唐人の寝言は、何を言っているのかちんぷんかんぷんである。日本人の耳には、中国語も解せないし、おまけに寝言であればなおさらである。
*
三郎の書いていることもさしずめこの唐人の寝言のたぐいだろう。そもさん。そもさん。さもあらんかな。
*
読んだところでなんの益にもならない。社会人不的確者の考えることは、現実味にも欠ける。ふうらふうらしていて、たとえて言えばエノコログサの揺れる影の葉っぱだ。影の葉だから、実体もない。ふううらふううらしているだけである。
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三郎は勉強をしない。怠け者だ。だから、知らないことだらけだ。人と話をしても話にならない。辻褄が合わない。知識の濃度が薄すぎるからだ。暇人三郎、おい、ちったあ勉強をしたらどうだ。
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やあだね。勉強なんか御免被る。すたこらすたこら逃げに徹する三郎。エノコログサの揺れる影の、ふうらふうら三郎。お偉い先生方のご本を手にとっても、三郎の低脳じゃ、1ページも先へは進めない。
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エノコログサ。狗尾草と書く。路傍の雑草。イネ科の1年草。犬の尻尾のような穂を出し、猫をじゃらすので別名ネコジャラシ。キンエノコロという別種もある。これは穂の色が黄金色。
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ところが、このネコジャラシは生命力が旺盛である。野原いっぱいを風来の穂で埋め尽くしてしまう。しかもあっという間に。夏の野原の占領草。
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三郎は夏蝉を聞いている。そしてすぐに、いつものことながら、All is right with the world の「これでいい」と思ってしまう。自力の力が極力低電圧なので、他力に頼ってしまう癖がある。
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夏蝉を鳴かせている他力さまがご壮健であるのを蝉の鳴き声に確かめてそれで、これでいい、これでいいと安らいでしまって、自己努力がない。
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それをそうせしめていてくださっているのは誰だ。宇宙の法(ダンマ)だ。人格化して親しもうとするが、これは宇宙のエネルギーであってパワーそのものだ。それが正しく美しく作動していて、三郎の処まで来て、夏蝉を鳴かせている。
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三郎の処まで来て鳴かせているパワーを三郎は聞き逃さないでいる。そして、唐人の寝言のように、「これでいいこれでいい」を繰り返している。
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なんのことはない。ふうらふうら草の三郎は自分のことで誇れることがなんにもないので、そうしかつぶやけないのである。
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三郎の書いていることもさしずめこの唐人の寝言のたぐいだろう。そもさん。そもさん。さもあらんかな。
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読んだところでなんの益にもならない。社会人不的確者の考えることは、現実味にも欠ける。ふうらふうらしていて、たとえて言えばエノコログサの揺れる影の葉っぱだ。影の葉だから、実体もない。ふううらふううらしているだけである。
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三郎は勉強をしない。怠け者だ。だから、知らないことだらけだ。人と話をしても話にならない。辻褄が合わない。知識の濃度が薄すぎるからだ。暇人三郎、おい、ちったあ勉強をしたらどうだ。
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やあだね。勉強なんか御免被る。すたこらすたこら逃げに徹する三郎。エノコログサの揺れる影の、ふうらふうら三郎。お偉い先生方のご本を手にとっても、三郎の低脳じゃ、1ページも先へは進めない。
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エノコログサ。狗尾草と書く。路傍の雑草。イネ科の1年草。犬の尻尾のような穂を出し、猫をじゃらすので別名ネコジャラシ。キンエノコロという別種もある。これは穂の色が黄金色。
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ところが、このネコジャラシは生命力が旺盛である。野原いっぱいを風来の穂で埋め尽くしてしまう。しかもあっという間に。夏の野原の占領草。
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三郎は夏蝉を聞いている。そしてすぐに、いつものことながら、All is right with the world の「これでいい」と思ってしまう。自力の力が極力低電圧なので、他力に頼ってしまう癖がある。
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夏蝉を鳴かせている他力さまがご壮健であるのを蝉の鳴き声に確かめてそれで、これでいい、これでいいと安らいでしまって、自己努力がない。
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それをそうせしめていてくださっているのは誰だ。宇宙の法(ダンマ)だ。人格化して親しもうとするが、これは宇宙のエネルギーであってパワーそのものだ。それが正しく美しく作動していて、三郎の処まで来て、夏蝉を鳴かせている。
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三郎の処まで来て鳴かせているパワーを三郎は聞き逃さないでいる。そして、唐人の寝言のように、「これでいいこれでいい」を繰り返している。
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なんのことはない。ふうらふうら草の三郎は自分のことで誇れることがなんにもないので、そうしかつぶやけないのである。