小田急中心の模型のブログ

Nゲージで私鉄電車を楽しむブログです。
旧小田急中心の模型のページ(2003~2014)の製作記も再掲載しています。

営団5000系細帯車製作記・・・その3

2011年09月26日 15時42分19秒 | 営団地下鉄
***この製作記は2007年11月から2008年8月にかけて、本サイトへアップしたものです。当ブログに移転の上掲載を継続します。なお、完結済み製作記の為今後の新規更新はしません。2011.09.26***

■営団5000系細帯車製作記■

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2008年6月28日



手こずった配管の引き直しですが、無理をせず
一日の最大進度を1両分の完成までに留め、
コツコツ作っていきまして、ようやく4両
全てのP車の配管作業が終わりました。
最後まで苦戦しましたが、まぁ数をこなせば
慣れることでしょう(^^)

実際やってみての感想としては、やはり手を
かけるだけの効果はあるかなぁといったところ
です。ご覧の通り中々へろへろな仕上がりながら、
やはり従来のランナー引き伸ばし線よりは立体感
が増しました。これで塗装した後、いかにすっきり
仕上がるかが問題ですが(色が乗るまでわから
ない傷や粗は多い)、とりあえず現時点での結果は
上々です。




途中まで全然気づかなかったのですが、中野方
先頭車のモハ5000はどうやらヒューズボックス・
配管ともに助手席側にしかなかったようなので、
模型でも同様に再現してみました。実を言うと
取り付け穴を開ける段階まで中間車同様と
思い込んでいたのですが、前回更新時に触れた
「営団車両写真集」を見ると、形式写真(新造
間もない頃の3次車)ではヒューズボックスが
一つしか付いてないし、東西線開業時の
車両搬入(九段下近くのトンネルに穴を設けて
クレーンで入れたらしい・開業時なので
当然1次車)の様子を記録した写真では、片方に
しか配管が引かれていない妻板がドーンと写った
写真があったので、これらの間のグループとなる
2次車(今回のプロトタイプ)も同様と考え、余分な
取り付け穴を埋め込んだのでした・・・。

なお、前述の妻板写真や、当時の前面の様子を
見る限り、最初は前面運転席窓脇のIRアンテナ
がなく、代わりにこの妻板の配管がない側の端に
取り付けられていたようです。現時点では
未取り付けですが、これも近々再現してみる
予定です。




前述の写真集内にある形式写真を参考に、
配管無し妻板へのステップ取り付けも
行いました。恐らくは一定の法則に基づいて
付けられているものと推測して作業を行い
ましたが、実車通りかどうかは不明です。

なお、このステップの取り付け穴、特に
一番車体外側寄りのを開ける際には、
細心の注意が必要です。というのは、
一体ボディの場合、妻面のこの位置に
穴を開ける=側面の肉厚部分(?)に
穴を開けるということで、例えばドリルの
刃が僅かに外側寄りに傾いた状態で
穴を開けてしまったりすると、側面が
それに押されて盛り上がってきてしまいます。
説明が下手で申し訳ないのですが、ようは
腰板のコルゲートモールドを痛める可能性が
あるということで、実際今回その失敗をやりま
したので、今後作られる方は注意されたほうが
良いかもしれません。

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2008年8月2日



晩秋の着工以来、のろのろと製作を続けるうちに
とうとう夏本番となってしまいましたが、
時間の関係で一番不向きな梅雨時に一気に塗装が
進みましたので、今更ながらご紹介致します(´∀`)

大まかな流れとしては青帯発色用の白(GM37番)
→帯の水色(Mr.Color34番+GM37を1.5:0.5くらい
で調合)→銀(GSIのスーパーステンレス)→表面保護
のクリア(GM40番)・・・といった感じです。非冷房時代
の実車は帯の水色がかなり薄い色だったらしく、
当時の写真を見ると確かに晩年の鮮やかなブルーとは
かなり異なる印象の色ですが、一方で模型としての
見栄えや個人的な好みもあり、結局やや鮮やか過ぎる
かなと思いつつベースにはMr.Colorの34番(晩年の
ブルーに丁度良いほどの鮮やかさ)を使い、比率も
ブルーを強めに調整しました。銀を塗り重ねるまでは
どんな雰囲気になるかイマイチ読めなかったので、
ドキドキしながらマスキングを剥がしていったのですが、
思ったよりは違和感なく仕上がったかな~なんていう
気がしています。銀に使ったスーパーステンレスの
質感共々、塗装自体に関しては中々満足な結果
となりました。

ただ、この塗装で一気に製作のモチベーションを
下げてくれる事態も発生し・・・。まぁ、下でも詳しく
書きますが、今回の目玉である前面帯の細帯化に
伴って自分で引き直したコルゲートが、ギラギラした
銀のおかげもあって粗の目立つものに
なっちゃったんですよね・・・。部分が部分だけに
これは中々ショックでした(つД`)




ちなみに実車をよく見ると帯は板状のもので、
帯自体はドアにも回っているものの、その両端では
少しだけ途切れています。部分としては模型で
言えば吹き込み防止の為にマスキングテープに
切り込みを入れる部分にあたるので、ついでに
それを再現してみようかとも思ったのですが、
一方で余程クッキリした塗り分けができない限り
却ってみすぼらしくなることも予想され、迷った
挙句省略したのでした・・・。塗り上がったものを
見てみると、やっぱりちょっと帯に連続感がありすぎ
かな~という感じもしますが、いかがでしょうか・・・。

それにしてもモールドのコルゲートは非常に繊細で、
今回のように輝きの強い銀色を塗るとそれが
なおさら引き立ちます。逆に自分で引いたコルゲートは
その粗さが引き立ってしまったわけですが、そういう
加工のない電車に使う分にはより満足感が得られる事
と思われ、近々着工予定の東急8500や営団3000の
製作が楽しみになってきました(゜∀゜)




問題の前面。撮り方でも随分見た目が変わるので、
少しでも粗の目立たない光の当て方をしました(苦)
もっとも、一番問題なのは乗務員扉の前の部分の
コルゲートなんですけどね・・・。

とりあえず色を塗り終わったら、まずは別に塗って
おいたライト類の取り付けを行いました。これは
車体のギラギラした銀色とは少し違う、落ち着いた
銀色のように思われたので、プライマー処理の後
Mr.Colorの8番を筆塗りしてあります。ヘッドライト
のレンズは例によってキラキラ化加工を施して
ありますが、今回も中々効果を上げてくれました。
若干仕上がりにバラ付きがあるので、これの改善
が今後の課題ですかね。

前面窓はもう少し小さくてもいいかな~という気も
しますが、今回は灰色Hゴムということもあって
幾らか小さめに見えるようにはなったようです。
運行番号は詳しくないので当時の写真を参考に
適当に貼り、方向幕は西側先頭(Mc5000)は中野、
東側先頭(Tc5800)は竹橋をそれぞれキット付属
ステッカーから切り出して貼り付けました。今回は
昭和41年製造の電車の新車当時をプロトタイプ
としているため、その時代設定が際立つ行き先
として竹橋を選びましたが、ものの本によれば
国鉄乗り入れは竹橋開業から半年ほど後の
大手町開業時に開始との事なので、西側は
ちょっと普通すぎる行き先になってしまいました。
最初は「荻窪」なんて考えてたんですよね・・・。
キットのステッカーには入ってないので、丸ノ内線
旧型車の幕をサイズ調整して使えないかな~とか
考えてたんですけどね・・・。




前面以上に問題な乗務員扉周辺のコルゲート。
もうボロボロですね・・・(つД`)頑張ったのに・・・。

細部への色差しはHゴムにGM14番(灰色9号)と
37番(白)を適当に混ぜたもの、サッシにMr.Color
の8番を面相筆で塗ってあります。今回は使った
銀色が、割と暗く見える事の多い色なので(うまい
光の当たり方をした時だけキラリと光る)、Hゴムは
ある程度明るい色にしたほうが目立つだろうと
考えて白を混ぜましたが、これは当たりだったかな
と思います。ただ、両開き扉の戸当たりゴムは、
黒Hゴムのような丁度良いペン等も見当たらない
ため、近々薄めたエナメル塗料でも流し込んで
再現しようかと考えているところです。

サッシは何の工夫も凝らしていませんが、ガラス
パーツへの色差しの為はみ出しても何度でも
修正が効く反面、どういうわけかサッシだけ異様に
モールドが浅く、ただでさえ色差しが苦手な私は
四苦八苦する結果となりました。あまり出っ張り
すぎていると雰囲気を損ねるという事なのでしょ
うが、もう少しだけ・・・(´∀`;)
逆にHゴムは適度な出っ張り具合で、余程の事が
ない限り限りはみ出す事はなさそうです。

それにしても賑やかな側面の電車ですね。
近頃の新型車を見慣れていると尚更ですが、
手持ちの東急8500あたりと見比べてみても
やっぱりステンレス車黎明期(ってほどでも
ないか?)っていう香りが漂います。恐らく
鋼製車全盛の時代には愛想のない電車に
見えたのでしょうが、あまりにもサッパリした
外観の電車が多い今から見ると、この5000
に限らず初期のステンレス車は鋼製車とは
異なる、独特の味わいが感じられますね。
・・・なんてわかったような口を聞いてみる(´,_>`)




ちなみに同じくコルゲートを持つ東急8500と
並べるとご覧の通り。車体そのものの雰囲気
の違いもさることながら、使った銀色だけで
だいぶ印象が違うのがお分かりかと思います。
コルゲートは独特の反射がある分、そんなに
ギラギラした銀色を使わなくても雰囲気を
損ねないようですが、しかしこうして見比べると
普通の銀がアルミカーに見えなくもないのに
対し、スーパーステンレスは・・・
どう見てもステンレスです。




ついでに顔の比較も。九段下的な並び(・∀・)
地味にヘッドライトは両者とも同じパーツを
使ってあります。銀河N-017、驚きの汎用性です。

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2008年8月24日



最近、完成間近になると製作記の更新を
ほったらかして作業に没頭してしまう事が
多く、製作記の最後が非常にお粗末なもの
になりがちで申し訳ないのですが、不覚にも
また同じ展開となってしまいました(´Д`;)
まぁ、・・・今回もそんな感じで一応の完成を
見たという事ですね。

前回の更新後に行った作業としては、屋根
周り・床下の仕上げが主なもので、屋根と
床下は全体を明るいグレーに塗り、ベンチ
レーターは逆にグッと暗くしたグレーを塗って
あります。このベンチレーターはGMの東急
7000の付録品である八角形のものですが、
この作業直前になって入手した資料写真を
見る限り「八角形」というよりは「長円」と言え
そうな角のない、丸みを帯びたものでした。
今回は試しに加工してみたところ、思いの
ほか均一に仕上げるのが難しくて断念した
のですが、ちゃんとした形にすればより
独特な空気の漂う車両になる事と思います。




最後に先頭車の完成した図を一枚。
この写真で履いている台車はFS356と539を
合成したもの(以前ここでご紹介したもの)
ですが、この台車は完成直前になって急遽
不採用が決まり、完成時の台車は全車キット
指定のFS539(つまり、晩年用)となりました。
理由としてはいざ両数分を揃えるべく改造を
始めたら、思いのほか仕上がりが揃わず、
7両分が出揃ったとしても仕上がりがバラ
バラすぎて却って見た目を損ねる・・・という
ものですが、形としては当初予定していた
改造台車のほうが似合っているのは言う
までもないところで、残念でしたね・・・。

まぁ、そんなこんなで10ヶ月に及ぶ長旅の末、
ようやく全車完成となりました。なかなか進ま
ない製作記にお付き合いいただきまして、
ありがとうございました。

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60年代の地下鉄2種。
コルゲート付きステンレス車体、貫通式前面、ライトや小窓類の配置も
ほぼ同じながら、それぞれに個性溢れる外観なのが面白いところです。

今回は当初よりバリバリに作りこむ事はあまり考えていなかったとはいえ、
妥協に次ぐ妥協で予想以上に中途半端なものとなってしまった感は否めず、
仕上がりについては相当不満が残ります。
ただ、一方で当初はきちんと完成させられるかすら怪しかった(失敗して
車体をダメにするというよりは、途中でやる気を失って放棄してしまうのでは、
という意味で)のも確かであり、とりあえず形になっただけでもまぁ良かったのかなという思いもあります。
まぁ、色々な経験をしましたので、今後に生かせればと考えているところです。

・・・どうも感動に欠ける最後ですね(^^;)

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