ジブタウン東京は拡大し、ジブトラストの再開発と協力していた。
敷地内の数少ない人は、この町が大きくなっている事は知っていたが、多くの人は何も知らなかった。
正人も財産管理会社と思っていた毛利不動産や毛利ビルの財務なんかにそんなに興味もなかった。経理書類はチェックして、利益がやたら上がっている事は知っていたが、香奈オフィスのレアメタル採掘による利益が入っていた事を知っていたので、それだろうと簡単に思っていた。
小夜も流石に、冶部ビル福岡の利益が五倍を超えて、急拡大している事は、当然知っていたが、レアメタルでの利益が冶部ビル福岡にも九州新開発を通して流れていたし、ジブタウン福岡が好調だった事やあの町のリゾートホテルが好調な事は知っていた。
福岡は、あの町へ行くためには、一種のベースタウンになって、人の出入りも増え、より一層好調になっていた。ただ小夜も結構歳だったので、それ以上はそんなに詳しく聞かなかった。
ジブタウン東京の拡大を検討している時だけに、東京を除いて、冶部ビル本体にお金を集めるために、各地の冶部ビルの配当率を少し上げていた。冶部ビル福岡や大阪の利益が急増している時期とも丁度重なっていた事も都合が良かった。東京でのジブトラストの不動産チームとのジョイント部分の開発も7:3で出資比率は少ないものの冶部ビル本社が出資する事になり、福岡からの高配当やジブタウン大阪が好調な大阪からの配当が大きな支えとなった。
ジブタウン東京も、本来のジブタウン東京エリアの再開発分は、元々仲が良かった名古屋からの出資と本体からの出資を受け入れて、ジョイント開発と同時にジブタウン東京の再開発を進める事に、漸く決まった。
ジブトラストの不動産チームも運営は、ジョイント部分は、冶部ビルに運営委託方式で任せてくれ、商業ビルでは実績のあった冶部ビルのソフト力を評価してくれ、ジブトラストが運営する商業ビルについても、レイアウトやテナント選択などのかなりの関与を認めてくれた。大きなゾーンが冶部ビルの再開発の対象になった。
冶部ビルは、基本的にはジブタウン東京に担当させたが、冶部ビル本体も当然ビックプロジェットなので、調整に忙しかった。これは大きな事業で拡大ジブタウン東京とも云える大きな開発だった。小夜は九州の事なんかにそんなに拘っている時ではなかった。小夜も忙しかった。