のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.326

2014-12-13 00:00:59 | 新しい子猫たち 

新しいレアメタル







お宝銀行の山から、新しいレアメタルが経済的な効率を持つ採掘が出来るようになって、この新しいレアメタルを利用の研究がスピードアップした。







エネルギー分野でも重要だったが、クリスはこの新しいレアメタルに、可能性を感じた。従来のレアメタルの補強をしてくれるのではないかとも思った。







クリスはリトルチャの回復スピードがチャタロウと違っていた事に気づいていた。リトルチャはさっさと元の元気に戻っていたが、チャタロウの回復は時間がかかっていた。







リトルチャは、あの石ころを気に入って、香奈の家の猫の部屋にもどっさりと運び込んで、あの石、この石と眺めて喜んでいた。







チャタロウとリトルチャの回復スピードの違いは、あの石との接触時間との差にも由来するのかもしれない、元々レアメタルのエネルギーを体内に取り込んで、分岐状の水とリング状の水を体内で発生させて、それで遺伝子修復をさせる事で、クリスの理論は成り立っていた。











香奈オフィスは、貴金属会社が元々持っていた山を調べたが、純度が低かった、今はお宝銀行の山になっている山ではそこそこ純度が高く、精製の目処も付きそうだった。







夢野とプーチンはこの新しいレアメタルの発電能力を確かめていた。







クリスも少し分けてもらって医学的な研究を進める事になった。







クリス研究所が実は出来ていた。元々薬理研究室は、生命科学研究所の中の一つの研究室でクリス研究室もその中の分室扱いだったが、クリスは秘密主義の猫だったので製薬からの人を出して、遺伝子研究センターそしてエンジェルホープジャパン財団、つまり遺伝子治療センターからも人を出して、出資もそれぞれして、ジブ総研の中の一つの研究所に昇格していた。







クリスが信用していた人間は、香奈以外では杉山とその下の元教授の三人程度といってよかったので、名目的な所長には杉山になってもらい、クリスと意見交換しながら進めていく事にして、名目的な副所長には、製薬、遺伝子分析センターの人も就任し、杉山の部下だった、二人の元大学教授も就任していた。







ただ実務はそれぞれに英才たちを派遣して、クリスの研究をサポートしていた。サポートと云うにも口実で、クリスがナニをするのか知るためでもあった。それにクリスはアホと思えば、その人を無視する癖があったので、優秀な人を派遣しないと、クリスは仕事も頼まない傾向があったのだ。











話題のレアメタルは、水と接触する事で、分岐状の水とリング状の水を作り、水にエネルギー転移させる効果があった。ただこの得られた水は直ぐに分解していく事が判っていた。もう一つのレアメタルは、エネルギー転移された水をエネルギー保持の状態を長くさせ、なおかつ自己増殖していく力があった。それでも長期間と云っても限定的な力だった。











新しいレアメタルの能力は依然として不明だった。水にも溶解しないし、持続させる効果はあるものの限定的なものに留まっていた。この新しいレアメタルには高エネルギーがあると云う事は、夢野とラッセルたちによって、解明され、エネルギー源としての利用方法の研究は進みつつあったが、生体へのエネルギー転移できるメカニズムはまだ判らなかった。











二人の年寄りたちの主治医は、母国には帰らなかった。帰ってもいいよといわれたけど、二人の年寄りの変化を目の当たりにして、二人とも帰る気持ちはなくなっていた。







二人の年寄りは敷地内から出て、三日目の朝には老化が進み、以前の歳相応の表情に戻っていたが、敷地内に帰ってくると、段々と若返り、自分たちと同じような60歳前後の年寄りの顔に戻ってきた。こんな不思議な里から出る積もりはなかった。鏡みると自分たちも若くなっている気がしていた











二人は、クリス研究所で一緒に研究の真似事を始めていた。それぞれ高名の医者でもあったが、話題のレアメタルや別のレアメタルの効能や研究結果には驚いていた。それぞれ母国の自分の病院では、これらのレアメタルを組み込んだ浄水器を設置して、患者たちに飲ませるように指示したりしていた。











二人は、元々老人病の専門医で臨床の医者なので、研究よりも臨床が得意だった。ある程度レアメタルの効能のシステムが理解できると研究よりも臨床がしたくなり、杉山に、エンジェルホープジャパン病院に老人病科を作ろうといいだしていた。











敷地内には年寄りが多いのに、みんな元気だったので、老人病科は特に作らなかったが、若い人と年寄りとは違いますよと二人は言った。杉山も神三郎と話をして、基礎医学研究所の中に特別診療として老人病科を作る事にした。







基礎医学研究所にも臨床医のジイサン、バアサンたちがいて、暇をもてあましていた。外科系は登場の機会はあっても、内科系は、出番はほほとんどなかった、病状説明とか病人の相談、看護婦たちへの講義や質問に応じる程度だった。言葉の問題もあって、二人の年寄りの主治医とタッグをくんで診察する事になった。







診察といっても、定期健診が多かった。元気な年寄りは、定期健診には行かないものだったが、年寄りが年寄りを診察するので、この老人病科には気さくにくる事ができた。



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