のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

純子の挑戦 No.13

2012-12-30 00:39:37 | 純子の挑戦
純子、家族会議をする。



純子は、商会と紡績からかなりの金額を引き上げた、純子が会社に預けていた報酬や配当のお金も相当溜まっていた。給料の三分の一ずつと配当の一部も紡績と商会で貰っていたものの、そんなに使っていない。妙子、洋一、洋次郎を呼び、洋介と一緒に家に呼んだ。 



京子、真弓そして宏そしてその子ども達も連れてくるように頼んだ。泊まり込んで家族会議するからといって。系列の料理屋から料理も運ばれてきた。



純子「私も年だ。色々と相談したくて、お父さんとも話して相談してきた。私とお父さんが死んだ後の事だよ。」

洋介「私はもう年だし、お母さんと話してきた。私の資産など知れているが、私は兄さんや姉さんから、病院はお前やっているし、お前が継げと言われてきた。お父さんから継いだものだ。多少の資産もある。」

洋一「そんな事言わないでくれよ。お母さんとお父さんが家族会議すると言って、2日休暇取った。鉄造さんも鉄二郎さんも吃驚していたよ。ここを見捨てないでくれと言って大変だった。幸之助さんや知子さんも心配しているよ。大体お母さん若いのに、俺より長生きするよ。」

妙子「又馬鹿話が出来ると思ってきたのに、お母さんはそんなに若いのに。」

みんなそんな事は話したくないと言った。

純子「人の命は分からないものだ。弁護士とも相談したよ。取りあえず聞いてよ。今お父さんと私の財産は、これだけだよ。みんなに配るから見て。細かい点は省くよ。洋一お前は、鉄鋼の私名義の出資金そしてお祖父さんやお母さんから継いだ、紡績と商会を除く私名義のほとんどの出資金と、私とお父さんが死んだ後に残った現金の半分をお取り、洋次郎には、紡績の私名義の出資と紡績に預けている現金、そして少しだけの各社の出資名義と現金の四分の一をお取り、妙子は、お父さんの資産の三分の二と現金の四分の一を取ってね。私とお父さんが長生きすればどれだけ残るかわからないけどね。宏さんには、銀行の私名義の出資を譲る。京子さんには、商会の出資金の半分とまだ残っている現金を、そして真弓さんにはお父さんのの名義の資産の三分の一と商会の私名義の出資の半分を譲る。洋一には今住んでいる家、ここの家は洋次郎に渡す。ただ商会や紡績に預けている私の資産は人に貸しているものだし、できればそのままにしておいて欲しい。残った地所や資産は、三人で分ける。そしてお父さんと私のどちらが死んだら、私とお父さんがすべて管理する。」



京子「私になぜ。」

真弓「私なんかに」

「銀行はこれから伸びますよ。それを全部僕に」

純子「まあお聞き。京子さんや真弓さんに譲るものは、できれば現金に換えないでおくれ。みんな子どもたちに残しておくれ。配当などの利益反映金がでれは、自由に使ってもらっていいけど。宏さんもそうだよ。できればそうして欲しい。京子さん、宏さん、真弓さんに譲るもので税金がかかれば、洋一や洋次郎そして妙子が支払っておくれ。みんなそれでいいかい。」

妙子「病院は、私と真弓さんが協力して継げ、自分勝手にしないように。さすが策士よね」

洋一「今やっているものは、その人にか。よく考えているよ。ただ現金はそれぞれ三分の一ずつにしてよ。俺がそんなに受け取る必要はないよ。」

洋次郎「僕が一番多い気がする。それでいいの。」

洋一「でも使えるお金は差はないよ。お前紡績を手放すの? 借しているお金回収するの?」

洋次郎「そんな事はしないよ。」

洋一「だからお前に管理してやっていけと言ってるの、母さんは。人見てるよ。」

「銀行も、洋一さんや洋次郎さんに持って貰いたい。それを修正してください。」

京子「私は、そのままにしておきますよ、お母さん。子どもたちの代理です。」

真弓「私なんかじゃなしに子どもにして貰った方がいいのですが。」

純子「少し、お父さんと相談するよ。」

暫く相談して、

洋介「みんなの意見を参考にして、少し修正したよ。純子から説明してもらう。」

純子「まず残った現金は三分の一ずつ子どもたちに渡すよ。商会の名義と安倍不動産の名義の株は、京子さん、真弓さん、妙子に三分の一ずつにする。銀行の名義は、五分の一ずつ洋一と洋次郎にして、五分の三は宏さんにする。但し、洋一も洋次郎も宏さんに口だしするのは、控えておくれ。それと地所の中で、あの郊外の屋敷は、妙子の名義にしておいた。料理店は京子さんとした。お父さんが譲り受けている長崎の屋敷は、次平名義で真弓さんが管理しておくれ。お父さんはそのつもりで名前を付けた。お父さんの思い出の家だからね。それに三人の子ども達には、自分の会社以外も少しだけ名義を分ける事にするよ。現金なんて残らないかもしれないよ。それは残った時の事だよ。」

洋一「分かったよ。私はいいよ。」

妙子「私も、異存ないよ。」

洋次郎「私も異存ありません。」

「私は、異存ありません。銀行を大きくしますよ。」

京子「私はこどもたちの為に残して置きます。」

真弓「私名義にすると問題も」、

「大丈夫ですよ。弁護士もついてる。こどもたちのためですよ。」、

純子「じゃこれで決まったよ。私は化け物だから長生きするかもしれないけど、今日決まった事は、それぞれ胸において頑張ってね。温かいものはもうすぐくるからね。後はのんびり食べよう。」



子ども達もよばれ、賑やかな食事会になった。

洋介「純子、お前考えていたね。最後の案。お前は本当に凄い。みんながどういうか見るためだろう。」

純子「私は、化け物だからね。でも良かったよ。みんなが考えてくれて。」

暫く、みんな歓談して食べていた。

真弓が来て「私じゃなく、洋次郎さんか子どもたちに。」

純子「真弓さん、どちらにしても子ども達へいくよ。弁護士もついてる。心配しないで。」

洋介「病院は、妙子と協力して頼んだよ。」

真弓「それは言われるまでもなく、拾って頂いたのですから。」

洋介「今でも、真弓さんがやってようなものだよ。妙子は、病院出ると、馬鹿になる女だから。」

妙子「だれが馬鹿なのよ。お母さん、終わった後は、やってもいいでしょう? 私、やりたくて。」

純子「お前の部屋開いてるよ。掃除もしてもらってる。 こどもたちは見てるよ。」

妙子「宏さん、もう食べたの。私食べたよ。」

「そうなると思って、折に入れて貰ってる。覚悟してた。」

妙子「私たちは、別のものを部屋で食べるね。宏さん行こうよ。」

宏と妙子は出ていった。

洋一「姉貴は変わらない。あれが神の手かと思うよ。」

真弓「いや、外科医では、常人の腕ではありません。」

洋一「たしかに、常人ではないよ。病院ではきっと顔も頭も変わるのでしょう。」

洋介「それは確か。ここではやりたいだけの馬鹿女の顔に直ぐになるけどね。今の会議終わったら、顔が変わった。」

純子「京子さん、おいでよ。」

京子「お義母さんなんでしょうか?」

純子「洋一、頑張ってるの?」

京子「頑張って仕事しています。」

純子「仕事は、自分のためよ。女は40から感じるの。」

京子「そうなんですか?」

純子と京子はひそひそ話をしていた。京子は、時々「えっ」とか「そんな」とか言っていた。純子は洋一を呼んだ。



純子「洋一、お前、努力が足りない。京子さんを明日の朝までに綺麗にしないと返さないよ。女を綺麗にしない男は、紡績に帰ってもらうよ。もう一度私が修業さすよ。さあ京子さんをつれて、お前の部屋で。子ども達は私とお父さんがみてるからね。明日の朝、京子さん、真弓さんと妙子の顔みるから」

洋一「そんな急に。」

京子「真弓さんも妙子さんは、元々綺麗ですよ。」

純子「輝きが違ってくるの。京子さんも頑張ってね。色々教えたでしょう。さあ早く。」

洋一と京子も出ていった。



純子「洋次郎と真弓さん、片づけは料理店がもうすぐ来るよ。洋次郎、お前も頑張らないと真弓さんを綺麗にするのよ。明日の朝までに。」

洋次郎「真弓は十分綺麗だよ。」

純子「お前は若いのよ。真弓さんをもっと輝かすのだ。」

洋次郎と真弓も離れに帰った。いつの間にか、子守と乳母が来て、別の部屋に子ども達を連れて行った。料理屋は、残った料理を折に詰めて、片づけ始めていた。




洋介「純子、お前、強引な事するな。姑のする事じゃないよ。」

純子「これが私なの。女房を綺麗に出来ない男は、どこか信用できないの。明日の朝、楽しみだよ。洋介さんも頑張ってね。」

洋介「私は年だから。」

純子「私が大きくしてあげるよ。子どもを見てから開始だよ。」
 





妙子、真弓、京子の部屋には、その晩に封筒が入れられていた。翌朝は朝9時から朝食なまで、8時50分過ぎに、食堂に来て欲しい。洋一、洋次郎と宏には、9時丁度に来て欲しいと書かれていた。 



妙子は、書かれているものを見て、宏に言った。「宏さん、朝も頑張ってね。朝は美人競争よ。お母さんは強引ね。さあもう一回頑張ってね。」



京子も読んだ。「洋一さん、私は不利よ。妙子さんも真弓さんも元々綺麗なのよ。洋一さんは、紡績に戻る事になるよ。」



真弓も読んだ。「洋次郎さん、これは、朝やりなさいと言ってるみたい、私は、いつでも洋次郎さんに抱かれていたい、朝はひさしぶりね、興奮してきた。由美子出てきそう。お願い、手の形と歯型をはっきりつけて。」



翌日 艶っぽく綺麗になった3人が食堂にいって、食事の準備をして、お腹空いたという子どもたちと洋一や洋次郎そして宏もきた。食事が終わると子ども達は乳母や子守に付けられて、別室にいった。

 


妙子「美人競争はどうなったの。私は気になってるの。」

洋一「無理矢理させておいて何考えているの。」、

純子「妙子、京子さん、真弓さんで誰が一番、昨日より輝いていると思うの、昨日と比較してよ。」、

洋介昨日と比較すれば、京子さんだろう。別人のように綺麗になっている。」

妙子「それは認めるわ。真弓さんもずっと綺麗になったけど、京子さん、今日は本当に綺麗。」

洋一「じゃ俺達の勝ちだ。」

純子「誰が美人競争と言ったの。 妙子は、言わなくても宏さんとやる。しかもよくやっている。だからそんなに差がでない。真弓さんもよくやっているけど、朝は久しぶりだから少し差がでる。京子さん、あんまりやってないね。子どももびっくりしてたよ。」

妙子「分かっているのね。」

純子洋一、京子さんと真弓さんそして宏さんになぜ遺産分けしたと思うの。」

洋一「それは、宏さんや真弓さんに分けるつもりだから京子にも分けたと思うけど。」

純子「それは逆よ。宏さんや真弓さんになら妙子や洋次郎名義にしてもいいのよ。二人はそれぞれ一心同体だからね。私はね、洋一の分をすべて京子さん名義にしようとも思ったの。でも、お前も私の子だから親馬鹿でおまけしたの。お前は鉄鋼行って、接待でよく外で遊んでいるのでしょう。鉄二郎さんに妾いて、鉄造さんもつくりそうでしょう。お前も感化され、遊びだしている。一時の混乱収まって、利益もでて、また元に戻りそうになっている。鉄は基本産業だからといって、戻り出せば又だらけているね。宏さん、業界の回復ぶりに比べて、鉄鋼は遅いでしょう。」

「持っている潜在力からすると少し。」

純子「お前、鉄鋼変えるといって、自分が変わっているの気付かないの。このままお前変わっていくと、お前の分は、京子さんに変えていくからね。それが言いたかったの。」

洋一「そんな事ないよ。俺はちゃんとやってるよ。接待は多いけど、それも仕事だから。」

純子この間、会社の工場に行って、少しだけ見て直ぐに工場の接待で、芸者呼んでいたでしょう。それが会社を変えると言っていた人のやる事ですか?お前の才なんてしれてるの。少しの才に慢心する位なら、なくても人の意見聞いた方がましなのよ。

洋一「なんでそんな事まで知ってるの。」

純子「洋一、お前はみんなに見られているの。折角設備も製品も揃ったのに、上がだらけると、何にもならないの。妾持とうと遊ぼうとそれはいいけど、自分の金で遊び、女房を綺麗にしてからにしなさい。」

洋一「分かりました。昨日の事は俺に説教するために仕組んだ。そういう事か。」

純子「今朝の京子さんが、本当の京子さんよ。女に愛と精を与えれば女は変わると、私いつも言ってるよね。人も会社も、愛情もって育てれば変わるのよ。鉄鋼も愛情を持って、育てれば、もっと輝くような会社に変わるのよ。」

妙子「お母さんは、やっはり策士だよ。」

洋一「もう一度、やり直すよ。色々とありがとう。今朝の京子見て、俺も分かったよ。でも時間はかかるよ。今の会社変えるのには。俺の部門から少しずつ変えていくよ。」

洋介「じゃ、これで終わる。洋一もしっかりしないと、お母さんを怒らすと怖いよ。」 



家族会議は、午前中に終わると聞いていた、幸之助と知子がやってきた。純子が相続について、決まった事を話した。

幸之助「姉さん、まだ若いのに、そんな事決めて。でも大体予想通りだけど、病院は半々にして、商会の名義で差をつけると思ったのに。製薬会社の出資名義はほとんどは、洋一くんか。知子、少し製薬会社の出資増やせるかな。」

知子「それは出来るよ。洋次郎さんなら歓迎するわ。」

純子「お前達、洋一の事知ってるね。なぜ教えてくれないの。」

知子「お姉さんも知ってるでしょう。それにまだ噂だし。」

純子「あいつには説教したの。少しばかりの才を鼻に掛けて、慢心するなんて。」

幸之助「まあ、洋一くんはまだ遊び始めた段階だから。知子から聞いてるけど、会社も改善してるらしいよ。」

知子「前よりは、ずっとましよ。でも洋次郎さんはいい人ね。」

幸之助洋次郎くん個人名義じゃ、少し目立つ。安倍紡績として持って貰いたい。製薬会社も、会社として紡績の出資を増やすようにするよ。それなら洋一くんも刺激しないしね。一種の交換だかね。お姉さん若いから頑張ってね。うちの役員会には出てよ。」

純子「お前も、なかなかだね。」

幸之助「私も姉さんの弟だよ。ある程度はね。病院は共同名義か。なるほど、考えているね。まあ子ども達次第という事だね。でも学校は、それも一緒か。参考になるよ。僕も考えてみるよ。」 





コメントを投稿