ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

『敦盛』~若き世阿弥の姿(その4)

2010-02-27 23:30:09 | 能楽
ワキが脇座に着くと再び「次第」が演奏されます。以前にも書きました通り、能では「付く」と言って「重複」ということを極端に嫌うのですが、『敦盛』の場合はおそらく前述のようにワキの性格づけのために「次第」が演奏され、またこの前シテの登場も「次第」が演奏されます。そこで「付く」のを避けるためにこの「次第」、ちょっとだけワキの登場の「次第」とは異なる点があるのです。

それは打出シ…すなわち演奏の開始の冒頭だけ、ちょっとした違いがありまして、この前シテの「次第」は小鼓から打ち始めるのです。詳しく言うと、通常「次第」や「一声」といった登場音楽は、冒頭に笛が「ヒーー、ヤーーアーー、ヒーーー!」と鋭い「ヒシギ」という譜を吹いて始まり(←よく響く音なので、楽屋へ登場音楽の開始を告げる「知ラセ」の意味も持っています)ますが、その後「次第」は大鼓から先に打ち出して、ついで小鼓が演奏を始めるのです。また「一声」ではその逆で、まず小鼓から演奏を始めます。

おそらくこの「次第」「一声」の打出シの違いも、同じ「ヒシギ」で始まる登場音楽であるからこそ「付く」のを避ける意味もあるのではないかっと思いますが、そうであるならば『敦盛』の前シテは「次第」でなく「一声」で登場してもよいのではないか? という疑問も生じますね。

「次第」は前述の通り割と端正で儀式的な印象が強い登場音楽で、対して「一声」はもう少し華やかな印象の音楽であろうと思います。『敦盛』の前シテは若い男であり、また身分も卑しい草刈男ですから、溌剌とした「一声」でもよいように思いますが、ところが前シテが謡い出したその内容は卑しい身の境遇を嘆き、孤独をかこつもので、おそらくこの内容から浮きやかな「一声」ではなく「次第」が選ばれたのかな、と ぬえは考えています。

シテ・ツレ「草刈笛の声添へて。草刈笛の声添へて。吹くこそ野風なりけれ。

「次第」の約束事で、登場した役者は七・五文字の初句と それと同文の二句目、さらに同じく七・五文字の三句目を謡い、地謡が「地取リ」を低吟します。先ほどのワキの登場とまったく同じ段取りですね。

ところが『敦盛』の前シテの登場は、ワキの登場とはまた ちょっと違う点もあります。

まずは前シテがツレを伴っていること。通常は前シテのほかに三人のツレ~すべて草刈男が登場し、そのために前シテとツレは舞台の中に歩み入って向き合って謡い出します。

ちなみに装束を見ると、ワキとシテ、それにツレはすべて同じ姿…着流しに水衣ですね。それでも印象はそれぞれにずいぶん違って見えます。

前シテの装束付けは、面は用いず素顔のままで(直面=ひためん、と言います)、襟=浅黄、段熨斗目、水衣、縫紋腰帯、男扇、挟草。
ツレはほぼシテと同じ姿ですが、着付には無地熨斗目を着、またシテやワキが絓水衣を着るのに対してツレは縷水衣という少し裏が透けて見える水衣を着ます。

これは決まり事ではないのですが、『敦盛』の前シテでは好んで萌黄色の系統の水衣が使われますね。またワキも僧であれば多くの場合は茶色の水衣を着ることになります。そのほかにもワキ僧が角帽子をかぶるのに対して市井の者である前シテやツレは素髪のまま。また持ち物もワキが墨絵扇と数珠なのに対して前シテとツレは男扇と挟草。こうしたちょっとした違いを積み重ねて、「付く」印象がだいぶやわらぐ工夫が凝らされています。

『敦盛』~若き世阿弥の姿(その3)

2010-02-26 01:36:23 | 能楽
「次第」で登場したワキ・直実は舞台に登場するやいなや「夢の世なれば驚きて」と、敦盛を討った事で世の無常を観じたその事を言う…そのときの事件がトラウマとなっているのですね。そうして源平の争乱が収まった後に、彼をして一ノ谷の戦場跡に再び足を向けさせ、敦盛の菩提を弔わせずにはおかなかったのでしょう。この曲であえて前シテの登場と重複することを承知の上でワキも次第で登場するのには、そうした直実の苦しい心情を描く意図があったのだと思います。

とはいえ、シテ方の流儀により「次第」でなく「名宣リ笛」の事もあるわけで、そのどちらが古態をとどめているのかはわかりません。「名宣リ」で登場しても、さて一ノ谷に到着してから感慨を述べる場面で十分に直実の心情は描けるだろうし、どうしても重厚…とまでは言わないにしても、やや仰々しい感じになってしまう「次第」は、若い公達を描く『敦盛』には少し重いような感じも ぬえは受けますが… いずれにせよ、「次第」「名宣リ笛」のどちらの選択も許すような、どこか曖昧で不安定な性格を直実という役は持っていますね。…トラウマ。現代で言えばそういうことになるのかもしれません。

ワキ「九重の。雲井を出でて行く月の。雲井を出でて行く月の。南に廻る小車の淀山崎を打ち過ぎて。昆陽の池水生田川、波こゝもとや須磨の浦 一の谷にも着きにけり 一の谷にも着きにけり。

「道行」と呼ばれる紀行文を謡うワキは、斜に少し出てまた立ち戻り、これにて舞台が都から一ノ谷に移動したことを表します。直実が都から出発したのは鎌倉から都に上り法然のもとで出家したから。山陽道を通って須磨に到着するわけですが、京都市内の「淀」「山崎」からいきなり伊丹の「昆陽」に飛ぶのはびっくりです。

ワキ「我この一ノ谷に来て見れば。その時の有様の今のやうに思はれて。輪廻の妄執に還るぞや。南無阿弥陀仏。や。あら面白やあの上野に当つて。笛の音の聞え候。しばらくこの辺りに休らひ。笛の主をも見ばやと思ひ候。

このところ、観世流の本文では次のような文句で、至極常套な印象の「着きゼリフ」です。

ワキ「急ぎ候ほどに。津の国一ノ谷に着きて候。まことに昔の有様今のやうに思ひ出でられて候。またあれなる上野に当つて笛の音の聞え候。これに相待ち。このあたりのことども詳しく尋ねばやと思ひ候。

これに比べて上掲の下懸リ宝生流のおワキでは少しく節の謡も取り入れられて、とても情緒的で美しいですね。下懸リ宝生流は、ワキ方の流儀としては最も新しく成立したお流儀のようですが、シテ方のどの流儀の文句とも違う独自本文を持つことが大きな特徴です。そのためか、節も文章も非常に洗練された印象を ぬえは感じますね~。ときには意外なことを言い出されて申合でびっくりすることもありますが、『清経』や『柏崎』などでは まさにこのお流儀ならではの美しい旋律を聴くことができます。『敦盛』ではそれよりは やや控え目な表現ながら、直実の心情を表現して 余りある風情のある詞章です。

そうして、下懸リ宝生流の本文では この場面にすでに「南無阿弥陀仏」の文言が出てきますね! 法然の弟子として出家した直実ですから、その浄土思想が自然に身について、この言葉が口をついて出てくるのですね。去年 法華宗の能『現在七面』を勤めた ぬえにとっては、またそれとは違った雰囲気を感じられて面白いですし、このお流儀のおワキの詞章が とってもよく練られているな~、と感心もさせられます。

笛の音の主を待つために、これにてワキは脇座に着座して待ち受けます。

『敦盛』~若き世阿弥の姿(その2)

2010-02-25 00:42:08 | 能楽
…と言っておきながら、じつは能『敦盛』のワキの登場の場面はシテ方の流儀によって違うんですよね~。

いわく、上懸リの観世・宝生流では上記の通りワキは「次第」の囃子に乗って登場するのですが、下懸リの金春・金剛・喜多流では ワキは「次第」ではなく「名宣リ笛」で登場するのです。「名宣リ笛」は笛が一管で(ソロで)演奏する中で登場する登場の形式で、非常にしんみりとした、何というか寂寞感があふれる情緒的な登場の仕方です。

なぜワキの登場にこれほどの違いがあるかというと、それはおそらくワキの人物像の捉え方がシテ方の流儀によって歴史的に微妙に異なってきたのかもしれません。儀式的でカッチリとした「次第」で登場する場合と、情緒的な「名宣リ笛」で登場する場合と。この曲のワキは、その振幅を許す ちょっと常の能のワキとは異なった性格を持っています。

ワキ「これは熊谷の次郎直実出家し。蓮生法師にて候。さても一ノ谷の合戦に。平家の公達敦盛を手に懸け申し。余りに痛はしく存じ。元結切りかやうの姿とまかりなりて候。この度思ひ立ち一ノ谷に下り。敦盛の御跡を弔ひ申さばやと思ひ候。 ※以下、ワキの詞章は下懸リ宝生流によります。

一ノ谷の合戦で公達・平敦盛を組み敷いた熊谷次郎直実は、我が子・小次郎直家が合戦で手傷を負ったのを見ても親として心苦しく思ったのに、同じ年頃の少年を手に掛ける事に躊躇してしまいます。ところが味方の源氏勢が背後に集まるのを見て泣く泣く敦盛の首を討ち、その後この事件が契機となって直実は出家することになりました…高校の古典の教科書にも登場する(←今はどうか知りませんが)、あまりにも人口に膾炙した『平家物語』の「敦盛最期」の段。能の『敦盛』のワキは、そんな出家した姿の熊谷直実であるのです。

名前もない諸国一見の僧とは違い、素性も旅の目的も持ったワキであり、しかもそれが自分が殺した相手を供養するために舞台に現れるのは、能の中でも相当に特殊な登場人物と言わなければなりません。おそらくこの設定は『敦盛』に独自のものでしょう。『藤戸』が似た例ではありますが、自分が殺した漁師を供養するために登場するわけではありませんし…

このようにシテとの関係が非常に深いワキであればこそ、彼がこの能の舞台…一ノ谷に登場する「意志」を表現するために、上懸リでは「次第」が登場音楽に選ばれたのかもしれませんですね。

がしかし、『敦盛』でワキが「次第」で登場することには少々困った問題もあります。それは、この直後に登場する前シテとツレが、やはり「次第」で登場するのです。「次第」が重複してしまうことになり、重複を避ける傾向が顕著な能の中では異例な演出と言えるでしょう。この重複を避けるために、下懸リではワキの登場を「名宣リ笛」にしているのかもしれません。

ともあれ、登場したワキの装束はとくに熊谷直実を意識したものではありませんで、こちらはごく一般的な「着流し僧」の姿です。

【装束付】
ワキ 角帽子、襟=浅黄、無地熨斗目、水衣、緞子腰帯、墨絵扇、数珠

『敦盛』~若き世阿弥の姿(その1)

2010-02-23 22:32:36 | 能楽
すっかりご無沙汰してしまいました~。なにかとバタバタとしておりまして…申し訳ありません…

ようやく ぬえが3月に勤めさせて頂きます能『敦盛』について書いてみることにしました。あ~、この時期に書き始めて公演までに間に合うのかしらん…と一抹の不安を抱えつつ…

それでは例によってまずは『敦盛』の舞台経過からご紹介させて頂きます!

囃子方と地謡が舞台に登場、所定の位置に着座すると、大小鼓はすぐに床几に掛けて「次第」という登場音楽を演奏します。通常は一段…という二部構成で演奏される事が多いですが、略して段ナシという一部構成の場合もあります。いずれにしても大小鼓の特定の手を聞いてワキは幕を揚げさせ、橋掛リに姿を見せます。

やがて舞台に入ったワキは、舞台常座で斜め後ろ、ちょうど鏡板の方を向いて謡い出します。これは「次第」で登場した役者が一人だけの場合の定型で、ワキ方に限らず、シテ方が登場する場合も役者が一人だけで登場する場合は後ろに向いて謡うのです。これに対して役者が複数登場する場合は舞台に立ち並んで向かい合って謡うことになります。

ワキ「夢の世なれば驚きて。夢の世なれば驚きて。捨つるや現なるらん。

これに引き続いて地謡が同じ文句を…厳密に言えば初句と三句目を低吟します。これを「地取リ」と呼んでいます。これまた「次第」に特有の約束事です。後ろを向く役者…地謡が意味ありげにその文句を復唱すること…その意味については かねていろいろな推測がなされてきましたが、決定的なものはないようですね。ぬえは、あえて意味を見つけだす必要はないように思いますけれども。

…と言いますのも、同じ登場音楽の中でも「次第」は ほかの、たとえば「一声」「出端」などと比べて、何というか、格式を持った、と言いますか、比較的カッチリとした登場の形なのです。ぬえは この所作や地謡の「地取リ」は、そういう「儀式性」を舞台に持ち込むための一種の装置なのではないかと考えています。

そりゃ、歴史的に見て、なんらかの宗教儀式のようなものの踏襲である可能性はありますけれども、それはたとえば「序之舞」や「神楽」にある「序」の部分でシテが足遣いをすることに陰陽道の「反閇」の影響が指摘される場合、果たしてそれが『井筒』という曲にあって 陰陽道上の意味づけがあって、その目的の成就のために導入されたのか、というと ちょっと疑問もある、そういうものなのだと思います。「楽」という舞が舞楽を模した、とされていて、たしかにそのような能の中で舞われる舞であっても、事実上能の「楽」の旋律は舞楽から影響を受けたものではなく、能の中で独自に作曲されているのも、能の四拍子で舞楽の演奏を模すのは実際には現実的ではないため、「舞楽を演じている」という場面のリアリズムよりも、むしろそれを演じている浮きやかなシテの心情に焦点を当てて、それを音楽化したもの、と見る方が近いのではないでしょうか。

「次第」に見られる特徴的な約束事は、それを行うこと自体に意味があって、カッチリとした「儀式性」を舞台に現出させること、それによってこの「次第」で登場した役者が具体的なセリフを述べる前に、その性格を印象づけることに、まずもって目的のようなものがあるのではないか、と ぬえは考えています。

梅若研能会3月公演

2010-02-15 01:56:10 | 能楽
来る3月、師家の月例会「梅若研能会3月公演」にて ぬえは能『敦盛』を勤めさせて頂きます。じつはこの曲は ぬえが能楽の世界に足を踏み入れるきっかけになった曲…紅顔の美少年公達の役を勤めるには少々気が引けますが(笑)、ぬえの原点を確かめるつもりで勤めてみたいと考えております。

梅若研能会 3月公演

【日時】 2010年3月20日(土・午後1時開演)
【会場】 観世能楽堂 <東京・渋谷>

 能  敦 盛(あつもり)
     前シテ(草刈男)
     後シテ(平敦盛)  ぬえ

     ツレ(草刈男)長谷川晴彦・梅若久紀・古室知也
     ワ キ(蓮生法師)舘田善博/間狂言(里人)大蔵基誠
     笛 藤田次郎/小鼓 古賀裕己/大鼓 亀井広忠
     後見 梅若万佐晴ほか/地謡 梅若万三郎ほか

   ~~~休憩 15分~~~

狂言 口真似(くちまね)
     シテ(太郎冠者)大蔵吉次郎
     アド(主)    榎本 元
     アド(お客)   宮本 昇

能  羽 衣・和合之舞(はごろも・わごうのまい)
     シテ(天人)   遠田 修
     ワキ(漁夫白竜)村瀬 慧
     笛 藤田貴寛/小鼓 坂田正博/大鼓 大倉慶乃助/太鼓 徳田宗久
     後見 梅若雅一ほか/地謡 梅若万佐晴ほか

   ~~~休憩 15分~~~

能  春日龍神(かすがりゅうじん)
     前シテ(尉)
     後シテ(龍神) 伊藤嘉章
     ワキ(明恵上人)安田登/間狂言(社人)大蔵教義
     笛 成田寛人/小鼓 住駒允彦/大鼓 大倉栄太郎/太鼓 梶谷英樹
     後見 梅若紀長ほか/地謡 青木一郎ほか

                     (終演予定午後5時25分頃)

【入場料】 指定席6,500円 自由席5,000円 学生2,500円 学生団体1,800円
【お申込】 ぬえ宛メールにて QYJ13065@nifty.com

例によってブログで作品研究。。というか、上演曲目の考察を行いたいと考えております(なんか久しぶり~)。併せてよろしくお願い申し上げます~~m(__)m

書道用品専門店

2010-02-12 10:56:30 | 能楽
昨日は 豆ぬえが1月に引き続いて二度目の子方を勤める『船弁慶』の申合がありました。まあ、豆ぬえは大過なく勤めることができましたが、少々直したい箇所も見つかり、まあ、催しはまだ1週間近く先のことなので、これからの稽古で修正は利くでしょう。

さて申合が昼過ぎに終わったので、新宿区にある書道用品の専門店に行って来ました。。とは言っても ぬえが書を嗜むわけではありませんで、じつは「経巻」を買いに行ったのです。

1月に 豆ぬえが子方を勤めさせて頂いた『海士』。この曲では子方が後シテから経巻を手渡されるのですが、今回つけられていた小書「懐中之舞」の場合は、子方は受け取った経巻を開いて読む型をする場合があるのです。この度はおシテの注文によって 豆ぬえはその型で勤めることになりました。さてそうなると稽古で経巻を使わなければなりません。なんせ 豆ぬえは未就学児童ですし、なんと言っても現代っ子ですから巻子本…つまり巻物なんて触ったこともありません。やはり稽古で巻子本にも慣れていてもらわないと舞台での失敗につながります…

もちろん師家にある経巻を稽古用に拝借するわけにはいかず、そのため稽古用には巻子「らしき物」を用意するのですが、ところが ぬえ、小道具の経巻も、稽古用に使う代用品も持っていません。そこで師家にある稽古用の経巻「らしき物」を拝借して 豆ぬえの稽古をすることにしました。

そうしたら…豆ぬえは稽古でしっかり…経巻を破ってしまいました! (O_o) まあ…稽古用の代用品もそろそろくたびれてきていて、紙が弱くなっていたことも事実なんですが、豆ぬえの扱い方が悪いのもまた事実でして…

事情を同門に話すと、なんとこの代用品の経巻は書道用具専門店で買ってきた「掛軸」なんだそう。お店の所在も教えてもらって、そうして昨日、申合が終わってからその書道用品店にてこの代用品の経巻を求めてきたわけです。ようするに弁償
です~ (T.T)

ところが初めて足を踏み入れた書道用品専門店で見た商品は興味深いものでしたですね~。所狭しと並べられた墨・硯・筆… 大きい物から小さい物まで、まあ、ありとあらゆる物が揃っています。四角い硯もあれば丸いものもあり…お値段も、もう、目が飛び出るようなものもあって、品のよしあしがわからない ぬえはその値段を見て、もう「何でやねん!」とベタなツッコミを入れるしか術がありませんでした~

面白かったのは、「墨磨り機」という機械が、今はあるんですね~。これは電動で墨を磨る機械で、モーターで回転する円形の硯? の上にアームで固定した墨を押しつけて自動で墨を磨る、というもの。をっ、ネーミングも凝っているぞっ。「墨磨職人」「自動墨磨機らくらく」…このへんまではご愛敬として、「墨磨機 るんるん」…なるほど。そして極め付きは「縦横無尽 たおやか」…ここまで来ると、もう何がなにやらわからない世界です。

こんなのも。「高野切」「和漢朗詠集」「恋路」「絶妙太閤」「神技」これらは筆の商品名です。筆の毛の原料も山羊・鼬・山馬というものから、果てはミンクなんてものまであるのですね。さらに…「墨美人」こちらは墨汁。「蛙」「天衣無縫」「森羅万象」これは固形の墨です。(*^。^*)

最も驚いたのは墨の高価なことで、7~8万円という墨もありました…がしかし。ふと見つけたひとつの墨は、金字で「比叡山 延暦寺」と書いてあります。なんとこれは比叡山の根本中堂に伝教大師・最澄の時代から灯り続ける「不滅の法灯」の火(当然でしょうが、その分灯ではありましょうが)によって採られた煤から作られた墨なのですって! こんなものまであるのねえ…ちなみにこちらは2万数千円というお値段でした。をっ、これなら手頃なお値段かも! …なんて考えた ぬえは俗人でありまするねえ…(・_・、)

ぬえがお訪ねした書道用品専門店→ キョー和

と思ったらゴミ箱に異常が…

2010-02-09 12:15:55 | 雑談
ようやくファイルの修復を成功させた ぬえではありましたが、ん…? なんかPCに異常が…

ゴミ箱になにか入っているアイコンがあるので削除したのですが…アイコンは相変わらず「ゴミがありますよん」(^^)V を示しています。んん…??

もう一度削除を試みると…「”Windows”を削除しますか?」と言われてしまいました。なにっ??
これは…システムに深刻なエラーが起こっているのかも知れない…先日導入した ぬえの救い神のファイル修復ソフトがなにかシステムとコンフリクトでも起こしているんかいな…これ、削除しちゃったらもうPCが起動しなくなっちゃうとか?…去年PC壊れて新しいのを買ったばかりなのに~(×_×;) もともとパソコンについてはバカな ぬえですんで、とお~~っても焦りました。

ゴミ箱を恐る恐る開いてみると…ありゃファイルなんてありません。ゴミ箱はカラ…ああ、もう、どうなっちゃってるの~~?

しばらく考えて…データは外付けHDDに入れてあるのでPCが壊れてもデータまでは壊れないだろう…と考えて、ええい、ままよっ! と、”Windows”を削除してみました…結果は…やっぱり「ゴミがありますよ~~ん」(*^。^*)V

削除できないじゃん。というかファイルはないじゃん。ないファイルのくせにエラそうに勝手に ”Windows”なんて名乗るんじゃな~い。(~_~メ)

で、どうしようもなくなって検索かけてみました。あれ? あるわあるわ、み~んなこの問題に悩んでいるのですね~。

そうして質問に対する回答が、これまたPCバカ のぬえには何がなんやら… (×_×;) どうしてまた、PCに詳しい人ってのは こんなにスゴイのかしらん。ぬえ、尊敬してしまいます。「セーフモードで再起動」「レジストリをいじるしかない」「やるなら自己責任で」…ああ~っ、ぬえにその決断をしろと?

…こうして1時間あまりも検索を続けていたところ、あれ? これは…
「壊れたファイルがあって、それが削除できないのかも」

あ!これだ。身に覚えがある事例です。「マイコンピュータのプロパティを開いて」「壊れたファイルをゴミ箱に捨てたなら、その元のファイルがあるボリュームのプロパティを開く」「ツールタブからエラーチェックを選んで…自動的に修復・回復の両方にチェックを入れて実行」「チェックには場合によっては数時間かかるかも」

やってみました。外付けHDDのチェック。

をを~っ、HDDにはデータしか入っていないからか1時間もかからずにチェックは完了して、そうしてゴミ箱もカラになりました~。

あなありがたや。文系の ぬえは こういう専門知識を持った方に支えられて生きてをります~。m(__)m

ああ、どうやってご恩返しをしたらいいだろう…ん~と、ん~と。
しかたがないから歌でも詠むか。


埋もれ木の 人知れぬ身なれどぬえどりの のどよふ声に誰か答えむ
あらたまの 年はふれども曇り夜の 迷ふ心に照らす光よ


あ~やっぱり ぬえって文系… (O.;)

苦労して作った稽古用プリントが~!!!!

2010-02-07 02:05:13 | 能楽

去年の終わりぐらいから お弟子さんの稽古の参考にと思ってプリント類を大幅に改訂して作っていることは すでに話題にしたと思います。。が。先日、考えられない事故が起こって…データを失ってしまいました…

その日は、たまたまオフだったもので、自宅で貯まりに貯まったDVDの分類とファイリングを行っておりました。もう何年も前から、いつかやろう! いつかやろう! と思いながら実現できなかった大仕事。DVDのリストは以前から少しずつエクセルで作っていましたが、パソコンとDVDプレイヤーとは別の部屋にあるので、これもまたファイリングが遅々として進まなかった原因でもあります。やっぱり未整理のDVDの中身を確認しながら、リストに載せながらファイナライズを済ませて完成させたりしなければなりませんので。

がしかし、最近の ぬえは外付けHDDなどという物を購入致しまして、データ類はすべてPCではなくこちらのHDDに貯蔵しております。去年PCがクラッシュしてデータに大損害をこうむった教訓で、PCが壊れてもデータは消失を免れる。そのうえHDDを持ち歩けば外出先のホテルででも書きかけデータの続きを作れる。あ~なんて ぬえってカシコイの?

で、この日も古いノートPCを持ち出してきて、これにHDDを接続。こうすればDVDプレイヤーと一緒に操作することができる~♪ らんらん。そこでDVDを編集しながら、お稽古用の仕舞の形付けプリントを作っていました。時間が有効に使えて、こりゃ便利です~。数時間後、無事にDVDのリストも完成し、仕舞のプリントも数ページ作ることができましたっ! …こうして満足な一日の仕事を終えまして、その翌日です。思わぬ事態に陥ったのは。。

翌日、デスクトップPCに繋ぎ直したHDDを開いて、昨日「一太郎」で作った仕舞のプリントを見てみると…「原因不明のエラーにより このファイルは開けません」 なに!!!!!!!!!!!!!!

ええ~~… なんだよ~ どうしてだよ~

もう、何をやってもダメです。バックアップ・ファイルも同じエラー。「一太郎」のファイル読み込み設定をあれこれいじったり、オンライン・ヘルプを参照したり、果てはワードのファイル修復機能を試したり、このファイルを昨日更新したノートPCで開いてみたり。このプリント、ぬえの力作でして、導線図もコツコツ作図したものです。新しいページを追加したばっかりに、それまでのページもすべて失ってしまうとは…(T.T)

どうしようもなくて、ついにフリーウェアの「ファイル修復ソフト」なるものを導入しました。これだけは手を出したくなかったのですが…不安。壊れた元ファイルを得体の知れない修復ソフトでいじって、取り返しのつかない事になることを恐れて、それでファイルをコピーして、まずそのコピーを修復してみることにしました。ところが…「このファイルは壊れているためコピーできません」というエラー表示が…(×_×;)

1日考えて、もう…プリントは最初から作り直す覚悟もできました。そう考えて、もう、ダメもとで「修復ソフト」を元ファイルにかけてやりました。

そしたら…見事にファイルが復活!! (O.O;) マジですかっ!?

新しいページを追加する前の段階に戻ってしまったのはご愛敬として、しっかり過去に掛けた労力は取り戻すことができました! これは驚いた…

ぬえの救い神さま~ (#^.^#) ぬえが使った修復ソフトは「Recuva」と言います。
またしても作者に敬意をこめてご紹介させて頂きますね~~(^^)V

Recuva

イノシシと鹿、頂きました~、と…苦労して作った稽古用プリントが~!!!!

2010-02-06 00:16:49 | 雑談
世の中にはいろんな方がおられるもので…

先日 地方に稽古に行きましたところ、ずっとお休みになっていて久しぶりにお稽古に見えた生徒さんがおられましたが、帰り際に ぬえにプレゼントをくださいました。それが…

イノシシ肉 と 鹿の肉! …とさらに どっさりの果物~

果物は畑で採れたものなのだそうですが、イノシシと鹿は…お宅の山(!)にワナを仕掛けて捕らえたものだそうで… すごい…「イノシシは牡丹鍋で、鹿はお刺身でもいけますが~」と、この方はおっしゃっておられました。

イノシシ肉を使った牡丹鍋は、例の、元旦の深夜に兵庫県・丹波篠山で行われる師家の恒例行事「翁神事」の際に毎年 現地で戴くので、ぬえには特に違和感はありませんが、まさか個人でイノシシを捕る人がいるなんて。冷凍された塊の肉を頂いて、ん~、しかし自宅で牡丹鍋を作るのは大変そう~~

そういえば丹波篠山には「猪肉専門店」というものもあって、ときには東京へのお土産用に猪肉…これはスライス肉ですね…を買って帰ることもあるのですが…。が、しかし、なぜか猪肉ってとっても高価! そうそうは何百gも買えるわけではありませぬ。やっぱり狩猟によって1頭ずつ仕留める手間が掛かっているんでしょうか。ついでながら「猪肉専門店」には鹿肉や熊肉も売ってま~す。

ちなみに丹波篠山地方で牡丹鍋は名物ではありますが、べつに観光用に開発されたものでもなんでもなく、一般の家庭でも普通に牡丹鍋…つまり猪肉を食べるのだそうですね。今年の正月に丹波篠山に伺った際には当地の「能楽資料館」館長の中西薫さんとご一緒に牡丹鍋屋さんに行ったのですが、帰省中の中西氏の大学生のご長男がご一緒で、いろいろな話を聞かせて頂きました。で、彼は北陸地方の大学に通っているのですが、丹波地方を離れて暮らしてみて、はじめて他府県では猪は普通は食べないことを知って驚いたのだそうです。そんなものですかね~、「え? みんな、イノシシ、食べないの?」と言われた彼の友人の方がとっても とっても驚いたと ぬえは思ふ。

さて丹波篠山で見る牡丹鍋のレシピですが、まず材料は猪肉。脂身が多く、やや厚めにスライスした(ハム 2~3枚分ぐらいの厚さでしょうか。自宅でスライスするならば半解凍状態で切るのですが、この薄さでは無理かも。これよりやや厚めで仕方ないでしょう)を花のように盛りつけたさまがボタンの花のように見えるところから「牡丹鍋」と呼ぶのだそうです。あとは普通の鍋と同じような野菜(白菜、ネギなど)や、豆腐、キノコ類、蒟蒻と、それから丹波名産の「山の芋」という巨大で粘りのある芋をスライスして使います。

鍋に水を張り(出汁かも)、大きな昆布を入れて煮たてます。煮たってきたところで、ここが大切! の味噌を入れます。4人用の鍋で、入れる味噌はどんぶり1杯! これでもかっというくらい味噌を入れるのですね~。

そして最初に野菜を入れて…かと思いきや! 牡丹鍋では最初に猪肉を入れるのですよ! じつは猪肉は、煮込んでも固くならないのです(!)。それで、肉の味も溶け出すように、最初に肉を入れるのですよね~。山の芋は煮えにくいので肉と前後して入れます。これで鍋に蓋をしてしばらく待ちます。煮えてきたら、ほかの野菜などを入れて、もう一度蓋をして、野菜が煮えてきたら出来上がり! これを すき焼きと同じように溶き卵につけていただきま~す (*^。^*) あ、そうそう、山椒をたっぷりふりかけるのも忘れずに~

で、問題は味噌なんです。丹波篠山の牡丹鍋屋さんで見る味噌はドロッとして真っ黒な味噌で、これはいろんな工夫で作られたものでしょうね~。「猪肉専門店」では同じような味噌をくれるのですが、これは小さなパック入りのものなので、「もっと たくさん下さいな!」とお願いします。一度、自宅でこの小さなパックだけで牡丹鍋を作ったことがありますが、味噌が少ないと情けない味になります。家庭で作る場合は赤味噌ベースに酒やみりんを入れて調整するほかはないか…やっぱり山椒を入れてみたらどうでしょうね。

ぬえ家では明日! 牡丹鍋に挑戦してみます~

というわけで、自作の稽古プリントのファイルが壊れた~、という話題はまた明日をお待ちください~

Twitterはじめました! …と。イノシシと鹿、頂きました~

2010-02-04 01:50:47 | 能楽
というわけで、この度 巷で話題のツイッターを始めることに致しました。
ユーザー名は nue_noh_actor です(←ヒネリがない…)。どぞ、よろしく~~

ん~、ツイッター。その存在自体は ぬえも知っていましたが、ご存じの通り書き込みが長文になる ぬえ…いや、これは意図があってわざと長文にして書き込みをしているのですけれども、ともあれ 長文の文章を書くことに抵抗がまったくない ぬえ。短文のツイッターは ぬえの性分には合わないかなあ、と思って敬遠していました。

…が、今現在、これまたご覧の通り、あんまり連載の長文作品研究をする題材がありませんで、と言うか次の作品研究を暖めている最中でして、それでなんとなく日常を綴っているようなワケで… これは長文にはなりにくいので、そんな事もあってブログの更新が滞ったりしていました。なんというか…、実演家のブログである以上、このブログはその立場からの情報発信に重点をおきたいな、とも漠然と考えていまして、あんまり ありふれた日常生活の書き込みを潔く思っていなかったりする ぬえなのでありました。

そんな ぬえは、ツイッターでしきりに つぶやく 伊豆のぬえの生徒さんの りんちゃんに感化されて、それでは、と始めてみたのでした。ん~、ちょっとした書き込みができる ツイッターは良いかも…。ブログとは別に、それを補完する感じに考えればよいのでしょうか。まだ始めたばかりで使いこなせていませんが、これから勉強させて頂きたいと思っています~

そんなこんなで始めたツイッターですが、やはり伊豆の りんちゃんを通じて早速に面白い人を発見してしまいました。

東京に住む18歳の女子大生のユキエちゃんという人。大学の休みを利用して面白いチャレンジをしています。いわく「0円で日本全国横断!素人女子大生の突撃インタビュー旅」なるもの。りんちゃんの説明によれば、

あえて0円の旅をすることで、多くの人の善意や優しさに触れる→「多くの人と交流すること」
それをツイッターやブログなどで実況→「インターネットの可能性をさらに拡大すること」
そして何より一度しかない人生!「面白いことしたい」よねぇ

…的な旅なのだそうです。どこか先日ご紹介した「影奉仕」の「サプライズ」さんと通底するような、そんな発想は、人と人との触れあいを再確認したいような、そんな時代なのかもしれません。

伊豆の生徒さんの りんちゃんは温泉旅館の若女将なので、さっそくこのユキエちゃんに宿泊を提供してあげたそうです。東京から出発した旅の最初に旅館の宿泊提供では なんだか恵まれすぎているようですが、でもその後の展開を見ると明日は野宿か? という大変微妙な旅のような気も…。 もしも ぬえのブログの読者さんにこのチャレンジに賛同してあげる人があれば、ぜひ協力してあげてくだいまし~ ぬえも成功のアカツキに、ユキエちゃんが東京に戻ってパーティーでも開くならば、無料出演してあげようと思って、メッセージを彼女に送ってあげようかな、と思っています。面識こそないものの、こういう交流も最近のネットの進化かなあ、と思う ぬえなのでありました。

ユキエちゃんのチャレンジについては以下の情報をご覧下さい。

→ りんちゃんからの紹介
→ ユキエちゃんブログ
(ただし旅行が始まってからはもっぱらツイッターを利用して発信していてブログの更新は止まっている)

…イノシシさんと鹿ちゃんについては次の書き込みで明らかに! …(^^ゞ

ゆ~きやこんこん~ Twitterはじめました!

2010-02-03 02:47:18 | 能楽
雪が降りましたね~、東京。
この前日の深夜から降り始めた雪は、みるみる積もって、なんだか大変なことになってます。

どうなちゃうのかなあ…とは思いつつ、ぬえはこの日はオフでして、1日掛かりで撮り貯めたDVDのファイリングをしておりました。ぜ~んぜん今日は外出してにゃい。(__;)

ご存じの通り東京は雪が降ると大混乱に陥りますのですが、今日の東京はどうだったんだろう…。ずうっと以前の事になるのですが東京にドカ雪が降りまして、交通機関がマヒ状態になりました。その日 ぬえは都内の稽古場に向かう予定があったのですが、電車も運休が出るし、さて どうしたものか…としばらく思案していました。ん~、電車もダメか…

そこで ぬえは気がついた。これから ぬえが向かう稽古場にたどり着くには、通常であれば車で参ります。それも幹線道路と首都高速だけを使って…ひょっとして、これなら行けるんじゃないか?

通常であれば渋滞しながら長い時間を掛けて行くお稽古場なのですが、この日ばかりはスリップ事故を恐れて車は走っていないだろう。ましてや高架である首都高速なんて、恐ろしくて誰も通行しないのではないか…? しかし一方、首都高速はさすがに除雪作業が綿密に行われていて、そのうえ今日は昨夜と打って変わっての晴天。ひょっとして考えるほどには通行の障害はなく、かえって安全なのではあるまいか? …ここまで考えると、元来チャレンジャーである ぬえはいても立っても居られません。ああ、誰も走っていない首都高速を走りたい!

そうして車で出発しました。よ~~く経路を考えて、除雪がされていないであろう細い道は通らないように、ましてや坂道はできるだけ通らないように。やがて首都高速の入口まで問題なくたどり着きました。途中には、もう、事故を起こした車やら、前日からか放棄されたような車まであって、それらをかき分けながら…。ををっ、やはり首都高速の高架に上がる坂道はちゃあんと除雪されています! よおし、これだっ!

…誰も走っていない
キレイに除雪された首都高速に、ゆっくりと走る ぬえ一人…
まさか、ここまで みんなが敬遠しているとは…

やがて、ぬえの中でちょっとした好奇心が生まれてきました。
ぬえのほかに誰も走っていないとは言いながら、一応 待避所のようなところを見つけて そこに車を停めて…

作ってみました! 首都高速の上に(もちろん路肩に)小さな雪だるまを!
除雪されて路肩に集められた雪は新雪のような真っ白い清らかさはないものの、それでもキタナイほどではありませんでした。小さな雪だるまは東京を睥睨するように見事に屹立して、ああ、達成感。。(`´メ)

それから ぬえは再び車を走らせて無事にお稽古場にたどり着くことができたのでした。
東京に雪は…あんまり似合わないかもしれないけれど、やっぱり たまに降る雪はロマンチックですね。

ああ、それでも明日は地方に稽古に出かけるので、やっぱり道路は乾いていてほしいです~ (×_×;)

あ、この度 ぬえ、Twitterはじめました。詳しくは明日にでも~ (^^)V

伊豆で影奉仕(かげぼうし)活動に参加してきました~

2010-02-02 02:13:19 | 雑談
これまたちょっと古い話題でご容赦くだはい。。

先日 伊豆にお稽古に行った ついでに、現地…伊豆一帯で広く活動されているボランティア活動「影奉仕」に参加してきました。

「影奉仕」=かげぼうし=読んで字の如く、影ながら社会奉仕をしよう、という試みで、その内容は、要するに「ゴミ拾い」です。(^◇^;) 伊豆地方で始まった清掃活動がNPO団体「サプライズ」にまで発展し、そうして伊豆を中心に定期的な清掃奉仕活動を行っている、というもので、まあ これだけならば それほど目新しい活動ではないのかもしれないのですが、活動はそれにとどまっていません。

まずは清掃活動で集められた「ゴミ」を選別してリサイクルすること。たとえば集められた牛乳パックは紙パルプとなって、障害者施設にて しおりやうちわ、ランプなどの製品となるそうです。またプルタブは車椅子を作るために集められ、ボトルキャップはアフリカの子どもたちにワクチンを送る事業に貢献するのだそう。なんと1台の車椅子を作るのにプルタブ約800kg、1本のワクチンを送るために800個のボトルキャップが必要なのだそうで、んん~これは大きな活動にならなければ 達成するのは困難ですね~

また、清掃の活動力を良心のみに依存して期待するだけでなく、「対価」のあり方を模索されているのも面白いことだと思いました。これは「サプライズ」で「ボランツーリズム」と呼んでいるもので、簡単に言えば余暇がある人に「観光」という対価をもって奉仕活動をしてもらう、という発想です。「観光」というものを名所訪問などにとどまらず広く「体験」~「自己の経験値を上げる」と捉えているのが独創的。現状で具体的には、伊豆の老舗旅館(=建物は国の文化財指定)に宿泊させて頂く代わりに旅館の清掃活動をする、などのアプローチが試みられています。これも旅館という小さな閉ざされた空間への奉仕と対価というよりは、将来的に人と人との地域間交流を目指しておられるそうで、すなわち奉仕活動そのものがこのNPO団体にとどまることなく社会的常識になることを期待しておられるのですね。

ぬえも清掃活動を一緒に行いながらお話を聞きましたが「なによりもこの活動中にあるコミュニケーションが一番大切なんですよ」というお言葉に感心しました。それが広がって、最近は外国にまで賛同者が現れているとか…

さて、ぬえはお稽古している伊豆長岡の りんちゃんからこの活動を聞きました。お嬢さんで やはり仕舞の稽古をしてくれている小学5年生の み~ちゃんともども、長岡の「影奉仕」に毎回参加されているそうで、それならば!と ぬえも参加してみたわけです。事前にみ~ちゃんに毎回参加しているの? と聞いたところ、「うん!だって友だちがたくさん来てるし」と嬉しそう。

それで集合時刻の午後6時に伊豆長岡の中心にある「アクシスかつらぎ」の建物…ここは『狩野川能』で毎度使わせて頂いている、ぬえにも思い出深いホールですが、ここの前に集合してみると…ありゃ? こんなに大勢集まるものなの? この日は総勢20名の参加で、み~ちゃんの言葉通りキッズの参加者も7~8名もいます! サプライズのロゴが入った青いベストを着て(←これ、折り畳めば普段はエコバッグになるんですって。伊豆の国市ではレジ袋は有料化されていますので便利かも)、反射板のついたタスキも用意され、交通事故などに遭わない配慮も行き届いています。ぬえだけ真っ黒なコートで浮いていました~…し、それが原因になって交通事故でも起こったら迷惑だったなあ…集合したところで氏名や住所も申告を求められたのですが、これも市からの助成による保険が掛けられているためなのだそうです。なるほど準備万端。

一方、集まった子どもたちは清掃活動が始まるまでアクシスの階段で「グー、パー、ジャン!…チ・ヨ・コ・レ・-・ト」と懐かしい遊びを…(^_^;)

そうして子どもグループ(もちろん引率者あり)と大人グループに分かれて、約1時間の清掃活動をします。決められたコースを1グループ10名ほどで一緒に行動するので、それじゃあ先頭に立つ人以外にゴミは拾えないんじゃないの? と思って ぬえも大人グループに混じって始めたのですが、1時間後にはポリ袋に一杯のゴミが集まりました。へえ、こんなにゴミってあるのねえ。

こうして1時間後にもとのアクシスの前に戻ってきたのですが、残念ながら ぬえはここで時間切れ。翌日は東京で用があるため失礼しました。残った参加者は、温泉につかるのだそうです。なんと、聞けば 伊豆長岡では温泉旅館さんがこの活動に協力してくださっていて、持ち回りで「影奉仕」参加者に無料で温泉への入浴を招待してあげているのですって。ははあ、これも「ボランツーリズム」というヤツですね。少なくとも当地では定着しつつあるようで、なんだか頼もしく感じたのでした。

「サプライズ」って、「サプラ伊豆」なのね。(^◇^;) この団体はもとより伊豆の小さい地域で始まった活動なのですが、「同じ時間 同じ空の下 同じ汗を流そう」ということを目標に持っておられ、それが今や海外にまで発展していこう、という勢いのようです。どうか みなさんも賛同してくださると幸甚です~ (^^)V

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