それではコメントをつけて下さった そこのハンカチ王女さまに入れ知恵をしますと、じつは結婚披露宴でオプションで謡がつく会場というのは、あるんです。ぬえも何度も出演しております。
まあ、ホテルのような会場ではなく純日本風の会場だから、そういう企画も生まれたのでしょうね。ここの場合、披露宴をされるカップルから謡の希望が出た場合、ぬえの友人の能楽師に連絡が行って、スケジュールの都合がつく場合は出演する、というようなシステムのようです。やはり披露宴も休日になさる場合が多いから、能楽師の公演のスケジュールとバッティングする事も多いので、必ずしも希望通りに出演できるとは限りません。そんで、その友人が催しなどで出演できない場合は ぬえに連絡が来て、ぬえのスケジュールが空いていれば代役で出演するわけです。
こういうワケで ぬえは友人のピンチヒッターなのですが、能の催しがなくて経済的に苦しい時などはありがたいアルバイトになっています。。ぬえは友人のお祝いなどで儲けるような事は潔しとしないけれど、ここではビジネスとしてシステムが構築されているのだから、ありがたく謝礼を頂戴していますね。こういう会場もあるのです。
そういえば結婚式での謡の作法について、いろいろ興味深い話があります。
ぬえが聞いた話では、結婚式での『高砂』は、本来は仲人さんが謡うのだそうです。それも、昔は難しいしきたりがあったそうです。地方にもよるのでしょうが、ぬえが聞いたのはこんな作法。
花嫁さんが馬の背に揺られて(!。。いつの時代?)新郎の家に嫁いで来る。まさに「嫁入り」の時代ですね。新郎は座敷に正座していて、また仲人さんは新郎の家の門前に筵を敷いて花嫁の到着を待っている。さて遙かに花嫁を乗せた馬が引かれて来る行列が見えたならば、仲人さんはおもむろに『高砂』を謡い出し、花嫁が門前に降り立つところまでに謡い配る。。
。。『高砂』のどこを謡ったのでしょうね? 「四海波」ではないだろうけれど、一般的な「待謡」だとしても、どんなにゆっくり謡っても、花嫁行列を遠望して、それが到着するまで謡い続けるのは無理。まさか番謡ではないだろうから、普通に考えれば一箇所か、またはいくつかの小謡の箇所を繰り返し謡ったのでしょう。
ちなみに先ほど書いた ぬえがときおり出演させて頂く会場では、この方式にできるだけ近い形で「待謡」を謡います。つまり新郎新婦の入場から、高砂の席に着くまでに、ぬえと助吟二名で謡い配るのですが、ゆっくり謡っても、それでも「待謡」だけでは足りません。そこでやはり「四海波」を足したり。。ぬえは工夫でいつも最後に『皇帝』を独吟します。
そしてその後に『羽衣』の仕舞を舞う、というのがこの会場の定番のようで、結婚式での仕舞は良いですね。ぬえも謡うだけより舞う方が好きで、結婚式にお呼ばれするとよほど会場が狭くなければ必ず仕舞を舞っています。
あ、だんだん結婚式の謡ネタが面白くなってきた。次回は文句の「翳シ」について。
まあ、ホテルのような会場ではなく純日本風の会場だから、そういう企画も生まれたのでしょうね。ここの場合、披露宴をされるカップルから謡の希望が出た場合、ぬえの友人の能楽師に連絡が行って、スケジュールの都合がつく場合は出演する、というようなシステムのようです。やはり披露宴も休日になさる場合が多いから、能楽師の公演のスケジュールとバッティングする事も多いので、必ずしも希望通りに出演できるとは限りません。そんで、その友人が催しなどで出演できない場合は ぬえに連絡が来て、ぬえのスケジュールが空いていれば代役で出演するわけです。
こういうワケで ぬえは友人のピンチヒッターなのですが、能の催しがなくて経済的に苦しい時などはありがたいアルバイトになっています。。ぬえは友人のお祝いなどで儲けるような事は潔しとしないけれど、ここではビジネスとしてシステムが構築されているのだから、ありがたく謝礼を頂戴していますね。こういう会場もあるのです。
そういえば結婚式での謡の作法について、いろいろ興味深い話があります。
ぬえが聞いた話では、結婚式での『高砂』は、本来は仲人さんが謡うのだそうです。それも、昔は難しいしきたりがあったそうです。地方にもよるのでしょうが、ぬえが聞いたのはこんな作法。
花嫁さんが馬の背に揺られて(!。。いつの時代?)新郎の家に嫁いで来る。まさに「嫁入り」の時代ですね。新郎は座敷に正座していて、また仲人さんは新郎の家の門前に筵を敷いて花嫁の到着を待っている。さて遙かに花嫁を乗せた馬が引かれて来る行列が見えたならば、仲人さんはおもむろに『高砂』を謡い出し、花嫁が門前に降り立つところまでに謡い配る。。
。。『高砂』のどこを謡ったのでしょうね? 「四海波」ではないだろうけれど、一般的な「待謡」だとしても、どんなにゆっくり謡っても、花嫁行列を遠望して、それが到着するまで謡い続けるのは無理。まさか番謡ではないだろうから、普通に考えれば一箇所か、またはいくつかの小謡の箇所を繰り返し謡ったのでしょう。
ちなみに先ほど書いた ぬえがときおり出演させて頂く会場では、この方式にできるだけ近い形で「待謡」を謡います。つまり新郎新婦の入場から、高砂の席に着くまでに、ぬえと助吟二名で謡い配るのですが、ゆっくり謡っても、それでも「待謡」だけでは足りません。そこでやはり「四海波」を足したり。。ぬえは工夫でいつも最後に『皇帝』を独吟します。
そしてその後に『羽衣』の仕舞を舞う、というのがこの会場の定番のようで、結婚式での仕舞は良いですね。ぬえも謡うだけより舞う方が好きで、結婚式にお呼ばれするとよほど会場が狭くなければ必ず仕舞を舞っています。
あ、だんだん結婚式の謡ネタが面白くなってきた。次回は文句の「翳シ」について。