のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.336

2014-12-22 00:00:28 | 新しい子猫たち 

お宝銀行の法務部長、

悪徳弁護士と会う






元々、悪徳弁護士は、個人融資担当部門の法律相談を担当していたのにすぎなかった。



そして個人融資担当部門は、いずれはなくなる部門としての認識が、お宝銀行内部には根強くあって、法務部長は悪徳弁護士に会った事もなかった。



銀行では、天皇とも神ともいわれていた頭取の意向で、秘書室長から法律アドバイザーとしての報酬を上げるように云われた法務部長は、悪徳弁護士というよりは、悪徳法律事務所を顧問弁護士として、お宝銀行の個人融資部門の法律相談をまかせ、それに悪徳弁護士とそのグループの弁護士たちがそれに専任する事を条件として、多額の報酬にする事にした。



恵の財団や不動財団そして香奈特別保証の連絡は、必要なので、但し書きで対応する事にした。





元々、顧問弁護士なんぞは、挨拶程度の清香の事務所だけで十分、万一の訴訟には清香の事務所に任せる事になっていたのに、悪徳なんぞからナンダカンダと云われないようにするためでもあった。





形の上では、顧問弁護士が増えるが、悪徳は単に個人融資部門の相談だけですけどねと言って、清香の事務所にも連絡した。通常はその会社独自の顧問弁護士と清香の事務所が連絡を取るのが一般的だったが、個人融資部門だけですとも説明した。意外な事に、清香自身が会いたいと言っているので、契約の時に話をしてくれと言われた。





清香は外部の人には滅多に会わない事で有名だった。法務部長ですら、会った事はなかった。清香の下のパートナーと言われる幹部と会うだけだった。





法務部長は内心、面白くなかったが、悪徳弁護士とあって、契約の事を話した。報酬は以前の倍にもなっていた、ただ専任条項はやや不満だったが、今では個人融資に専念していたので、仕方ないなと思っていた。





清香から会いたいといわれたのは驚きだったが、法曹界の化け物といわれる清香の心証を良くしておきたいとの気持ちもあって、清香の事務所と面談の相談をした。





悪徳は、昔の日弁連の会長選挙の時に、清香の事務所とは、少しはいざこざもあったのだった。



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