無一物中無尽蔵 むいちぶつちゅう むじんぞう
これは蘇東坡の詩偈。「花有り月有り楼台有り」と続く。
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何にもないところには何でもある。
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行き暮れて輝く星を仰ぎけり 釈 応帰
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ないないないをひっくり返えすとあるあるあるになる。この世は不可思議世界なり。
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絶望の深さに導かれていた者は、それだけの高い歓喜に導かれている者である。それがやがて分かる時が来る。
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有限は無限を蔵している。
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有限を爆発させると無限が発覚する。
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この世を、己の狭い裁量で切り捨てて、つまらないところにしてはなりませんぞ。己に言い聞かす。
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何でもないとしたところへ堕ちて、地獄に呻いて、突発的に<何でもある>が発見できると、<無限大自己爆発>が起きて来る。見ている自分と見られている世界が輝いて輝いて一億兆x一億兆ルックスになる。
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<ないないない・ないない>の否定を突き抜けて行くと、<あるあるある・あるある>の絶対肯定処に辿り着く。
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Behind nothing inside,behind nothing outside,there's everything brightening limitlessly.
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地獄があるということが極楽があるということを証明する。
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手が鉛筆を握っていると、手は鉛筆以外を握ることが出来ない。執着の手を持つ人間だが、その同じ手に無執着を握らせることも可能だ。
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放てば手に満つ。自己所有を放棄すると、無所有所有の大所有が顔を見せて来る。
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わたしが欲しいものを所有してなくとも、わたしの進歩がいかに遅いものであろうと、わたしには美しい花があり輝く月があり広大無限な宇宙がある。
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小さきは小さきままに花咲ける野辺の小草の安けきを見よ
高田保馬
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蘇東坡の詩歌からあれこれいろいろと連想してみました。暗い考えにうち沈んでいる人がいたら、どうか、蘇東坡の説く明るい考えに照らされてみて下さい。