のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

純子の挑戦 No.14

2012-12-31 00:17:53 | 純子の挑戦


洋一と京子




洋一と京子は、家に帰り、子どもたちを寝かした。

洋一「参った。お母さんはなんでも知ってる。」

京子「貴方、まさか」

洋一「冗談じゃない。少し接待でいい気になっていただけだよ。会社の金で遊ぶな。その通りだね。」

京子「自分の金でも駄目よ。お母さんにいいつけるよ。それに私、少し変なのよ。久しぶりに激しくやるから。火付けてそのままにしていると、お母さんに直訴するよ。」

洋一「あれだけやったのに。」

京子「私じゃ駄目なの。若い芸者でないと駄目。」

洋一「そんな事言ってないよ。」

京子「じゃ今夜も頑張ってね。」


洋一と京子はこうして結婚していた!



京子は、名古屋の大きな機織工場をもつ庄屋の箱入り娘だった。整った顔立ちで、上品そうな顔だちで、近在でも有名な娘だった。

父の横山太吉は、辺見織物の一人娘だった母から譲り受けた機織工場をを安倍紡績に売った。文明開化で、洋風化の波に対応して将来を考えるより、急成長している安倍紡績に売った方がいいと思った。安倍商会に勤めていた知人を頼って依頼した。横山太吉は安倍紡績は、軍服や官服などの洋装と従来の和服等もやっていた繊維の会社であり、いくつかの機織場も居抜きで買っていると聞いていた。働いている人にも迷惑をかけず、政界入りを夢見る自分の評判にも傷が付かず、金になると計算していた。出来れば辺見織物の名前を残してくれるかもしれないとも考えた。安部紡績からの調査団も来て、横山も話をした。

安倍紡績は、辺見織物の技術や立地場所が良い事を評価し、辺見織物の株を8割を安倍紡績が買い取り、2割を横山太吉のものとする。名前も辺見織物で構わないとする案を出してきた。金額も横山には妥当と思えた。安倍紡績の交渉担当は、社長も工場を見てるし、問題ないと思いますが、最終的な社長の決裁を取りますので、少し時間を下さいと言った。横山は、そんな人が来たのかとは思いながら、結果を待っていた。


社長の決裁がおりました。本来なら社長と最終合意して頂くのですが、社長の時間が取れません。社長の長男が取締役になっています。その人をつれていきますので、最終合意をして頂けませんかと言う返事だった。横山は了解して待った。横山の自分の大きな屋敷で、最終確認をした。

もう相当の年輩の遠藤副社長とまだ青年の洋一が交渉担当とともに現れ、横山と最終的な確認をした。


安倍紡績側は、横山が安倍紡績に出資できる案も提示した。完全な子会社よりも横山の面子を立つのではないかと言った。金額は拘らないが、安倍紡績が買い取る金額の1割以内として欲しいというものだった。横山はその案にのった。安倍紡績の出資金総額では百分の一以下ではあるが、単に身売りした事にもならない。金も入ってくる。辺見織物の名前も残る。




合意が済んで帰ろうとする安倍紡績側に、横山は酒席に招待した。遠藤と洋一は断った。せめて汽車の時間までくつろいでください。京子がお茶を持ってきた。京子は18才になっていた。若い洋一を見て、頬が赤くなった。そして安倍紡績側は出発した。横山は商会の知人にお世話になったが、合意した。商会の知人はそれは良かった。安倍紡績の出資金も得たと聞いて、それは凄い。利益反映金などの配当だけで、直ぐに何倍にもなります。交渉がうまいですねと言った。色々と話をすると、社長の息子は22才で独身と言う。横山は、純子が安倍商会の社長でもある事も知った。


横山は安倍紡績の担当と話をして、社長に挨拶するために上京したいと言い、そんな事は結構ですという担当を説き伏せ、時間を調整してもらった。横山は、京子をつれて、東京に行き、純子と会った。挨拶もそこそこに京子を紹介した。純子は横山の意図が判った。洋一を呼び、横山親子を料理屋に行って、接待するように言った。時間はお昼頃であった。


横山は直ぐに用事を思い出したと言い、席を立ち、洋一に宿まで、京子を送ってもらうように頼んだ。横山は1週間程度東京に滞在していたが、京子は夕方にもそわそわしていなくなっていた。洋一は、相手を探していた。

市橋も治部も、恵子も純子もどたばたしたものの若くして結婚した事もあり、見合いは考慮されない、当時としては希有な家であった。しかし洋一には、見合い話も来ていたし、純子や洋介の元にも来ていた。姉の妙子は出来ちゃた結婚に近いし、洋次郎はなんか怪しい。少し焦っていた。お淑やかな京子に、惹かれていた。京子もこのまま見合いで結婚して地方暮らしと諦めていた。飢えている動物にエサを出した時の様に、簡単に話は進んだ。結婚は直ぐ決まった。 



洋一は、洋介と純子が新婚時代に住んでいた家を改築し、京子と共に住んだ。すぐに洋次郎と真弓の熱愛事件が起きた。京子には、洋一は初めての男であり、洋一は純子と妙子の影響から抜け出した。京子は結婚後5年の間に、女の子を二人出産した。そして洋一は女三人に囲まれて、暮らした。京子が純子に会う度に、京子の性知識は増え、洋一は、夜には大変になった。洋一は、頻繁には京子を洋介と純子の家に連れて行かなかった。洋一が鉄鋼に移籍し、出張や接待が増えるにつれて、京子の夜は、寂しくなっていた。 



京子は、年を取らない純子や自分より年上の妙子が自由に暮らし、若く綺麗になっている事や自分より年上の真弓が熱愛されて、若く綺麗になっている事をみながら、30才半ばになっていた。私が一番老けている。一番若いのに。二人とも40才を超えてるのに輝いている。私はくすんでいく。洋一さんは、この頃遊んでいる。福岡から帰ってきた時もおかしかった。そんな思いになっていた時に、「美人競争」が起き、必死になった洋一が京子の身体に火を付けた。私も妙子さんや真弓さんのように輝ける。純子、妙子そして真弓と話をする機会が増え、色々と話を聞いた。以前なら恥ずかしいと思っていた事もやれるようになった。


以前は和服一本であったが、家では洋装も増えた。洋一にもして欲しいと言う事も増えた。「女は40からだよ」と義母さんも言っていた。これからだ。私の青春は。して欲しいと迫る京子に、洋一が、激しく何回かしたのも、ガソリンに火を入れた。そして京子も綺麗に若くなっていった。そして京子の感じ方が深くなり、ついに、40才手前で、白い霧の中で意識が消えていき、不安と絶頂の中で声を上げた。 



京子「私、この頃とても感じる。深く感じる。貴方が入ってきた時から感じているし、身体全部で感じている。真弓さんは結婚してから、妙子さんはもっと前から。私は今から。」 
洋一「嫌な事いわないで。頑張るからさ。」

京子「宏さんや洋次郎さんよりも頑張ってね。」

洋一「あいつらは、ちょっと異常。女房命みたいな連中。」

京子「貴方にとっては、私はどうでもいいの。」

洋一「そんな事いってないよ、俺も京子は好きだよ。」

京子「じゅ今夜も頑張ってね。」 







コメントを投稿