傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

小説【原発ホワイトアウト】は現場公務員の苦肉の情報公開ですね(雑感)

2013-10-09 08:36:00 | 社会

講談社の「現代ビジネス」サイトに、「週刊現代」(10月12日号)の記事『スクープ 現役キャリア官僚が告発 「原発汚染水は海に流すしかない」それが日本政府の本心です』がネットで評判になっていますね。
「週刊現代」の記事は、現役キャリア官僚が告発として著した【原発ホワイトアウト】(著・若杉冽=講談社)の背景・動機を記述した刺激的内容で、ネットで話題になるのは納得できますね。
小説【原発ホワイトアウト】は、公務員による秘密の漏洩防止の機密保護法対策の苦渋の情報公開で、堅牢な官僚組織に「蟻の一穴」になればと思いますね。

当方が、小説【原発ホワイトアウト】を知ったのは、ブログ「田中龍作ジャーナル」様の9月28日のエントリー『「新○県知事、逮捕」 現職官僚・告発小説のリアル』でした。

ブログ「田中龍作ジャーナル」様は、9月26日のエントリー『泉田知事に何があったのか 「特捜部がターゲットに」報道も』で、 前日まで東電の安全対策に不信感を持っていた新潟県の泉田裕彦知事が、翌日に柏崎刈羽原発6、7号機をめぐり東電が原子力規制委員会に提出する安全審査申請を条件付きで容認意向に疑問視し、その背景に、

”「急展開の背景に何があったのだろうか? 思い至るのは、5日に新潟県庁で持たれたメディア懇談会だ。「第2の佐藤栄佐久氏(前福島県知事)になると思ったことはないか?」と筆者が質問しところ、泉田知事は「ありますね」と答えた。「黒塗りの車にビタっとつけられた時は気持ちが悪かった」と話した。

 東電のプルサーマル計画に反対していた佐藤栄佐久・前福島県知事は、実弟の不正土地取引の疑いをめぐる収賄罪で東京地検に逮捕、起訴された。収賄金額はゼロ円という奇妙キテレツな汚職事件だった。国策捜査のはしりである
。」”

と、佐藤栄佐久氏(前福島県知事)を持ち出し、

”「『サンデー毎日』(10月6日号)に掲載された。同誌は地検特捜部関係者のコメントとして次のように書いている――

 「地検上層部からの指示で泉田知事を徹底的に洗っています。立件できれば御の字だが、できなくても何らかの圧力を感じさせることで、原発再稼働に軌道修正させる助けになりたい考えではないか」。

昨夜の段階では「規制基準をクリアしても安全は確保できない」とまで話していた泉田知事が一転、容認した背景には「何らかの圧力」があったのだろうか
。」”

と、泉田裕彦・新潟県知事に「何らかの圧力」があり変節したのではないかと書いていました。

そして、9月28日のエントリー『「新○県知事、逮捕」 現職官僚・告発小説のリアル』で、小説【原発ホワイトアウト】に佐藤栄佐久・前福島県知事の逮捕劇の記述があり、佐藤栄佐久・前福島県知事は実弟の不正土地取引に絡んだとされ、佐藤栄佐久氏は収賄の疑いで検察庁に逮捕される。収賄額はゼロ円という摩訶不思議な汚職事件だったとし、小説【原発ホワイトアウト】に登場する新崎県知事の伊豆田清彦を新潟県知事の泉田裕彦とみなして、

”「検察が動き伊豆田知事は嵌(は)められる。新崎県が経理システムを発注した「藤ソフト」が見返りとして、伊豆田知事の義父が経営するソフト会社「ライフ」にシステム開発を割高な金額で発注した、というのだ。
 システム開発の金額などあってなきに等しい。そこを「割高」として付け込むところがいかにも検察庁らしい。「逮捕ありき」なのだ。
 知事就任前「ライフ」の取締役をしていた伊豆田は収賄の疑いで逮捕される
。」”

と、伊豆田清彦知事(新潟県知事の泉田裕彦)も佐藤栄佐久・前福島県知事も、踏んではならない東電という虎の尾を踏んだのであると書いていました。
当方は、「田中龍作ジャーナル」様のブログを一読し、小説【原発ホワイトアウト】は内部告発物と思っていました。

一方、「週刊現代」(10月12日号)の記事『スクープ 現役キャリア官僚が告発 「原発汚染水は海に流すしかない」それが日本政府の本心です』は、電力利権の闇と再び発生する原発事故を描いて反響を呼んでいる『原発ホワイトアウト』(講談社刊)の著者、若杉冽氏は、ペンネームであり、「霞が関の省庁に勤務する現役キャリア官僚」としての日本が抱える原発問題の核心を抉った、迫真の「告発ノベル」とし、著者、若杉冽氏が政官業癒着の「原発ムラ」の実情を述べております。

当方は、田中龍作氏が泉田裕彦・新潟県知事が変節と思われる言動に、佐藤栄佐久・前福島県知事を持ち出し「何らかの圧力があった」憶測には同感で、泉田裕彦・新潟県知事の身辺で「突っ込まれるネタ」が

”「新崎県が経理システムを発注した「藤ソフト」が見返りとして、伊豆田知事の義父が経営するソフト会社「ライフ」にシステム開発を割高な金額で発注した」”

であれば泉田裕彦・新潟県知事が自重し構えるのは納得できますね。

田中龍作氏が取り上げた佐藤栄佐久・前福島県知事については、本ブログ「鶴田浩二の「傷だらけの人生」を連想する日本社会(雑感)」(2013-07-11)、本ブログ「検察の劣化:前福島県知事汚職事件の裁判・・・問題意識が希薄に?」(2009-10-21) で取り上げましたが、政官業の癒着、堅牢な官僚組織、検察の独善が日本社会を硬直化させる主因ですね。
小説【原発ホワイトアウト】が堅牢な官僚組織への「蟻の一穴」になればと願いますね。

「追記」

ジャーナリストの岩上安身氏が主催の【IWJ Independent Web Journal】サイトに記事『泉田裕彦新潟県知事は心変わりしたのか!?――東電の「第2フィルターベント」提案と引き換えに手にしたもう一枚のカード』(「BLOGOS」でも掲載)で泉田裕彦新潟県知事の言動を考察しています。



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