のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.918

2016-09-29 00:00:11 | 新しい子猫たち 







遺伝子分析センターは不思議な組織で ジブトラストの内部に入っている組織なのに 自由になんでも出来た











部門として独立してはいないのに 部門としての利益は自由に使っていいとされていた











ジブの組織内分担としては 神太郎の管理下ではあるが 神太郎は 香奈が直接作り、しかも育ててきたセンターに 口を挟む人間ではなくて 神太郎は色々と忙しい。











神太郎はちゃんと知っていた。忙しい筈の香奈は 遺伝子分析センターの所長から時々報告を受けている事を、多くは遺伝子操作でそれほどの進歩があったかの学術的な話だったが 所長は判りやすく話をしてくれていた。その席には正子まで出る事があった。 そんな所に色々と指導がましい事を言って 香奈に反感でも持たれてはいけないのだった。











遺伝子分析センターは今では世界の種子を握る存在と言われ、儲けは莫大、ビジネス部門は寄せ集め集団で特に卓越した指導者はおらず 色々なグループが集まって話をしているだけの部門、と言ってもアホばかりではなくて 頭の切れた奴ばかりなので 誰がエライとかにするとかえってまとまりがつかないのでグループ毎に進めて時々は すりあわせる方が上手くいっただけの話











一方研究部門は 世界の英才を集めて 世界中に支部 研究所まで持つ先端的な研究陣、しかも莫大な利益を充実した研究設備とか研究陣の待遇としても誰も文句はいわない。











所長は東大の遺伝子研究では有名で判りやすく話す事でしられていた。香奈はそれで 所長に抜擢しようと呼び寄せた。 研究陣と香奈を結ぶ存在でもあった。所長は経費が削減されていく 遺伝子研究の世界も知っているだけに、みんなの研究のために尽力していて、それでジブトラストの遺伝子分析センターは 莫大な研究費用、世界の先端的設備を整える事が出来ていた

















今となっては莫大な研究予算を支える以上の利益は遺伝子分析センターは稼いでいた。







香奈の気持はいつまでたっても ジブトラストがその利益の中で支える遺伝子分析センターと云う意識があったが、実態はとっくにそうではなかった。











税務の連中の センターは莫大な利益を出しているから、外部に出した方がいいと云う意見を香奈は断ってきた、あくまでもジブの利益の中で 利益の有無関係なしに必要な研究をサポートしていく組織との建前を壊してはいけない。金儲けのためにしている研究ではないとの建前を維持していかないといけないと言っていた。節税は大切だけど 建前を維持するのはもっと大切、節税のためになんでもその通りにする必要はないと強く言っていた。