。。午後、階下の金田さんから「ピザが届いているよ」の声で起床。うわ~いマジですか? ここでも相変わらず遠慮のない ぬえはバクバク頂きました~。
そのあと宿泊にあたっての注意点など伺いましたが、まあ被災した建物をオーナーのご厚意でボランティア事務所として提供頂いているので、雨漏りの心配とか施錠の問題などが主になりました。電気・水道は通じているのですがガスはカセットコンロがひとつあるだけ。もちろんお風呂はないので相変わらずスーパー銭湯「元気の湯」の常連さんです。入浴料もバカにならないので ぬえは今回ようやく会員になりました。
ようするに寝る場所の確保を主な目的として拝借する「ふれあいサロン」ですが、ボランティア団体の事務所ですから寝具も寝袋程度。ぬえはいつもレイちゃん2に寝袋を積んであるので自前のものでOK。ぬえの寝袋はファスナーを開くと掛け布団にもなるすぐれモノですぞ! そういえば石巻でずうっと写真を撮っている「記念写真屋さん」加藤昌人さんも「いつも車に寝袋を3つ積んでいる」と言っていましたね~。それでも畳の上にじかに寝袋を置いて寝るのは結構厳しいです。その対策にプチプチを持っていきましたがこれは気休め程度ですね。もちろん1年前のことを考えれば畳の上で眠れるだけ天国のようなものですが。。そういえば避難所時代の湊小学校の教室にはブルーの地に日本赤十字のロゴが入った四つ折りのコンパクトな携帯用マットレスが山積みされてあって、これはとんでもなく優秀な品でした。なんせ小学校の教室の固い床にこれを敷いて寝てもぐっすり安眠! あれならずっと避難所に常駐していたボランティアさんもさぞ助かったことでしょう。このマットレス機会あるごとにホームセンターで探しているのですが、同じレベルのものはないですね。欲しいな~。どこかに売ってないかな~
さて午後になってから、翌日に迫った初の自主公演「星と能楽の夕べ」の上演の準備のために機材を搬入・セッティング作業へ。途中、はじめて当地を訪れた共演者のために門脇地区や、取り壊しが決まった「木の屋」の缶詰型タンクを見ながら大街道地区へ走り、翌日の会場となる石巻栄光教会に到着しました。
いよいよ明日ですね~。プロジェクト初の自主公演。2月に幽玄堂さんの企画で大成功を納めた大崎市でのプラネタリウム公演を石巻に持ち込みたい、という ぬえの思いが結実します。この1年でいろんな事を考えて、折々に変化を続ける被災地に、その時々に応じて能楽師として出来うる限りのことはしてきたと思います。最初は避難所の掃除からでしたが。。次には能の上演を通じての浄化。。幸福が当地にもたらされる祈りと長寿の願い。被災地がその時々に必要としているこういう心の空隙を補う曲が。。能にはあるんですよね。この1年、被災地に通って ぬえが思ったことは、なんて能って強力なんだろう、という感慨でした。ぬえなんぞが上演してこの大任が勤まるのか、という疑問はありまするが、少なくとも能が本来的に持っているはずの呪術的なパワーというものは、こういう非常時にこそ初めて目に見えて来るものなのだと実感しています。それくらい平和で安定した世の中に我々が慣れ過ぎていて、忘れてしまっている事が多いのかも。学生時代から斯道に飛び込んだ、しかも現代人らしく無宗教、というより宗教には懐疑的だった ぬえは、最初は能を「演劇」の1種としてしか捉えられなかったです。でも、いまの ぬえは、特定の宗教宗派を信仰しているわけではないけれど、広い意味での信心は強く持っています。これは能楽師としての経験によって培われましたね。そうして能は古来寺社で奉納されてきたように、言霊を通じて浄化も招福もできるように作られているし、それを実現するために長い歴史の中で技術的にも深化してきたように思います。
おっと。。ちょっと ぬえごときでは演説するべき身分でもありませんですね~。いやそれどころか話が脱線してしまっていました。ま、こんなわけで、折々に考えてきた事として、これからの石巻に文化の復興。。なんて言い方ではナマイキですが、市民が純然と芸術文化を楽しめるような、そんな事を展開していきたいな、と思ったのでした。能が本来的なパワーを持つ、という前言とは矛盾しているようですが、現代としての能の捉え方に対応する包容力も能にはあると思います。星空の下での「羽衣」の上演は、宗教的な意味は内在したままで、それをも超えた美の世界。これはこれで成立しちゃう。。やっぱり能ってすごいと思います。
で、今回は栄光教会さんの敷地の中にある付属幼稚園のホールを拝借させて頂くことになっていました。早速にお電話でしかお話をしていない小鮒實牧師さまにご挨拶。とっても優しい方でした! 幼稚園の運動会直前(なんと公演日はリハーサルの前日!)や、なんといまだに続いている震災被害の復旧工事の予定にも拘わらず会場ホールでの仕込みなど、初対面の ぬえに色々と便宜を図ってくださり、あまつさえ公演の広報宣伝まで。。ありがたい限りです。
今回の公演では「石巻にプラネタリウムを出現させる!」とエラそうな触れ込みなのですが、実際にはPCとプロジェクターを使って正面の壁面に星空を投影する程度。。いや、今回はこちらから協力を願った幽玄堂さんが独自に天井に星を投影する自作の機材を持ち込んで頂いたので、なんとか3Dに投影することができましたが、あくまでも半球形のプラネタリウムを石巻に建設するのではなくて、擬似的な星空の空間を箱形の部屋の中に現出させよう、という試みです。まあ。。子どもだまし程度かもしれませんが、音楽も駆使して予想以上の効果は出せたのではないかと思います。
さて会場での仕込みですが、プロジェクトメンバーのTさんが ものすごい分量の機材を持ち込みました。パワードミキサーでしょ~? ワイヤレスマイクでしょ~? 「亀戸の夜能」で見たよりもさらに強力な照明機器。それを集中してコントロールするコンソール。まるでNHK職員のようだ(爆)。
ええと、ぬえもマイクとミキサー、小型アンプを用意したのですが出番なし(泣)。それでもいろいろ演出を考えまして、まずはLEDで光るティーキャンドルを(100均で)40個購入して床に並べる! …これは、まず ぬえ自身が準備中にひとつを思いっきり踏んづけて壊しました。。翌日の公演直前にはここの幼稚園の保母さんが ぬえのところにやって来て「すいません。。踏んづけて壊してしまいました。。」。。ダメじゃん!
あ~それから。。そうだ! アロマオイルをテスターに含ませて当日お出でになったお客さまに手渡す、というサービス。暗闇の中の投影でほのかに香る、それが幻想の世界へお客さまを誘い。。ところが準備段階で「これ、臭いね」という意見も共演者から飛び出し。。ダメじゃん!(×_×;)
そのあと宿泊にあたっての注意点など伺いましたが、まあ被災した建物をオーナーのご厚意でボランティア事務所として提供頂いているので、雨漏りの心配とか施錠の問題などが主になりました。電気・水道は通じているのですがガスはカセットコンロがひとつあるだけ。もちろんお風呂はないので相変わらずスーパー銭湯「元気の湯」の常連さんです。入浴料もバカにならないので ぬえは今回ようやく会員になりました。
ようするに寝る場所の確保を主な目的として拝借する「ふれあいサロン」ですが、ボランティア団体の事務所ですから寝具も寝袋程度。ぬえはいつもレイちゃん2に寝袋を積んであるので自前のものでOK。ぬえの寝袋はファスナーを開くと掛け布団にもなるすぐれモノですぞ! そういえば石巻でずうっと写真を撮っている「記念写真屋さん」加藤昌人さんも「いつも車に寝袋を3つ積んでいる」と言っていましたね~。それでも畳の上にじかに寝袋を置いて寝るのは結構厳しいです。その対策にプチプチを持っていきましたがこれは気休め程度ですね。もちろん1年前のことを考えれば畳の上で眠れるだけ天国のようなものですが。。そういえば避難所時代の湊小学校の教室にはブルーの地に日本赤十字のロゴが入った四つ折りのコンパクトな携帯用マットレスが山積みされてあって、これはとんでもなく優秀な品でした。なんせ小学校の教室の固い床にこれを敷いて寝てもぐっすり安眠! あれならずっと避難所に常駐していたボランティアさんもさぞ助かったことでしょう。このマットレス機会あるごとにホームセンターで探しているのですが、同じレベルのものはないですね。欲しいな~。どこかに売ってないかな~
さて午後になってから、翌日に迫った初の自主公演「星と能楽の夕べ」の上演の準備のために機材を搬入・セッティング作業へ。途中、はじめて当地を訪れた共演者のために門脇地区や、取り壊しが決まった「木の屋」の缶詰型タンクを見ながら大街道地区へ走り、翌日の会場となる石巻栄光教会に到着しました。
いよいよ明日ですね~。プロジェクト初の自主公演。2月に幽玄堂さんの企画で大成功を納めた大崎市でのプラネタリウム公演を石巻に持ち込みたい、という ぬえの思いが結実します。この1年でいろんな事を考えて、折々に変化を続ける被災地に、その時々に応じて能楽師として出来うる限りのことはしてきたと思います。最初は避難所の掃除からでしたが。。次には能の上演を通じての浄化。。幸福が当地にもたらされる祈りと長寿の願い。被災地がその時々に必要としているこういう心の空隙を補う曲が。。能にはあるんですよね。この1年、被災地に通って ぬえが思ったことは、なんて能って強力なんだろう、という感慨でした。ぬえなんぞが上演してこの大任が勤まるのか、という疑問はありまするが、少なくとも能が本来的に持っているはずの呪術的なパワーというものは、こういう非常時にこそ初めて目に見えて来るものなのだと実感しています。それくらい平和で安定した世の中に我々が慣れ過ぎていて、忘れてしまっている事が多いのかも。学生時代から斯道に飛び込んだ、しかも現代人らしく無宗教、というより宗教には懐疑的だった ぬえは、最初は能を「演劇」の1種としてしか捉えられなかったです。でも、いまの ぬえは、特定の宗教宗派を信仰しているわけではないけれど、広い意味での信心は強く持っています。これは能楽師としての経験によって培われましたね。そうして能は古来寺社で奉納されてきたように、言霊を通じて浄化も招福もできるように作られているし、それを実現するために長い歴史の中で技術的にも深化してきたように思います。
おっと。。ちょっと ぬえごときでは演説するべき身分でもありませんですね~。いやそれどころか話が脱線してしまっていました。ま、こんなわけで、折々に考えてきた事として、これからの石巻に文化の復興。。なんて言い方ではナマイキですが、市民が純然と芸術文化を楽しめるような、そんな事を展開していきたいな、と思ったのでした。能が本来的なパワーを持つ、という前言とは矛盾しているようですが、現代としての能の捉え方に対応する包容力も能にはあると思います。星空の下での「羽衣」の上演は、宗教的な意味は内在したままで、それをも超えた美の世界。これはこれで成立しちゃう。。やっぱり能ってすごいと思います。
で、今回は栄光教会さんの敷地の中にある付属幼稚園のホールを拝借させて頂くことになっていました。早速にお電話でしかお話をしていない小鮒實牧師さまにご挨拶。とっても優しい方でした! 幼稚園の運動会直前(なんと公演日はリハーサルの前日!)や、なんといまだに続いている震災被害の復旧工事の予定にも拘わらず会場ホールでの仕込みなど、初対面の ぬえに色々と便宜を図ってくださり、あまつさえ公演の広報宣伝まで。。ありがたい限りです。
今回の公演では「石巻にプラネタリウムを出現させる!」とエラそうな触れ込みなのですが、実際にはPCとプロジェクターを使って正面の壁面に星空を投影する程度。。いや、今回はこちらから協力を願った幽玄堂さんが独自に天井に星を投影する自作の機材を持ち込んで頂いたので、なんとか3Dに投影することができましたが、あくまでも半球形のプラネタリウムを石巻に建設するのではなくて、擬似的な星空の空間を箱形の部屋の中に現出させよう、という試みです。まあ。。子どもだまし程度かもしれませんが、音楽も駆使して予想以上の効果は出せたのではないかと思います。
さて会場での仕込みですが、プロジェクトメンバーのTさんが ものすごい分量の機材を持ち込みました。パワードミキサーでしょ~? ワイヤレスマイクでしょ~? 「亀戸の夜能」で見たよりもさらに強力な照明機器。それを集中してコントロールするコンソール。まるでNHK職員のようだ(爆)。
ええと、ぬえもマイクとミキサー、小型アンプを用意したのですが出番なし(泣)。それでもいろいろ演出を考えまして、まずはLEDで光るティーキャンドルを(100均で)40個購入して床に並べる! …これは、まず ぬえ自身が準備中にひとつを思いっきり踏んづけて壊しました。。翌日の公演直前にはここの幼稚園の保母さんが ぬえのところにやって来て「すいません。。踏んづけて壊してしまいました。。」。。ダメじゃん!
あ~それから。。そうだ! アロマオイルをテスターに含ませて当日お出でになったお客さまに手渡す、というサービス。暗闇の中の投影でほのかに香る、それが幻想の世界へお客さまを誘い。。ところが準備段階で「これ、臭いね」という意見も共演者から飛び出し。。ダメじゃん!(×_×;)