私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 



先に「スザンヌ・ファン・ソールト・ヴァージナル・ブック」を紹介した際にも述べたとおり、ルネサンスの終わりからバロック初期にかけての鍵盤楽器のための作品は、殆どすべて筆写譜で伝えられている。その中で際だって多くの曲を収録しているのが、「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」と呼ばれる手稿である。今回はこの手稿の膨大な作品の中から、イギリスの3人の作曲家とスウェーリンクの作品を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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すでに何度も述べてきたように、音楽作品は、それらが作曲された当時の楽器と密接な関係がある。それはなにも中世やルネサンスあるいはバロックや古典派の作品だけでなく、ロマン派から現代の作品についても当てはまる。ショパンの作品では、すでにプレイエルピアノによる演奏のCDを2枚紹介してきたが、今回は同時代のもう一つのフランスのピアノ、エラール・ピアノによる演奏を紹介する。 . . . 本文を読む

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バッハの「フーガの技法」は、対位法的技法の集大成的な作品であり、バッハ自身が出版を目指し手順にを進めていたが、完成を見ず死亡した。死後に出版された印刷譜にも、そのもととなった自筆譜にも何ら楽器の指定がない。一般的には、鍵盤楽器で演奏するものと考えられているが、器楽による演奏もしばしば試みられてきた。今回は、ムジカ・アンティクヴァ・ケルンによる演奏を収録したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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ルネサンスのヨーロッパにおける一般市民の音楽愛好がどのようなものであったかを知る手掛かりとなるのは、数は少ないが現在まで残っている手稿である。出版譜が次第に普及しつつあったとは言え、練習のため、また家庭での楽しみのために作製された筆写譜は、依然として楽譜の中で多数を占めていたようだ。そのような手稿の中に、1599年という製作年が明記された、オランダ人の豊かな商家の娘、スザンヌ・ファン・ソールトのために作製された鍵盤楽器のための作品集がある。今回はこの手稿に掲載されている曲を演奏したCDを紹介する。 . . . 本文を読む

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