朝日新聞の特集連載〈プロメテウスの罠〉のタイトル【医師、前線へ】シリーズの11月9日付けサブタイトル【聞く度に話変わった】で、2011年3月19日に佐藤雄平・福島県知事の要請により、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した山下俊一・長崎大学教授(現 副学長)への3回の取材では、話を聞くたびに内容が違っていたと記述。
記事は、朝日新聞と山下俊一氏の一問一答の構成で、
”「-福島県立医大でヨウ素剤服用は不要だと結論を出しました。
「福島に入ったときは情報がなかったんです。情報といえば福島県立医大で測定していた空間線量のデータぐらいで・・・・・・。3月23日にスピーディの結果を見て、ありゃーと」
ー情報がないのになぜ不要と結論を出したのですか。
「日本の原発はフィルターがついていると思っていた。放射性物質があんなに広範囲に広がっていると思わなかった」」”
朝日新聞が2011年3月18日の県立医大での講演会の録画を入手後、改めて質問。
”「-講演では「安定ヨウ素剤は信仰だ」とまで話しています。
「チェルノブイリの場合は、その後に放射性物質を含んだ食品を大量に摂取した。つまり内部被曝の影響が大きい。日本は大丈夫だという意味です。それに原発から60㌔離れた県立医大では分けて考えていた。県立医大は空間線量が低くなっていたのでヨウ素剤を飲む必要がない」
ー県立医大の職員が飲む必要がないという意味にはとれません。普通に聞けば、住民に飲ます必要はないと受け取ってしまいます。
「言葉足らずで申し訳ない。でも実は当初避難した住民は国の指示が出てヨウ素剤を飲んでいたと思っていた。マニュアルでは避難中に飲むことになっていましたから」
ー服用させるべきかどうか、国から相談はなかったのですか?
「なかったですね」
ー相談があったら服用させるべきだと答えましたか?
「そうですよ。避難するほどの事態であれば服用する。そのためのマニュアルですから」
ー原発の状態は不安定でした。福島入り後、有事に備えて服用できる態勢を作ろうとは?
「情報もなかったし、全く議論しませんでした」」”
山下俊一氏は、1999年に起きたJOC臨界事故後、原子力安全委員会で安定ヨウ素剤服用のマニュアル作成に従事しており、安定ヨウ素剤服用の留意点は熟知したはずですが、18日の県立医大での講演会で、”「服用マニュアルは数々の欠点がある。使われない事を祈る。」”と発言しており、避難する有事の事態には、原子力安全委員会のマニュアルにはヨウ素剤服用を記載していると発言には詭弁としか思えないですね。
このような人物が甲状腺学会理事長で福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーでは、被災避難の母親が解任の署名活動したのは納得できますね。
先のブログで、で、三春町の災害対策本部の責任者だった深谷茂・副町長は、情報も上部組織から指示もない状況下で、部下に”「そこに想像力と知恵を働かして判断というものが大事なんだよ」”の発言を山下俊一氏に聞かせたいですね。
避難する事態であればヨウ素剤服用はマニュアルに記述してあり、マニュアルの記述通りに国なり自治体は服用させるの当然だという保身的口調には、深谷茂・副町長の爪の垢を煎じて飲せたいです。
それにしても、安定ヨウ素剤を配布し服用は国・県から指示待ち自治体もあり、福島県立医科大学も県・国の指示待ちであり、国は安定ヨウ素剤をどうしようとしたのか関心がありますね。
担当部門はスタンバイ状態であったがトップの指示待ちであればトップの不作為になりますね。
オリンピック開催が決定し、世の中、福島原発事故は普及復興廃炉が話題に移り、放射能汚染に「東電よ!しっかりせよ」という風潮なりつつあり、誰も責任を問われないのが当然という雰囲気には違和感を覚えますね。