したCDを紹介する。演奏には問題があるものの、この貴重なオルガンの音を聞くことが出来る。 . . . 本文を読む

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2007年2月23日に「私的CD評」の最初の投稿をしてから、ちょうど6年が経った。始めた当初は、どれほど続くか、」全く想定していなかったが、その間に300種近いCDを紹介してきたことを振り返ると、自分でも驚いてしまう。事実紹介しようと思うCDもそろそろ底をついてきており、今後どのように続けて行くか、考えなくてはならない。いずれにしても、「私的CD評」が続く限り、よろしくおねがいします。今回は、13世紀から17世紀にいたるヨーロッパの舞曲を、それぞれの時代を代表する出版譜や手稿によって紹介するCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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以前にも何度か述べたが、時代をさかのぼって行くと、音楽の演奏形態は不明確になって行き、中世やルネサンスの音楽、特に民衆の音楽に関しては、どのような楽器でどのように演奏されたかは、極めて曖昧にしか分からない。数少なく残っている出版譜や手稿の他に、様々な記述や画像資料から、その演奏形態を再現する努力がどうしても必要となってくる。そのため数多くある中世・ルネサンス音楽のCDにおいては、その楽器編成やテンポ、和声などが大きく異なっている。今回紹介するCDもそのような演奏解釈の一つを提示している。 . . . 本文を読む

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2012年6月3日は、西方キリスト教の教会暦で「三位一体の祝日」に当たる。キリスト復活の50日後に当たる精霊降臨祭の次の日曜日である。しかしこの祝日は、14世紀になって初めてローマ・カトリックの教会暦に導入された、比較的新しい祝日である。今回紹介するCDは、この三位一体の祝日の創始者と考えられている、リエージュの司教エティエンヌによって始められたこの祝日の聖歌を、1500年頃のヘントの聖バーフ修道院に伝わる聖務日課の断片やヘント大学図書館に所蔵されているアンティフォナの手稿より抽出して再現している。 . . . 本文を読む

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エリザベス朝のイギリスでは、王侯貴族や市民の間で、楽器演奏が盛んに行われていた。「私的CD評」でもこれまでに、様々な曲のCDを紹介してきたが、今回はトーマス・モーレイが編纂した種々の楽器の合奏、いわゆる「ブロークン・コンソート」のための曲集からの曲を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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カトリックの典礼で歌われる「グレゴリオ聖歌」は、その機能を越えて、西洋音楽に多大な影響を及ぼした。また「グレゴリオ聖歌」は、派生的な宗教音楽のもととなった。しかしその本質的な部分は、口承によって伝えられてきたため、その姿は刻々と変化してきた。さらに音楽の発展に伴ってその影響を受け、衰退の時期もあった。今回は、歴史的な研究によって、「グレゴリオ聖歌」の復興に重要な貢献をしたフランスのサン・ピエール・ドゥ・ソレム修道院の僧侶達による演奏を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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以前にも述べてきたことだが、音楽の歴史を遡ると、それだけその姿は不明瞭になって行く。中世の音楽になると、教会で唱われ続けた典礼の音楽以外には、次の時代になって、記譜法が次第に発展して来たことによって記録されたものを手掛かりにすることになる。それでも様々な人達の努力によって、再現が試みてこられた。今回は、ケルト文化にまつわる音楽を再現したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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中世の音楽については、その演奏の基本となる楽譜が残されているものが僅かしかなく、その楽譜も現在のものとは違っており、再現のためには多くの研究と、時には想像力が必要となる。今回紹介するCDは、12世紀初めのフランスの修道院で歌われていた聖歌をその歌われていた空間で再現しようと試みたものである。 . . . 本文を読む

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先に「スザンヌ・ファン・ソールト・ヴァージナル・ブック」を紹介した際にも述べたとおり、ルネサンスの終わりからバロック初期にかけての鍵盤楽器のための作品は、殆どすべて筆写譜で伝えられている。その中で際だって多くの曲を収録しているのが、「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」と呼ばれる手稿である。今回はこの手稿の膨大な作品の中から、イギリスの3人の作曲家とスウェーリンクの作品を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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