のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.76

2014-03-30 00:00:28 | 新しい子猫たち 

ココの一発倍増路線の失敗




買っていた会社は、そんなに大きな会社でもなかった。所 謂ボロ株で、株価も安かった。香奈ファイナンシャル国内の香奈特別基金としての株式保有率は、馬鹿にした比率でもなかった。



株価は長い間低迷していた。コ コは、少しづつ買い増していたつもりだったが、かなりの株だった。このポロ株は生意気にも信用銘柄だった、このおっさんの会社の浮動株は少ない筈だった。 このおっさんとおっさんの一族が分散して、40%に近い程の株式を保有していたのに、株価が下がる時の売買数量は、発行済み株式に近いづいていた。



この おっさんとおっさんの一族は、さすがに株式を売る事もなく、当然信用でも売らなかった。証券会社に預けていた株があった事は事実だった。何連続ストップ安 になり、株価は思い切って下がった、売買数量も増えた。


一日の売買株数が、発行済み株式に近づくのが、おかしいと思う人は少なかった。最初にココが買った価格よ り、何連続ストップ安にもなり、思い切った安値になった。ココの目算は外れた。普通なら損切する所だったが、何故か、ココは損切もせず、辛抱強く、更に下 値で買い続けて、平均購入価格を下げた。



ココの保有株式は、ドンドンと増えていた。実質的には、暫くの間、ココが下値を支えていたと言う程、買っていた。 やたらと保有株式が増え、業界でも話題になった。



何故、香奈国内は、こんな株を集めているのだろうとみんな不思議がった。それでも暫くすると、我慢してい た甲斐があって、株価はやっと上がってきた。浮動株も少なくなり、上がる勢いも増えてきた。ココの買っていた株式の平均購入価格が、今の価格よりは低く なった。



なんでも新製品が出来たようだった。ココは喜んだ。この会社は新製品を出すと、利益が急増して、株価もドーンと上がる会社だった。ただ少し経つ と、大手に類似製品を出され、販売網や維持管理に欠けるこの会社の製品はジリ貧になり、利益が落ち、あせって、ドーンと開発費用をかけ、赤字になり、又次 の新製品を出すまで低迷し、株価もそれにつれて低迷する会社だった。



今度の新製品は、開発費用もやたらと使い、なかなか画期的なものらしい。これからドー ンと上がり、暫くは高値を維持する筈だった。ドーンと上がれば、この間に少しづつ売って大儲けと喜んでいた。


とこ ろが、ここからは、以前とは違った。その会社が、なんと正人に挨拶に来て、今後ともよろしくと言って、業績の説明を詳しく説明したり、やっと出来た新製品 の説明をしたり、香奈ハイテクのお手伝いをしたいとか言い出した。



ロボット工学研究所とぜひ協力していきたいと言い出した。正人も経理の事は判るが、技術 の事をペラペラと喋るおっさんだったので、勝と勝彦に、そのおっさんに会ってもらった。



その会社は、通信機器を作る会社だった。GPSとか云う、現在位置 の確認ができる機械を改良して、車のナビターみたいなものに、パソコンみたいなものを組み合わせ、ATSみたいなものまで組み合わせた新製品が出来てい た。



行き先をセットすれば、混雑個所を避けて、最適のルートを示してくれし、地図情報システムと道路情報システムと車間距離確認システムみたいなものを組 み合わせていた。車間距離確認システムを改良して、物と物との間を確認するシステムを位置確認システムとを組み合わせて、ロボットの遠隔操作をより精密に できる通信機器みたいなものをロボット工学研究所に売り込みに来た。