小田急中心の模型のブログ

Nゲージで私鉄電車を楽しむブログです。
旧小田急中心の模型のページ(2003~2014)の製作記も再掲載しています。

【すずかけ台】T.K.K8500完成!【大井町】

2014年03月05日 23時08分10秒 | 東京急行


長年の懸案だったTKK8500が、ついに完成しました。
プロトタイプは8607F(現在ジャカルタにて活躍中!)の4連で、
S50年3月~S51年3月までの1年間のみ見られた8607+8707+8907+8507という変則編成です。
当時は無線アンテナが台座のみな事も特徴です。

当初はフルカラーLEDの8616F10連で計画していましたが、5年ほど前に
組み終えていた車体は粗が目立つ為使う気になれず、
登場時4連に計画縮小する代わりに全車新規に組み立てました。

ベースは言わずもがなのGM板キットですが、
オデコが狭く微妙に似ていない純正前面は使わず、
数年前のJNMAにて頒布されていたガレージメーカーの
エッチング前面を用いています。
前面をお譲り頂いたK氏に感謝m(__)m



前面にはエッチングによる手すり類の浮き出し表現がありましたが、
いずれも電動工具にて削り、2000番まで順次ペーパー掛けの後
穴開け→別体化しました。
新規に植えた手すり類はいずれもトレジャーの8500系用です。
運転台側の裾にも足掛けが付くのがポイントです。

ライトは定番の銀河N-017ですが、ロットによる差なのか
フチがカミソリのように薄い物が見受けられたため、
適宜ヤスリをかけて絶妙な厚みのフチになるよう調整しています。
この電車に限って言えば、このフチが薄いとどうも貧相な表情になるように思います。

ガラスはクロポのアクリル削り出しガラス、
胴受け下のATS受電器は銀河の営団用を流用しました。
幕は本当は下り方をすずかけ台としたいところですが、
市販のにないので仮に鷺沼としてあります。



帯は、予めフィニッシャーズのプライマーとMr.のクールホワイトを下塗りの後、
Mr.のシャインレッドをストレートに使っています。
目の覚めるような鮮やかさが気持ち良い。
ジャカルタ仕様にもオススメ?w



銀は迷いました。
実車を見る限り、定番のスーパーステンレスでは暗すぎるように思えたのです。
当然見る光線具合によって変わりますが、基本的にあれよりは
周りの光を反射して明るく見えるシーンが多いように思いました。



実車の外板表面を拡大。
ヘアライン仕上げというのでしょうか。
細かい模様がたくさん入っており、これが反射して明るく見える要因と思われます。

従って、ある程度反射して明るく見える塗料を選定した結果、
今回はガイアの鉄道模型用ステンレスシルバーを用いました。
7200系に使ったライトステンレスシルバーの粒子が粗かったので
そこが気がかりでしたが、思ったよりは目の細かい銀が出せたと思います。



ついでに実車の前面ディテールを観察してみましょう。
よく指摘される、前面帯部分の出っ張りは、Nで再現するほど厚くないように見えます。
従って、今回は塗り分けのみで済ませました。

隅のステップは車体中心側に向かって広がった独特の形をしています。
トレジャーのステップはこれも忠実に再現しているようです。



こうして白い紙にのせるととても明るく見えますね。
台車は8500系初期車用のやや角張ったシルエットを再現すべく、
鉄コレの長野電鉄8500より流用しました。
カタチそのものもさることながら、車輪の露出具合が減ること、
ボルスタアンカーの立体感が増した事は中々良い印象になったと思います。

先頭台車にはプラ材加工による排障器を付けています。

車番や号車札はGM板キットに付属のステッカー、
ドアステッカーはくろま屋の私鉄用です。



東急マークはCPの7200系に入ってたインレタを使いました。
本当は表記類全般に関してトレジャーのを使いたかったのですが、
車番の継ぎ接ぎ(7200用車番しかないので当然全車必要)がどうしても
上手く行かず車番はステッカー、東急マークも簡易版にて済ませてしまいました。



ドアレールは例によってアルミ箔ステッカーですが、
今回は仕上がりの均一化を目指して、ご覧のような工法を採りました。
すなわち、クツズリからの高さが一定になるようマスキングテープによる
ジグを用いたわけです。



パンタ周りの配管は一応真鍮線で引き直しました。
しかし如何せん経験が浅いので、これだけの配管を引くのにも非常に苦労しました。
ヒューズとパンタに引き込む部分はリード線です。

パンタはPT4212-Sの下半分と、PS17の上半分を組み合わせたもので、
集電舟の端部が棒状になるのが特徴です。



8700(中間M)は貫通扉付き、8500(すずかけ台方Mc)は扉無しとなります。
前面同様Hゴムは灰色だった模様なので、配管共々
エナメルのスカイグレイで色差ししました。

銘板類は前述のトレジャー7200用ですが、特に検査表記に関しては
納得のいく出来ではなく、折を見てアルミ箔ステッカーを用いた改良を
しようと思っています。



見ての通り、プレート部分を使わず、直に転写してあるのです。
理由はもちろん小さすぎてプレートとズレなく転写する事が出来なかった為、です。
アルミ箔ステッカーならば、予め転写した上で周りを切り取り、
ステッカーごと貼る手法にて対処できるのではないか、と考えています。

わかっているのに何故やらないのか、とも思いますが、
一旦完成させる、というのもモチベーションの維持には必要だと思ったからです。




サハ8907の大井町方妻面は営団IRアンテナとハシゴが付いています。
実車の登場時にどうだったのかが今ひとつハッキリしないのですが、
もとより地下鉄直通用として用意された電車なので、
IRもついていたものと推測した次第。

車内床材はMr.の310番とクールホワイトを半々で混ぜたベージュ塗りです。



クーラーは板キット純正のものは使わず、
一回り小さめな後年の金型のものを使いました。
8590系の前面と一緒に成型されているもので、恐らく8090系キットに
封入されているパーツかと思われます。

ただし、8500系ならば軽量車に使うべきカタチをしたもの
(側面通風口のヨコに凹みがあるタイプ)なので、この凹みを
全て光硬化パテにて埋めて、非軽量車用の初期タイプに改造しています。

塗装後、側面通風口には富士川のメッシュステッカーを貼りました。
これはクーラーの形式別に予め通風口の大きさに切れ込みが入った
ステッカーで、非常に手軽かつリアルな仕上がりがミソです。



床下機器は基本的にGMの軽量車用を流用しています。
碍子への白差しはオヤクソクです。
ガラスは往年のおじ様方のポマードによる汚損を
再現しました(嘘)
指紋くらい拭きましょう。。(--;)



断流器は真っ赤に塗られた写真を見つけたので、
白で下塗りの上、前面帯と同じシャインレッドで。



例によって運転台のなかも作り込んでみました。
助手席側の壁際には乗務員用のカバンを立てかけてみましたが、
殆ど見えませんね。



運転室と客室の仕切りにはガラスを入れて、乗務員室のレタリングを施しました。

なお、ギラつく幌枠の表現は、黒を混ぜた暗い銀の塗料を差すことで
それらしく見せています。



S40年代、S50年代、S60年代の東急のスターたち。
どんどん車体が大きくなっていくのがわかります。



いずれもエコノミーキット。
30年くらい前の金型によるものです。
手を加えればまだまだ頑張れる!



さりげなく完成している7200系
については追ってまたご紹介します。



デザイン案と、完成形。



Mcコレクション!
パーツの密度による独特のカタマリ感が魅力的です。



中央林間開業時のポスターへのオマージュ。



往年の東急車輛のデザイナーに敬意を込めて。。。

以下、予告編。



メトロ8000はGMのデカールにて車番変更し、
ヌルヌルLCD(正式名称はセサミクロだそうな)装備の
最新仕様に改装を計画中。



8090系は床下が違うようなので、
実車観察の上機器を配置中。



先行して先頭車の改装が進んでいます。
全盛期にはヘッドライトが点いていないシーンのほうが多いので、
ライトユニットは撤去の上、運転台の作り込みを計画中です。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドアレールの表現について知りたいです! (さぶりな工房)
2014-08-18 19:28:05
素人の模型鉄です。
あまりにかっこいい写真ばかりなので、質問したくなりました。

東急シリーズなどで頻繁に行われているドアレールの設置について、アルミ箔テープとありますが、具体的にどのようなものを使っていらっしゃるのでしょうか? GMのアルミを削る? よくわからないです。

もし差し支えなければご教示いただけませんでしょうか?!
返信する
Unknown (おばきゅう)
2014-08-20 00:23:35
さぶりな工房さん

こんばんは。
ご訪問と書き込み、ありがとうございます。
アルミ箔ステッカーは、お察しの通り
GMのアルミ箔素材ステッカー(見分け方としては地色が艶消し白のものが大体アルミ箔素材)
の表面印刷を、薄め液を含ませたティッシュで落としたものです。
印刷剥離後の表面はほぼ鏡面になりますが、薄め液の代わりに2000番くらいの
ペーパーを用いれば艶消し仕上げも可能です。

お役に立ちますでしょうか。
ご不明な点がございましたら、
またお知らせください。
返信する
Unknown (おばきゅう)
2014-08-20 00:28:51
補足

さらりと「GMのアルミ箔素材ステッカー」と
書いてしまいましたが、ようはGMの
主にエコノミーキットに封入されている
行き先方向幕などのステッカーのことです。
近年はエコノミーキットでも透明なフィルム地の
ステッカーを封入したものが多くなっており、
東急8500や京王6000もそうです。

いまでも安定してアルミ箔素材なのは
小田急5000や国電101系のステッカー
あたりでしょうか。
GMストアーなどに行くことがあれば
バラ売りステッカーを買ってしまうのもありかもしれません。
返信する
追加の質問です。 (さぶりな工房)
2014-08-20 07:52:15
おばきゅうさま
詳細なコメントをいただき、誠にありがとうございます。さらに、2点ほど教えていただけないでしょうか?
市販のアルミ箔テープ(厚み0.125mm)でのドアレール表現は可能でしょうか? エコノミーキットのシールがすぐに手に入らないため代替策としての質問です。
あと、東急線のような銀塗装の時期について、アルミ箔テープを貼る前が良いのか後が良いのかです。
おばきゅうさまの貴重な経験談をご教授いただけないでしょうか? どうぞよろしくお願い致します。
返信する
Unknown (おばきゅう)
2014-08-22 23:05:44
さぶりな工房さん

こんばんは。
お返事が遅くなりまして失礼しました。
ご質問の市販アルミ箔テープについては、
私は使ったことがないので、
申し訳ありませんが何とも言えません。
ただ、厚みもさることながら適度なコシ
(ふにゃつかない)がある素材が
使いやすいだろうなとは思います。
非常に細く切り出すので、コシがないと
千切れたり捻じれたりして貼るのに
難儀するはずです。

ドアレールの貼り付けはステッカーの
質感を生かすためにも、銀塗装後に
行っています。
返信する
問題解決。 (さぶりな工房)
2014-08-23 06:31:53
おばきゅう 様

こんにちは。さぶりな工房です。
詳細なご返答をいただき、誠にありがとうございました。
ご経験がなくても想定される問題点を提示していただきとても参考になりました。
これまでにエコノミーキットから、数々の車両を作られておりますが、おばきゅう様の作品はどれも神! 実車そのものなので何度みても興奮致します。
これからも拝読致しますので、たくさんの名車をどんどん世に送り出して下さい。
ありがとうございました。
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