のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.188

2013-12-13 00:00:13 | 香奈とコシロの子供たち


ところで

すべての猫が取引をした訳でもなかった。子猫の配偶猫は取引はしなかった。しかし、子猫の子猫はやっぱり取引が好きな猫もいた。相場猫が香奈の家の猫のバックボーンだった。



コシロの再来? リトルホワイト



しかし変わり種もいた。真っ白な猫でリトルホワイトと云った。この猫は噂に聞くコシロのように賢かった。生まれながらの天才猫だったので、香奈に、自分はコシロの再来なので、リトルホワイトと言って貰いたいと念を送った。本当にコシロに似ていたので、香奈もリトルホワイトと言った。


その上、「分岐状の水、リング状の水」が高濃度な水を飲み、「分岐状の水、リング状の水」が一杯入った牛乳を飲んで育った。唯我独尊タイプの嫌味な猫で、兄弟やいとこたちを馬鹿にする癖があった。信じられない程賢かったが、その天才を鼻にかけ、猫を猫とも思わない態度を取った。そんな猫だったので、脳細胞の活性化も直ぐに高レベルに達し、信じられないような可愛いペルシャ猫の女の子ナターシャを引っ掛けた。


ナターシャは、いい所のお嬢さん猫でチヤホヤされて育ったが、飼っていた人が株で大損し、破産して夜逃げして、捨てられ、野良猫と云うか、地域猫になった。




リトルホワイトは、堂々と香奈に、ナターシャを紹介した。リトルホワイトは、香奈の家の猫のくせに、1歳たらずで結婚して、子供が出来た。3匹の子猫が生まれた。この子猫も頭が良かった。ただ、リトルホワイトと比べると天分は雲泥の差だった。



ナターシャはこの家で「分岐状の水、リング状の水」が高濃度な水を飲んで、急速に賢くなった。猫では最初に脳細胞の活性化にリング状の水が作用した。つまり性衝動はどんどん減っていった。



リトルホワイトは、既に脳細胞の活性化が高レベルになっていたが、いやがる相手にむりやり性交するような猫ではなかった。相手かまわず、抜いてもらえればいいと思う猫ではなかった。悶々としたリトルホワイトは大学院大学に遊びにいった。



そこで心理学の講義をしていた天野才造にあった。天野は日本で最高と言われた大学でも優秀さは際立っていた精神科医で、心理学の若手のホープと云うより権威とまで言われた天才だった。



リトルホワイトは聴くともなしにこの講義を聴き、天野も何故か拒まず、リトルホワイトはこの講義を聴き、持っていた才能を刺激され、脳細胞がフルに刺激され、更に高レベルになった。心理学が好きになり、天野の研究室まで行くようになった。天野も人を人とも思わない態度を取る傲慢な天才だったが、この二人、正しくは一人と一匹は心が通じ、心の中で会話するようになった。更にこの二人はお互いに刺激し合い、天野はやがてリトルホワイトの天才にきづき、二人は師弟と云うより学友になった。



リトルホワイトは賢すぎ、直ぐに天野を追い越した。ところが事件が起きた。天野が講義で詰まらぬ間違いを言った。リトルホワイトは、偉そうに、間違いを指摘した。天野は、思わず、猫のくせにと言ってしまった。



リトルホワイトは、この言葉に深く傷ついた。もう研究所にも、大学院大学にもいかなくなった。山の中腹に出来た保養所に行った。そこは産後の母親用の療養をするために、恵が考えた保養所だったが、ジブシティーで働いていた人の月給は高く、シングルマザーは少なかった。要するに利用客がいず、恵は、仕方なく、高齢者の保養施設にも使った。不動財団も保養施設に使い出した。



人生に疲れた人や諦めた人の保養施設にもなった。リトルホワイトは、勉強してきた心理学を実践してみる事にした。学問と実践の差は大きく、リトルホワイトは経験の少ない、思い上がりの猫だったと思い知った。そこで、この施設の高齢者や人生に諦めた人の心を和らげる事に力を尽くす事にした。リトルホワイトは、人の心を読めるようになっていった。そのやり方も判ってきた。



猫チャンネルを持たない人には、猫の言葉は通じないが、それでも何故か心が和らぎ、高齢者は元気に、人生に諦めた人は勇気が出た。リトルホワイトは、自分の子猫や香奈の家の猫に、心理学のケアの初歩を教え一緒に実践する事にした。



傲慢な猫のリトルホワイトも角がとれ、暇を持て余していた、子猫の子猫、そしてその配偶猫たちにも研修を行い、保養施設での奉仕を行うようになった。いつしかこの保養施設は、有名になった。当初の目的だった産後の若いお母さんの産後の保養にも使われ、保育士さんや看護婦さんも常駐し、恵も勢いに乗って、施設を増設した。リトルホワイトは、ここでの猫ドクターになり、猫グループのチーフになっていった。




一方、リトルホワイトの子猫は普通の賢い猫だったので、脳細胞の活性化が進み、性衝動は低下し、晩婚型、少子化猫のようになった。



その中の一匹はやや賢かった。ただこの猫はやたらと人なつこく、香奈の横に座り、香奈に甘えた。香奈も可愛がった。香奈は、もう猫が増えすぎ、そんなに名前も付けなくなったが、コシロに似た猫は、三歩歩いて、天上天下唯我独尊とは云わないものの、生まれて直ぐに、我はコシロの再来なりと香奈にいい、香奈も調子にのって、リトルホワイトと名づけていた。



なついているこの猫はチビ助と香奈が名づけた。チビ助は賢かったが、取引はしなかった、香奈のご機嫌を取った。チビ助は、香奈あっての猫軍団だと云う事を知っていた。ナターシャはチビ助に、悲惨な野良猫時代の苦労を言い聞かせていた。



チビ助は、チャとココの工作も聞いていたが、やはりどうなるか判らないと思っていた。香奈が元気な時はいいが、他の人間は所詮、勝手な生き物だと思っていた。香奈が疲れている時は心配そうにしたし、無理をしないようにもした。



父のリトルホワイトから、心理学や心理ケアの話も聞いた。チビ助は香奈のホームドクターのような気になった。リトルホワイトは、チビ助を香奈専用にして、保養所にはつれていかなかった。リトルホワイトもチビ助の言った通りだと思っていた。香奈あっての猫軍団であるとの指摘は正しいと思っていた。



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