ごきげん党には陽太が影響力のある議員の数は多いが、なにしろ現職の総理でもあり、総理側も権力が当然あった。リトルホワイトは、総理側を叩き潰す覚悟を決めて、跡継ぎの奴の側近とも話をしていた。
陽太はコイツから相談を受けた、リトルホワイトの作戦は仁義なき戦いを彷彿させるものだった。陽太は流石にリトルホワイトの作戦戦術を軽視していなかったが、戦いは恨みを残す、跡継ぎに言われた奴はそんなに強くはない。リトルホワイトなら本当に手段を選ばず、徹底的に相手を叩き潰す事をやりかねないと憂慮していた。
陽太は、神幸を呼んで、陽太の考えを告げた。
神幸は密かに現総理を訪ねて、陽太からの提案について話をした。
ごきげん党の総裁選挙の前に、現総理は引退する事を表明し、後任の総裁には陽太の跡継ぎがふさわしい事も示唆した。
ごきげん党の総裁には、陽太の跡継ぎの奴が無投票で当選した。ただ総裁になった奴は、国会議員としての経験も浅く、閣僚経験もない事を理由に、総理としては神幸を推薦する事にした。
神幸は、引退する筈の現総理を説得して経済閣僚として副総理を兼任した形にして、跡継ぎの奴も、軽いポストの国務大臣にして副総理にする形にした。跡継ぎの奴の腹心は官房長官になった。
現総理だった奴には知られたくない色々な問題があった。クリーンな跡継ぎの奴にそれを知られ、あばかれる事を恐れていたが、神幸はそれを特に問いただす事もせずに、上手く処理する事が出来ると踏んでいたし、神幸もそれを約束していた。
すべては陽太の当初の考えだった。クリーンな跡継ぎでは処理できない、ドロドロの問題は、裏も知っている神幸に処理させて、現総理の汚れた所も特に問わないとして、全ては神幸が掃除し、クリーンにしてから跡継ぎの奴に引き継がせる事にしたのだった。
一連の動きは、まったくの茶番だったが、世間はそうは受け取らなかった。ジブはついにジブの本家筋の神幸に政権を取らせたと受け取った。
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