傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

認知症の老母の在宅介護をして・・・「受容・傾聴・忍耐」が肝要

2014-06-19 14:01:56 | 社会

要介護5の認知症の老母(93歳)の在宅終末介護を開始し10日経過し本人も介護する当方も生活パターンが形成しつつあります。
老母は典型的なアルツハイマー型の重度の認知症と診断されており、当初は落ち着かず「ああー、嫌だ!」「家に帰りたい!」と言われ往生しましたが現在は穏かに過ごし始めています。
落ち着き始めた要因は、本人の支離滅裂の話を聞き、同じ話を繰り返し言い続けたことと思われ、認知症の高齢者には「受容・傾聴・忍耐」と思います。

老母の介護計画は、早朝に、口腔ケア、オムツ交換、経管栄養、昼に訪問介護によるオムツ交換、経管栄養、夕刻に訪問介護によるオムツ交換、経管栄養が基本で、火・金曜日には訪問看護、水曜日には訪問入浴、月2度、訪問医の計画です。
老母には、「病院でお世話になっていたが元気になり、家に帰る事に出来、今後は、家に、皆さんが来て、お世話してくれる」と事あるほど言い続け、自宅にいることを洗脳し、訪問ヘルパーさんらはお世話に来ていただいていると説得してきました。

認知症の老母は、直前のことも忘却し、訪問入浴直後、「お風呂良かった?」と聞くと、「お風呂に入っていない」と言います。
当方は、徘徊で事故以来、身近にいたことで、老母は、当方を息子かどうか覚束ないが親近感があり、「皆さんが来てお風呂入れてもらい、奇麗な顔になり良かったね」と言うと、「そうかい」と言いますね。

本ブログ『認知症看護での「ユマニチュード」手法の効用は納得!』(2013-09-19)
で、経験的に認知症看護手法として「ユマニチュード」手法
*見つめること(同じ目の高さで、正面から、近くから長く)
*触れる事
*話しかける事(頻繁に、優しく、前向きな言葉で)
*立つこと(立つ様に支援すること)
の効用は納得できると書きました。

老母の介護の合間に、偶然、「JBpress」の藤 和彦氏の記事『老いてはロボットに従え 「ペッパー」が「ドラえもん」になる日は来るか』(2014.06.19)の

”「高齢者に対して「受容・傾聴・共感」してあげることで高齢者の不安を取り除くことが大切だが、「言うは易し、行うは難し」である。社会の超高齢化がますます進み、認知症患者が急増するとの予測の中で、私たちはその負担に耐えられるのだろうか。」”

に接して、”「高齢者に対して「受容・傾聴・共感」してあげることで高齢者の不安を取り除くことが大切」”は納得できます。

認知症の老母は、自分勝手の思い込みによる言動も「受容」し、支離滅裂な話でも「傾聴」し、「そうかい、そうかい」と頷くことが和み穏かな表情になり、訪問ヘルパーにも従順になることは、痛感しています。
敢えて言えば、「共感」というより、「辛抱・我慢」で、「受容・傾聴・忍耐」でしょうね。

当方が、老母を在宅介護し始めた契機は、徘徊中に転倒事故を起し救急車で運ばれる事案で、当時は介護保険制度も要介護認定も無知で、「年寄りの呆け(痴呆)」と思い、「知らない」「聞いていない」「言っていない」と固執する言動に腹が立ち、腕力で異常行動を抑制することがありました。
その後、要介護1認定でディサービス通所し、要介護4で特養に入居し拒食症状で病院に入院し、退院後は要介護5認定なり、ベットに寝たきりになり、訪問介護サービスもあり一時期より介護に余裕があります。
経験的、歩ける認知症高齢者の要介護1,2,3時代が一番大変であり、「受容・傾聴・共感」などの精神的余裕はありませんでしたが、現在は、「受容・傾聴・忍耐」を意識して終末期介護に努めています。

「付記」

前述した記事『老いてはロボットに従え 「ペッパー」が「ドラえもん」になる日は来るか』は、

”「6月5日の記者発表会の場でソフトバンクの孫正義社長が披露した「pepper(ペッパー)」は、計算・記憶など人間の左脳の働きを代替する機能を進化させてきたこれまでのロボットと違い、感情や創造性など人間の右脳の働きに焦点を当てた「感情エンジン」で動くという。」”

で、当方もニュース報道でソフトバンクの「pepper(ペッパー)」を視聴し、完成度は懐疑的でした。
しかしながら、従来の介護ペット、介護ロボットに比べて、寝たきり老母を24時間「受容・傾聴・共感」は出来ませんので、その一部でも代替できれば在宅介護する家族の負担を軽減できる一助と思いましたね。
特に、高齢者の話相手に「ペッパー」を期待します。



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